2009年12月03日
進む円高 ~円が上がったのではなく、ドル価値の暴落~
11月中盤からジリジリと上がってきた円が、11月後半になって14年ぶりの円高:1ドル86円台を付けた。
アメリカの超低金利政策によるドル売り、などと解説する経済紙などもあるが、本質はそんなところに無いと思う。金利差、投機資金の流れなどで「急に円高が進んだ」訳ではない。
実は、世界各国通貨は、この1年ドルに対して上げており、上がっていなかったのは、円くらいだった。通貨全体の流れを見れば、一貫してアメリカという国に対する信用喪失から来る「ドル安」が進んでおり、しかし「円だけは、ドルに対して上がっていなかった」。
つまり、今回の円高ドル安は急に起こったのではなく、もっと以前から起こっていたはずだった円高ドル安が、遅れてやってきたことになる。
だから、今回の問題の焦点は、「世界的なドル安の流れに対して、円だけは上がらなかったのはなぜか?(=もっと以前に起こるはずだった円高ドル安が進まなかったのは、なぜか?)」
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※ゴールド価格を基準とした時(=ゴールドの価値が一定だったとした時)の各国の通貨価値。
金価格は年初以来一貫して上昇基調だが、これを通貨価値の下落だと見なした。
グラフ上では下方にあるほど価値が低く、上方にあるほど価値が高い。
このグラフから、最も通貨価値をドルだが、円もドルに追従するように下がっていることが分かる
(ユーロはまだまし)。
これは、ドルが単独安に向かう中にあって、主に円によってドルが買い支えられてきたことが分かる。
(だから、円ードルのレートは大きく変動してこなかった