2013年11月06日

新概念を学ぶ20~集団自我(私権)⇒力の原理という統合原理が、私権闘争を媒介にして自我を発現させた

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「新概念を学ぶ18~自我の原点は個人自我ではなく集団自我(私権)」で述べた論点は、次の通りです。
真猿では、同類闘争(集団間の縄張り闘争)⇒集団自我(私権意識)⇒「縄張りを守るために敵を倒せ」といった他集団の否定意識が発現し、それによって真猿個体の否定意識も強くなる。その否定意識を媒介にして、周りから与えられた期待や評価を否定視した場合に評価(共認)捨象・自己陶酔の自我(回路)が形成される。こうして個体の他者否定・自己正当化の自我が形成される。
つまり、集団自我(自集団の縄張り意識=私権意識)が他集団の否定意識を生み出し、それが個体の否定意識⇒個人自我を生み出した。これが、自我の原点は個人自我ではなく集団自我(私権)ではないかという仮説である。

「新概念を学ぶ19~チンパンジーの力の原理とボノボの充足原理」では、この仮説を検証するために、チンパンジーとボノボの違いに焦点を当てた。
このチンパンジーとボノボの統合原理の違いが、「ボノボをセックス好きで平和を愛する種に進化させ」「性の問題を力で解決するチンパンジーと、力に関わる問題をセックスで解決するボノボ」を分け隔てた。
このように、力の原理で集団を統合したチンパンジーは、その個体においても否定意識と自我が非常に強い(凶暴である)。それに対して、食糧が豊かで同類闘争が激しくないボノボは(性)充足原理で集団を統合し、個体の否定意識も自我も貧弱である(平和を愛する種である)
とすると、個体の自我を発現させるカギとなっているのは力の原理という統合原理なのではないか?という疑問が生まれる。

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  投稿者 staff | 2013-11-06 | Posted in 13.認識論・科学論No Comments »