2013年12月02日

自給期待と日本の近未来6 ~金貸し支配の構造と崩壊の兆し~

前回までの記事で紹介したように、日本の大衆は、お上を見限り脱市場へと舵を切り、自給期待の共認圧力を形成し始める段階にまで来ていることが見えてきました。一方、日本から世界に目を向けると他国でも様々な現象が起こっています。
例えば、アメリカのデフォルト騒動。これは先月各国の注目を集めましたが、金融緩和措置を行いデフォルト回避の方向に舵をきる結果となりました。中東の民主化運動は、今までの長期独裁政権の抑圧に対する反発に加え、反米感情の蓄積、経済悪化と失業増への不満が蓄積され、それらがイスラムの民族意識を上昇させ、アラブの春・民主化運動へと繋がっていきました。エネルギー問題に目を向けると原発増設の動きが途上国を中心に広がっています。東アジアでも、日中韓問題にみられる竹島・尖閣諸島問題の対立問題などがみられます。
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写真はこちらからお借りしました。(リンクリンクリンクリンク
これらの動きの背景には、どのような構造があるのでしょうか。
今回は、上記のような事象が引き起こされる基本構造を解明した上で、日本の自給期待の可能性について迫ってみたいと思います。

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世界における現代社会の基本構造

私有制度に基づく社会では、誰もが、私権(地位や財産)の獲得を目指して争う。教科書に載っているいわゆる文明社会とは、誰もが私権(の獲得)に収束することによって統合された、私権統合の社会に他ならない。
当然、そこでは私権の獲得に必要な力がものを言うことになり、力の弱い者は力の強いものに従うしかなくなる。力の原理である。私権社会は、このような力の原理によって統合されている。

過去を遡って見ると、古代は武力、近代以降の市場社会は資本力(お金)を持つものが社会を支配してきました。それらの力は、社会を統合する統合力であると同時に、競争相手を打ち負かす制覇力でもあります。

市場社会では、金貸しが、官僚を支配し、教団に変わって登場した学者とマスコミを支配し、そして官僚機構が大衆を法制支配し、教宣機関(大学・マスコミ)が大衆を共認支配している。
金融勢力が君臨する市場では、市場競争が恒常的に存在している。従って、市場社会では、金融勢力が常に頂点に君臨し続ける。しかし、金貸しは決して社会の表には出てこない。その結果、古代より近代の方が、支配勢力の力の蓄積はより巨大なものとなり、かつ、表からは見え難くなっている。
ロスチャイルドやロックフェラーに代表される金融勢力=金貸しは、近世以来、配下に諜報・工作機関を持ち、目星をつけた政治家や官僚や学者を、一般的には利益誘導によって、勝負所では買収と脅迫を使い分けながら、支配し続けてきた。その力は、王室さえも操れるほどである。
マスコミにいたっては、利益誘導や脅迫による支配だけではなく、金貸しが直接的に経営し支配しているケースが多い。要するに、力の頂点に君臨する金貸しが、政治家や官僚や学者やマスコミ等の統合階級を支配し、その統合階級が大衆を法制支配+共認支配しているというのが、現代社会の基本構造である。

