2022年12月14日

分断される世界/不確実性を増す経済/共創の企業経営

※ロシア・ウクライナ戦争半年、世界情勢を鳥瞰する視点
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2022/09/13801.html

※世界と日本をめぐる論点(戦争・資源・金融・通貨・物価)
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2022/10/13913.html

 

分断される世界

・ロシア-ウクライナ戦況は長期化の様相。この戦争は様々な意味で「世界の分断」を浮き彫りにしている。

・世界は大きく三極の構図。【覇権を維持したい米欧勢力】(資源取引や軍事支援を巡って結束に綻びも見える)、【ロシア・中国が主導する反米欧勢力】(上海協力機構、BRICS、OPEC+、資源国同盟など、拡大傾向)、【その狭間で最大国益を狙う新興国】(インド、トルコ、ASEANなど、戦略的バランス外交と駆け引き)。

・中国情勢では、党指導体制強化、ゼロコロナ締付けと批判誘発も体制強化の一環である可能性、サウジと包括協定などの動き。一方で、膨れ上がる債務、住宅バブル処理等は、中国経済のアキレス腱となっている。

・米国情勢では、不透明な中間選挙、民主主義への疑念、バイデン政権の世界的プレゼンスの低下は否めない。

・日本の政治姿勢は米欧勢力の一員という立場だろうが、企業経営にとっては、コトはそう単純ではない。

まずサプライチェーン構築(セキュリティ含む)の変数が極度に複雑化。脱炭素、パンデミックも関係する。

製造業では、資源、原材料、中間製品をどう確保するか。各国の流動的思惑から貿易制限が一般化し、自由主義的取引の発想では立ち行かなくなる可能性が高い。金があっても買えない、円安で負けるリスクもある。

・正解がない時代を生きる企業経営者に求められる能力は何か。多極化する世界各々の立場に深く同化しつつ、大きな力の流れを先読みし、是々非々で判断するだけの「強靭な思考力」だろう。

(世界には、良し悪しは別として、自分たちと異なる価値のモノサシを持つ人々が、事実として多く存在する。西側の、自由、民主等の価値観を絶対正しいとする思考に依っていては、ビジネスの世界では通用しない。)

(さらに…)