2009年01月10日

’09年の経済予測⇒ドル・米国債暴落はあるのか?

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「なんでや劇場レポート1~’09年の経済情勢 物的需要の衰退が加速~」
「なんでや劇場レポート2~’09年の経済情勢 貿易収支の変化と鎖国政策という可能性~」から、
’09年確実視される経済状況を整理すると、以下のようになる。
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●’08年金融危機から、’09~’10年の市場がどうなるか?
車の売上▼30%ダウン、今後さらに下がることはあっても回復することは当分ない。家電・住宅・建設、販売・飲食も▼15%。食糧も節約志向の中で▼5%の可能性。’11年以降はもっと酷いことになる。
これまで40年以上に亙って日本は貿易黒字国であり、世界最大の債権国だったが、貿易赤字国に転落する。その前兆として’08年8月・10月・11月と貿易赤字。これは一時的なものではなく、輸出と輸入の構造によるもの。輸出は車をはじめとして工業製品の輸出が▼30%。輸入は、工業製品の原材料輸入は輸出減に比例して減少するが、食糧・原油輸入はせいぜい▼10%。従って、輸入総額は▼10~20%。輸出<輸入となり、日本は恒常的な貿易赤字国に転落する。
この基礎条件の上で、各企業はどうなるか?
米最強の企業と言われたGMが大赤字で倒産寸前。GMの人件費はトヨタの3割高く、GM再建するためには賃金を最低30%カットする必要があるが、トヨタレベルではダメ。トヨタも’08年1兆円の赤字。ソニーやパナソニックも’09年は軒並み赤字に転落する。マスコミも同様。’08年新聞社は読売以外は赤字、TV局はフジ以外は赤字。’09年は全社赤字。
各企業が次にやることは、’08年既に派遣切り⇒次は正社員の解雇or10%以上の賃下げorその折衷案。 中小企業はもっと悲惨なことになる。中小企業の大半は輸出向け製造業の下請けであり、大企業の売上減に直撃される。大企業の売上が平均30%減でも、中小企業によっては売上7割減~売上ゼロという企業も出てくる。
これに銀行の貸し剥がしが加わる。
銀行には自己資本比率(自己資本/資産)8%以上というルールがある。金融危機で自己資本に穴が空くと自己資本比率8%を割ってしまう。それを回避するには資産、つまり融資金額を圧縮するしかない。そのため返済リスクのある対象から貸付金を無理矢理回収するのが貸し剥がし。それは’90年バブル崩壊後にもあったが、今回は苛烈さを増す。
ところが現在、大手銀行の貸付総額は前年比3%増になっている。これは大企業の社債やCPが売れないので、大企業は銀行からの融資で資金調達するしかないため。大手銀行は大企業を優先して融資する一方、自己資本比率を10%を守るために、全てのシワ寄せが中小企業へ向かう。不動産・建設といった経営不安のある企業にとどまらず、黒字でも中小企業というだけで貸し剥がしに遭うことになる。
その結果、’09年は世界中で倒産と賃下げの年になる。
日本は年功序列賃金だが、欧米や中国は同一職種同一賃金。従って、若者の失業率が平均失業率を常に上回り、失業した若者が街に溢れ、世界中で暴動が頻発するかもしれない。秩序維持できるか否かの限界線に世界は置かれる。
以上が、ほぼ確実視される、’09年の経済状況である。
これに、ドル-米国債が暴落があればどんな事態になるか?
①そもそもドル・米国債の暴落はあるのか? 
②それに加えて、世界の投機資金が再び原油・食糧に向かい、原油・食糧が高騰するのかどうか?
まずは、ドル・米国債の暴落はあるのか?が当面の追求課題となる。
そこで、気になる記事があったので引用します。米国債バブルが崩壊の兆しか?
「焦点:米国3年債の海外需要に陰り、バブル崩壊の兆しか」[ニューヨーク 7日 ロイター]

7日に実施された3年物の米国債入札では、特に海外の投資家を中心に需要が衰える兆しが見られ、米国債市場のバブルが崩壊しかねないとの懸念が高まった。実際に米国債市場が崩壊すれば、世界経済に深刻な影響をもたらす恐れもある。
海外の投資家は5兆8000億ドルに上る米国債の半分程度を保有しているが、この日行われた300億ドルの3年債入札では、海外勢による落札額は通常を下回る水準にとどまった。
米政府は金融システムや自動車業界の救済に必要な資金を調達するため、今年は約2兆ドルの債券を発行する計画で、この日の3年債入札も過去最大規模となった。
海外の中央銀行による入札分を含む間接入札者の落札比率は約28%で、12月に行われた3年債入札の35%を大幅に下回った。
米国の短期国債利回りは昨年12月中旬に、リスク資産から安全資産への資金シフトが加速したことで過去最低水準まで低下した。
しかしアナリストによると、投資家はここにきて記録的な低利回りとなった米国債をさらに買い進むことを躊躇(ちゅうちょ)し始めた。それによって利回りが反転すれば、資金調達に苦しんでいる企業や家計の借り入れコストを押し上げ、低迷している景気に追い討ちをかけかねない。
短期債利回りの上昇は、大量の国債発行による影響をより受けやすい長期債利回りの大幅上昇の前触れとなる可能性がある。米国債への需要を占う上で、8日に実施される160億ドルの10年債入札が関心を集めている。

ドル・米国債暴落はあるのか? これが当面の焦眉の課題である。
(本郷猛)
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List    投稿者 hongou | 2009-01-10 | Posted in 06.経済破局の行方1 Comment » 

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コメント1件

 hermes bags black | 2014.02.02 17:04

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