上記に示した構造を作り出す金貸しの目的は何なのでしょうか。
簡潔に言うと、市場を拡大させ、私権を肥やすことが彼らの生きる道であり、金貸しの存在基盤を守ることなのです。
金貸しの歴史を遡ると、彼らの祖先は略奪闘争によって自集団が破壊されました。その状況下で不安発から市場という抜け道を利用し、金を蓄積することで生き延びてきました。彼らにとって、市場拡大は絶対で有り、縮小ともなれば存在基盤が揺らぐこととなり、絶対死守すべき課題なのです。
しかし、彼らは私権を獲得することが第一課題であるものの、お金を使うことには積極的ではありません。彼らは、慈善活動にはお金を使うものの、自らの私権をアピールするような行為で消費することにはあまり執着していません。例えば、ロックフェラーが50年以上同じスーツを愛用しているなど…(リンク)
つまり、彼らは市場縮小が起こることを恐れ、市場拡大の延命策として架空経済を作りだし、金融緩和措置を続けながら、自らの存在基盤を守ることがもっとも優先すべき課題なのです。
では、現在、市場拡大停止という状況の中、金貸しの行動はどのように変化してきたのでしょうか。金貸しの不安発から見られる現象を、ここまでの状況認識をもとに、冒頭に挙げた『最近の事象』を分析してみましょう。
『アメリカのデフォルト回避』は、市場縮小により国家の財政赤字からデフォルトは不可避の状況にもかかわらず、規制緩和を実施し、むりやり市場を延命させ、国家が破綻するまで収奪することをあきらめていません。(リンク)
『中東の民主化運動』は、いうことを聞かなくなった産油国に対し、SNSで反乱分子を煽動して創出し、欧州と米国の金貸し同士の縄張り争いを繰り広げています。(リンク)
『原発増設』は、原発を後進国に売り込むことで、市場拡大を活性化させ、かつ利権増大を目論んでいます。また、過去の原発問題を振り返り違った視点で見ると、ウラン販売や廃棄物処理による永久市場の開拓に飽き足らず、事故誘発→放射能拡散→がん患者多発に伴う抗がん剤拡販という自爆商法の下地づくりを行っているようにも窺えます。(リンク)
『日中韓の対立』は、戦争に持ち込んで武器販売したいという古典的手法に加えて、東アジア経済圏成立を断固妨害せんがための分断統治を行っています。(リンク)
どうでしょう?こうして見てみると、市場拡大停止に伴う金貸しの狼狽に加えて、手段を選ばず私権を蓄積すべく手法で、恐ろしく短絡な暴走ぶりがよくわかります。
上記のような事象を引き起こした結果、金貸しの暴走に歯止めをかけようと、各国で様々な動きがみられるようになりました。次にその事例を紹介します。
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写真はこちらからお借りしました。(リンクリンクリンク
中国は、共産党一党独裁、国務院(政府)の下部組織である中央銀行制度、情報統制を軸に金貸しの力よりも常に国家の力が上位にくるよう国家体制を敷き、金貸し支配から国家を守る動きを行っています。(リンク)
ロシアは、プーチンによる脱金貸しの動きを強めていることがわかります。また、上記に示した中国と関係深化や反米勢力とのネットワークを強めてその国力を増し、脱金貸し支配の世界共認を図ろうとしています。(リンク)
ハンガリーは、現在政府発行通貨で経済を立て直しているようです。それは、国家主権を発動しての通貨発行を断行することで、金貸しは通貨発行する権利を失うことを意味します。つまり、政府通貨を実施することで脱金貸し支配を図ろうとしているのです。(リンク)
上記に示した様に、各国の脱金貸しの動きは、独裁政権の特徴を活かした国、金貸しに利用された教訓をもとに反体制を築いた国等、それぞれ特徴が見られます。しかし、共通しているのは力の原理のもと特権階級側によって築かれた体制であることに変わりありません。
一方で、日本はどうでしょうか。
特権階級は、消費税増税、不正選挙、特定秘密保護法というように、金貸しの言いなりのままに政策を実施しています。このような状況から、大衆は特権階級の暴走を見限り、自給期待を生起させています。これは、日本の共同体資質があるからこその現象です。他国を見ると大衆側から自給期待を生起したところは、今のところありません。
これまで見てきたように、市場支配(金貸し支配)から脱却すべく、新たな勢力台頭し、脱金貸しに向けての動きはじめていることが見えてきました。新たな勢力は、金貸しの暴走を食い止めるべく今後監視圧力を高める方向で舵をきっていくことになるでしょう。
しかし、本当の脱市場の可能性が実現できるのは日本です。本シリーズで提起してきたように、最先端の意識潮流から見ると、日本の大衆発の自給期待こそ、脱市場への可能性で有り、閉塞した社会を切り開く可能性なのです。
今回は世界を動かす勢力構造とそれに歯止めをかけるべく動き始めた新勢力の動きを見つつ、日本との違いを見てきました。次回は、さらに日本に焦点をあてて勢力構造の動きと新たな可能性の萌芽についてみていきたいと思います。

List    投稿者 kaneking | 2013-12-02 | Posted in 12.現代意識潮流No Comments » 

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