世界と日本をめぐる論点(戦争・資源・金融・通貨・物価)
1.ロシア-ウクライナ戦争をどう見るか?
直近では、ウクライナの反転攻勢、ロシアによる東部4州併合と国民動員、原発・パイプラインなどの報道。
西側メディア(日本マスメディア)によればロシア側劣勢と焦りの表れということですが、本当でしょうか?
ロシア側があえて一進一退の状況を演出しているという分析もあります。戦争を長引かせることで、資源不足とインフレの長期化、つまり実体経済と金融の両面から欧米側を追い詰める戦略ではないかという見方です。
※ロシア、中国の狙いは「欧米解体」か? http://blog.nihon-syakai.net/blog/2022/02/13167.html
※ウクライナ情勢から、21世紀の情報戦を考える http://blog.nihon-syakai.net/blog/2022/04/13346.html
2.ユーラシア勢力は結集するか?
※ロシア・ウクライナ戦争半年、世界情勢の視点http://blog.nihon-syakai.net/blog/2022/09/13801.html
上海協力機構など、ユーラシア勢力台頭について。ロシア、中国、インド、イラン、サウジ、トルコなど、欧米一極金融支配の多極化で利害一致するとしても、各国思惑があり、歴史的因縁もあり、簡単に一枚岩になるとは思えない。パワーバランスはどうなる?中国と金融勢力(英国系?ロスチャイルド?)のつながりも気になる。
3.資源(エネルギー)はどうなるか?
ロシア-ウクライナ戦争で明らかになりつつあるのは、金融支配を武器とする欧米勢力と、資源を武器とするユーラシア勢力(非欧米)の対立ですが、ここにきて、現物(実物)を持つ者の強さが際立ってきています。
これに世界的な脱炭素・新エネルギー開発の動きが重なりますが、化石燃料にせよ、新エネルギーにせよ、高コスト化が進むことは間違いありません。これは経済全般に多大な影響、生産活動の大きな転換をもたらします。
4.金融市場は暴落するのか?
コロナ禍で経済活動が停滞したはずですが、気づけば株価は上昇(マネーバブル)、2022年~2023年はリセッション入りかとも言われていますが、小さな暴落は繰り返すものの、恐慌レベルまでいくのかどうか。1929年アメリカ発大恐慌、1990年日本バブル崩壊を振り返れば、(超ざっくり言って)1年で株価1/3が吹き飛び、3年でもう1/3が吹き飛ぶ。バブルの渦中にあってはバブルだと気づかないのが歴史の教訓です。
※金融と戦争の歴史、世界が変わるかもしれない http://blog.nihon-syakai.net/blog/2022/06/13452.html
5.通貨価値はどうなるのか?
焦点は「ドル基軸通貨」は生き延びるのか。ドルの利上げでマネーが集中しており、日本をはじめ諸外国には自国通貨安という非常に困った問題ですが、米国自身も危険な綱渡り状態にあると見たほうが良いでしょう。
日本は莫大な政府債務と米国との力関係から、金利を上げることは困難(不可能?)であり、円安がとどまりそうにありません。基本的に国益は円高ですから(政府・日銀の説明は誤り)、日本経済の逆境が続きます。
通貨ではスイスフランが長期安定して強い。日本との違いはどこなのか、追求してみる価値がありそうです。
※円の問題、ドルの問題。http://blog.nihon-syakai.net/blog/2022/01/13152.html
6.物価は上がり続けるのか?/企業活動はどうなるのか?
日常生活でも企業活動でも物価高騰が深刻です。需要が牽引するインフレでなく、供給要因が主ですから、一定水準でバランスしそうなものですが、とどまりそうにない。おそらく円安と資源価格の問題が大きいからです。
物価高騰に際して、節約で耐える日本人の気質は理解できますが、経済的にプラスではありません。
一方で、企業の経営・事業戦略は縮こまってはいられません。逆境であるからこそ、これまでの常識を超えて、変革への戦略投資を果敢に行うことでしか生き残れないし、日本社会を活力再生へと導くことはできない。
また、円安と輸入物価高騰の問題は、産業の国内回帰→自給循環型への構造転換を加速する可能性もあります。
※スタグフレーション⇒新経済秩序に向かう世界 http://blog.nihon-syakai.net/blog/2021/12/13044.html
※日本は大丈夫なのか? http://blog.nihon-syakai.net/blog/2022/04/13307.html
※共創の時代へ http://blog.nihon-syakai.net/blog/2022/09/13886.html
by Iwayu
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2022/10/13913.html/trackback