2014年02月07日

自給期待と日本の近未来11~本源社会前夜の時代に突入,『追求力』が制覇力となった~

前回、前々回では、『脱お上の自給期待 ⇒追求力の時代』と『秩序崩壊の危機感⇒追求力の時代』という形で、追求力の時代になった背景を押さえてきました。
また、貧困の消滅に伴い、私権原理から共認原理にパラダイム転換した現在、社会全体としても本源社会に向かっています。
では、追求力の時代と本源社会に向かう潮流はどのような関係があるのでしょうか。
●同類闘争を勝ち抜く力=制覇力
追求力の時代と本源社会に向かう潮流について一言でいうと
『今は大転換期にあり、答えを出せたところだけが勝つ時代』
つまり、追求力が同類闘争を勝ち抜く力(制覇力)となる時代がきたといえるのです。
多くの生物は別の種類の生物と闘争をしていますが、その中でもっぱら同類を対象として闘争をしている珍しい生き物が猿と人類、霊長類です。例えば、戦争や企業間闘争も生き残りをかけた同類闘争のひとつです。
では、この同類闘争を勝ち抜くためにどのような力が必要なのでしょうか。

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●制覇力の歴史
歴史的には、古代は武力闘争の時代であり武力が制覇力、近代は市場社会の時代で制覇力は資本力でした。今はこれが追求力に転換し、文明時代3000年の歴史を覆す大転換期を迎えているのです。
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(リンク),(リンク)こちらのサイトからお借りしました。
・古代文明が起こる前に登場した武力勢力
古代文明が起こる前に登場した武力勢力は、遊牧集団でした。彼らは、寒冷化・気候変動という厳しい自然外圧の中で、食糧確保を確保し、自集団を守るべく他集団を襲い始めました。
一度始まった戦争は、玉突き的に広がっていきます。幾度となく戦争が起こり、勝者が敗者を従えていきます。そうやって、集団が拡大する中で、身分序列が形成され、最終的には、国家が形成されるに至りました。戦争という同類闘争を制し、他集団を従わせる制覇力となったのは武力だったのです。
3/13なんでや劇場(2) 遊牧によって何が変わったのか?
・資本社会の実現前に登場した金融勢力
制覇力が武力から資力に移行したのは、ルネサンス期以降になります。国家という序列社会の中で、最も金銀財宝を蓄えていた王や貴族を相手に、その富を掠め取るために交易したり、戦争を仕掛けて富を蓄積する集団が登場しました。これが今に繋がる金融勢力(金貸し)です。
その後彼らは、国家から富を収奪するために、国家を相手に金を貸す中央銀行制度を作り、かつマスコミや官僚を賄賂で操り「お金が第一」という共認を図り、市場拡大が絶対という資本社会を作り上げたのです。
近代市場の成立過程(2)~近代市場の誕生前夜・富豪の台頭⇒現代通貨制度の原型が形成される~
以上のように、自然外圧や同類闘争圧力に晒されている中で、
遊牧集団が登場し、武力が制覇力となり実現した武力社会
金融勢力が登場し、資力が制覇力となり実現した市場社会
が示しているように、同類闘争を勝ち抜く力=制覇力を持つ集団が登場することで次の社会への道標となっていたのです。
これまでの社会構造を整理すると、これまでは、力の原理によって統合された社会でした。縄張り闘争を勝ち抜く力は武力となり、市場競争を勝ち抜くは資力となりました。それらの力は、社会を統合する統合力であると同時に、闘争相手を倒す制覇力だったのです。
では現代はどうでしょうか。今も資力の時代が続いているといえるのでしょうか。
●現代の制覇力は何か
本シリーズでも紹介してきたように、’13年は追求力の時代に入ったと提起してきました。
現代は、貧困が消滅したことで、人々は身分(出世)やお金の追求には興味を失っています。昨今では「健康・食品・医療」というような、市場に頼らない生活を追求する事象であったり、周りの役に立つ仕事がしたい若者の増加が示しているように、本源回帰の潮流が顕現してきました。
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(リンク),(リンク)こちらのサイトからお借りしました。
本シリーズでも紹介している自給期待もそのような背景があるからこそ顕在化した潮流なのです。
今は、私権時代から共認時代に大転換し、同類闘争の源泉が物的な欠乏か周りの役に立ちたい、課題を通じて共に喜び合いたいといった欠乏(類的欠乏)に移行しています。例えば、会社を元気にする組織活動や現業上大切なお客さんを勝たせるために何をすべきかを追求することが同類闘争の中身となりました。つまり、今の時代は、周りの期待にどれだけ追求し、応えられたかで勝敗が決まるのです。
より深く対象(仲間、企業、社会)を捉え、類的欠乏に応える追求を積み重ね、期待に応えられたときの充足は、仲間、企業、社会の活力を引き上げことができるのです。
これが、現代の同類闘争を勝ち抜くために必要な力は追求力であるという理由です。
●追求充足の時代へ
追求の時代に入ったことで、充足するための収束先も変わってきています。次は、充足するための収束先の変化を見ていきましょう。

・外圧=内圧の定理のとおり、人類(集団)も圧力に対応するべく活力が生じる構造にある。
・私権の強制圧力は外から否応なくやってくる圧力であった。しかし、共認圧力は自分たちで生み出す圧力である。自ら人々の期待を対象化し、ひたすら「なんで?どうする?」という追求を重ねることで、共認圧力と追求活力→追求充足を上昇させてゆく時代になるだろう。

追求力の時代は、現実社会で答えを出すために、とことん人々の期待を対象化し同化する必要となります。
より広い視野から物事を捉え、本質までたどり着くために深く追求する力が、同類闘争圧力を高めると共に、実現したときの充足は大きなものとなるのです。
従って、現代の同類闘争で勝ち残っていくためには追求力が不可欠であり、追求力が高い集団こそ、これからの時代に生き残っていけるのです。
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List    投稿者 kaneking | 2014-02-07 | Posted in 12.現代意識潮流No Comments » 

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