2022年04月25日

【世界の力を読み解く】イランの事例から見る経済制裁の行く末/経済制裁の効果はあるのか?

今回のウクライナ戦争は経済制裁に反発したロシアが戦争を起こした悪として扱われています。戦争が長引いていると同様に経済制裁も続いていくと思いますが、このまま経済制裁が続いてくとロシアはどうなるのでしょうか?ロシアの前に経済制裁のターゲットにされていたイランの事例から今後の行方を考察していきます。

画像はこちらから引用

〇経済制裁を受けたイランはどうなった?
イランは2006年ごろから核開発問題を受けて世界から本格的な経済制裁を受けることになりました。

制裁は一般的に核兵器、ミサイル、特別な軍事技術などの軍事関連の輸出を禁止し、または、石油、天然ガス、石油化学製品に投資することも禁止していました。

制裁によりイランが核開発計画を進めるために不可欠な材料及び設備を入手することを困難にしており、計画にとって重大な障害となっていました。2011年の秋頃から、イラン通貨の貨幣価値が下落し、イランを金融恐慌状態に陥れたとされています。欧州連合の原油輸入停止の直後、通貨がさらに10%下落。原油に依存した経済に大きな影響を及ぼしました。2012年3月までには、イランの生産が過去10年で最低の水準に低下し、イラン産の原油は割引価格で販売され 、欧米原油市場におけるイラン産原油の穴埋めはサウジアラビア産でまかなわれました。

さらに制裁を強められた2018年4月~2020年10月の間に、通貨価値は1/6以下になってしまいました。その後少し回復し2021年3月には2018年4月と比べると1/5以下の価値になりました。

そのような制裁の最中に中国がイラン最大の貿易相手国となっています。米国は中国の企業が、経済制裁に違反してイランとの貿易を行っているとして摘発および制裁も行っています。

(さらに…)