2007年08月09日

世界石油価格指標WTIって何?

ここ最近、石油価格が大きく上昇しています。
現在石油価格はアメリカニューヨークの先物取引WTIが世界の標準指標となっています。
このWTIというのが、どうも曲者と私は考えているのですが、WTIって一体なんなのでしょうか?
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世界の石油価格はアメリカできまる。
池上彰の『解決!ニュースのギモン』原油価格の決まり方

アメリカ原油は「テキサス産」だ
世界の原油は、主に北米、中東、北海(欧州)の3カ所で産出されます。それぞれに取引される市場があります。
このうち北米産油を取引するニューヨークの「マーカンタイル取引所」で最も活発な取引が行われているため、ここで決まった価格が、中東や北海産の原油価格にも大きな影響を与えているのです。
ここで取引されている重油とは、厳密に言えば「先物」。つまり、実物の重油ではなく、「実物を買うことのできる権利」を売買しているのです。
北米産の代表的な原油は「WTI」(West Texas Intermediate)と言います。「西テキサスの中質油」という意味ですね。

(中略)

テキサスといえば、そう、ブッシュ大統領の地盤ですね。ブッシュ大統領自身、石油業界で仕事をしてきましたし、支持母体は石油業界です。
でも、実はここでとれる原油の量は、1日あたり40万バレル。世界の生産量のわずか1%にも満たないのです。

世界の生産量に占める割合は低いのですが、この原油が、ニューヨークの取引所では1日に何回も取引されますから、取引量は、のべにして世界全体の生産量の2倍以上になっているのです。
取引量が圧倒的に多いので、ニューヨークの市場での取引価格が世界の原油の取引価格の指標になっているのです。

(中略)

原油が取引所で盛んに取引されているということは、株式市場と同じようなものなのです。
株価が、「これから値上がりしそうだ」「値下がりするかも」という思惑で上下するのと同じように、原油価格も取引参加者の思惑で変動するのです。
夏の観光シーズンが近づくと、夏休みの長距離ドライブに出かける人が増え、ガソリンの需要が高まるため、原油価格も値上がりする傾向があります。
冬の暖房シーズン前にも同じような動きになります。こうした実際の需要の動きによって価格が変動することもありますが、実際の需要とはかけ離れた投機的な動きが起きることもあるのです。
石油精製工場は、産油地に近いアメリカ南部に集中しています。このため、大型のハリケーンが直撃すれば、精油所の操業はストップします。2005年夏には、こうしたことが何度も起きました。
そうなると、「精油所の操業が止まるから、ガソリンの供給が減るな。その分、値段が上がるだろう。よし、その前に買い占めておこう」という動きが出て、原油を買い占める人や会社が急増。原油価格は上昇しました。
まさに投機です。アメリカの投資家による金もうけの場となっているのです。アメリカの企業年金基金などのファンドの資金が大量に流れ込んだと言われています。
その後は、「いつまでも高値が続くわけはないだろう。よし、値下がりする前に売っておこう」という動きが出て、価格は値下がりしました。このところは、比較的落ち着いた値動きになっています。
それでも、夏場の価格高騰で、冬場に仕入れる石油の価格が決まってしまいました。
世界の原油価格はアメリカの影響を受ける
投機で上がったのはアメリカの原油先物で、中東産の原油も北海原油も、取引されている市場はそれぞれ別の場所にあります。原油の質も異なります。だから関係ないはずなのですが、そうはいきません。同じ原油ということで、アメリカの値動きに左右されます。
日本が輸入している原油は、アラブ首長国連邦のドバイ原油を中心とする中東産です。中東産油国は、オープンな市場で原油が自由に取引されるのを嫌い、閉鎖的な市場を形成しています。自由に価格が決まるのではなく、アメリカのWTIの価格より少し安い価格で売買される仕組みにしているのです。
このため、ニューヨークの取引所で原油価格が上昇すれば、ドバイ原油も値上がりします。日本が輸入する中東の原油も値上がりし、私たちがガソリンや灯油の値上がりに悩まされるというわけです。
アメリカ国内のローカルな事情によって、中東産を使っている私たちにまで影響が出るというわけです。迷惑な話ではあります。

世界生産量わずか1%に満たない石油が、世界の石油価格を大きく左右していることに、まず驚きです。しかも取引されている場所はアメリカ。しかもブッシュのお膝元テキサス。臭すぎる。
アメリカは現在石油メジャーとしての影響力は過去と比べ大きく低下していますが、価格形成力という点で未だに世界の石油を牛耳っているとも言えます。まして株と同じ自由市場であれば、石油にまつわる情報によって、価格を操作することも可能・・・・?
もっと追求してみる必要がありそうです。

List    投稿者 kichom | 2007-08-09 | Posted in 06.経済破局の行方5 Comments » 

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コメント5件

 みけ | 2007.09.20 13:21

こんにちわ
今回の安部首相の突然の辞任は、相続税がらみの文春の記事もその一旦でしょうが
それよりも、週間現代(でいしたっけ)の宗教絡みのスキャンダルのほうがビンゴだ!
と、勝谷誠彦史が各方面で言っております
いずれにしても、週刊誌が総理を辞任に追い込んだと鼻息も荒く喋る勝谷氏はあまり好きにはなれませんね

 コスモス | 2007.09.20 22:35

安倍首相の突然の辞任劇はネット上でも結構取り上げられていて、辞任が表明されるやいなや様々な予測や情報が飛び交うのを眺めておりまして、ブログのフットワークの良さには感心した次第ですが、反面何が正しいのか訳が分からない状態になっちゃいました。
 
幾つか拾ってみると、
①健康(病気)原因説
②インド洋上での給油継続発言問題説
③ブッシュ(アメリカ)との関係悪化説
④遺産相続を巡る不正経理処理疑惑説
・・・などなど(自殺未遂情報もあったな、)
 
松岡議員自殺の時もそうだったのですが「本人は真実を語れない」という共通構造があって、何らかの大きな圧力が個人にかかっているのだろうな~と思わせるわけです。
 
政治も権力も密室で動いているというのが透けて見えるのですが、そんなんではいつまでたっても事実は見えないし、国民はいつも蚊帳の外・・・

 nodayuji | 2007.09.22 23:01

阿部さんの辞任問題も、幹の構造と枝葉の構造がありそう。幹がアメリカだとすると、枝にアメリカが仕掛けたわなとしての相続税問題や給油問題があり、葉に国会・自民党内の権力闘争とその結果としての健康問題があるのでは。

 taku | 2007.09.25 11:55

新潮45で、一橋文哉が久間辞任に関する記事を書いていますが、そこでは、CIAが日本の政治家の詳細なスキャンダルファイルを持っていて、アメリカに都合の悪い発言をすると、必ずそこから辞任に繋がるネタが漏れてくるとのこと。
ちなみに、CIAのファイルによると、松岡は「アメリカに次ごうがいい人間」、久間は「暴力団絡みの極めてダーティーな人脈を持つ」「金の臭いのするところにはどこにでも顔を出してくる」とされているようです。
記事の最後では、「近いうちに安倍政権を揺るがすスキャンダルが炸裂するだろう」と予言されていますが、その通りになりました。

 uk hermes | 2014.02.02 6:57

hermes outlet las vegas 日本を守るのに右も左もない | 安倍首相辞任の原因は相続税脱税疑惑か?

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