2022年12月08日

おもてなしは「主客一体」~相手と一体になり、互いに想いあう、充たしあい〜

おもてなしにおいて重要なのは、常に相手の傍に心を添えること。相手を想うこと。
では、どうすれば常に相手を想っていられるのでしょうか。

相手が喜ぶだけの場は「おもてなし」ではない

おもてなしを考える時に、まず陥りがちなのは、とにかくお客様ファーストで、単純に喜ばせる場を提供すること。
しかし客側だけの一方的な喜びというのは本来ありえません。それは、おもてなしではなく、奉仕、サービスです。

おもてなしとは、「おもて・うら無し」。つまり、表裏のない心で相手と一体になることです。

心が溶け合い、和合して、一体となることで、互いに想いあって、息が合う。
準備も含めてそういった場、空間、時間をつくりだすことが、おもてなしなのです。

例えば茶道では、身分は一切関係なく、雑念のない、澄み切った空気感のなかで、
リラックスの中にも緊張感があり、互いの精神が一体になっていきます。
一体感が高いほど充実した、質の高い茶会と言われています。

茶人として有名な千利休が、最も伝えたかったことは
難しい作法や礼法ではなく「おもてなしの心」だったと言われています。

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