8/11なんでや劇場「ブログ『晴耕雨読』の市場論に学ぶ」の論点
8/11(土)なんでや劇場「ブログ『晴耕雨読』の市場論に学ぶ」の論点を整理してみました。
「晴耕雨読」の早雲氏の目指す社会も、脱市場原理⇒共認原理の社会であるが、なんでや劇場では何をテーマとして追求すべきか?
早雲氏の市場論は、①供給→需要の市場原理論、②金融システム論、③近未来論から成る。
近未来論は実践論的ツメが貧弱だが、るいネットの市場論は金融システム論が貧弱で、学ぶべき所が多い。
従って「晴耕雨読」をテキストにして、市場原理論→金融システム論→近未来論の順で追求する。
今回は市場原理論と金融システム論。次回以降、近未来論。
●市場原理論1(掠奪と騙しが市場の原点)
早雲氏の供給→需要の市場原理論では、労働力とその生産性が市場拡大の源泉とされているが、経済学が対象としてきた生産性⇒科学技術の発達は一部のファクターにすぎない。
市場拡大の原理は4つ。
①遊牧部族発の掠奪
②だまし共認
③生産性⇒科学技術の発達
④勤勉性
原点は①掠奪と②騙し。市場労働の原点でもある。
※「労働」という概念は、①掠奪と②騙しを捨象させ、本質を見えなくさせる。
※採集時代の物々交換を交易⇒市場の起源とする俗説は事実に反する。採集時代の物の移動は集団間の平和友好関係を維持するための一方的な贈与。交換⇒交易⇒市場の起源ではない。
●市場原理論2(市場は一貫して最高価値の供給発で動いている)
私益追求の社会になると、私益欠乏の対象物であるお金や性が最高価値と共認され、最高価値の所有者(女は性的商品価値、商人は金銀)が登場する。所有者は最高価値を供給することで市場を支配する。
※掠奪闘争段階でも、最高価値である武力の所有者が掠奪闘争を制覇する。
一貫して市場は最高価値の供給発で動いており、市場が金貸しによって支配されてきたのも、この原理ゆえである。
●金融システム論(「市場を支配するのは金貸し」その歴史的検証)
☆金貸しや紙幣は、いつ、どのような構造で登場したのか?
掠奪・戦争による財の蓄積
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騙し(国外交易)による財の蓄積(超ハイリターンだが、超ハイリスク)
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国家を騙して海運や戦争をやらせ、その資金を貸付→利息による財の蓄積(掠奪や国外交易より安全確実)。
ex.フェニキア・カルタゴ・ギリシア→十字軍→ベネチア→ポルトガル・スペインによる重商主義。
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1600年イギリス東インド会社設立。
イギリスでは毛織物・綿織物工業等、産業資本主義的な財の蓄積が始まる。
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1690年イングランド銀行設立。
中央銀行という私企業(金貸し達)が金貨銀貨ではなく紙幣を発行=「信用創造」という名の貸付膨張によって貨幣供給量が飛躍的に増大する仕組み→イギリスの市場が急拡大。
↓
18世紀産業革命によって産業資本主義の時代へ
↓
20世紀初頭、アメリカ中央銀行FRB(連邦準備制度)設立。
紙幣の裏づけを金本位制ではなく国債本位制とした。アメリカ(ロックフェラー)はイギリス(ロスチャイルド)に比べ後進国で、紙幣の裏づけとなる金の保有がなかったため編み出した苦肉のシステムだが、アメリカ政府を借金漬けにして金貸し達が利息で儲けることが可能に。
市場社会の表面上は重商主義や産業資本主義に見えるが、その実態は一貫して金融資本が支配してきた。第一次大戦以降(なぜドルが基軸通貨になったか?)~その崩壊~近未来論は次回以降のなんでや劇場で扱う。
(本郷)
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コメント3件
うらら | 2007.09.25 21:59
テレビでみた黒人のシングルマザー、こども5人を抱えた掃除婦さん、年収は300万に満たないという。20万強の月収に対し、来月から27万円の返済が発生するという。テレビは泣き叫ぶ彼女のアップで終わったが、その前の映像が印象的。なんとその家はプール付き(ただし、現在は水が入っていない)。
なんという無謀、なんという無知さ加減。
あの国はどうなってるんでしょうね~、全く。
taku | 2007.09.25 23:14
年収300万の子供5人のシングルマザーなんて、日本のヤミ金でも金を貸さないだろう。貸したとしても3万円くらいか。(パチンコ1回分)
taku | 2007.09.25 21:57
確かに、こんな問題が日本の金融機関発で起こったら、世界で「日本は何をやっとるのか!」と大問題になって政府が各国にお詫びしそうな気がします。
そして、格付け会社がこぞって日本と日本の金融機関にB-とかの悪評価をつけるに違いない。
この件でブッシュさんが「アメリカの金融政策がまずかったせいで世界に迷惑をかけた」、と言ったなどという話は聞いたことがありませんね。