2012年06月21日

魔術から近代科学16~近代科学は短絡思考の産物である~

 前回(魔術から近代科学15~潜在思念を劣化させた近代科学は架空観念(数学)で自然を対象化するしかなかった)は、山本義隆氏の『十六世紀文化革命』から「第7章 ロジャー・ベーコンと磁力の伝播」後半の要約を引用しながら、西洋の自然認識として「感覚」よりも「数学」という手法で数量化や測定することを絶対視し、観念は正確で感覚は信用できないという認識に至ったのということを見てきました。
 引き続き、どのようにして上記認識に至ったか、その構造を見て行きたいと思います。
 
 

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 山本義隆氏の『十六世紀文化革命』から「第7章 ロジャー・ベーコンと磁力の伝播」後半部分 4.ベーコンにおける「形象の増殖」、5.近接作用としての磁力の伝播の中での要旨は、グロステストの形而上学的な光は媒介なしに瞬時に広がってゆくのに対し、ベーコンが考える光は媒介を介して広がり、広がるにも時間が必要であるという、近接作用説を盛り込んだ物理学上の光に置き換えられたということである。
 
 ここでベーコンが考えたことは、自分たちが自然を支配・技術的応用することを目的として、自然の事象をより当時の数学技術で説明出来るくらい単純化(数量化、数式化)しようとしたことである。(実際に磁力に関しての実践は後人が行う事になったが。)
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 これは、近代西洋科学の一つの特徴でもあり、数学的処理になじむように人間が単純化し、理想化し、抽象化した現象の法則が生み出されてゆく過程であるが、なぜ架空観念発で自然の一側面に短絡させた認識に収束したのか見てゆきたいと思います。
 
【3】西洋の自然認識→近代科学は、観念原回路の短絡思考の産物
 
 西洋の自然認識の礎となった、観念機能の原点である原始人の思考:観念原回路の構造を明らかにしながら、西洋の観念絶対=直観性能(潜在思念)の劣化構造を明らかにしてゆきたいと思います。
 
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 自閉思考型は共認回路の欠陥であるが、同じ共認動物であるサルにはスキンシップを嫌がる自閉サルはいないことから考えて、自閉思考を生み出すのは人類固有の観念原回路だと考えられる。
 この観念原回路の起点は、共認回路である。
 人類は極限時代(原始時代)500万年に亙って恒常的な餓えに晒され、共認充足を唯一の命綱にして生き延びてきた。そして、元々同類を対象とする共認回路を自然・宇宙に対して作動させ、宇宙との共認(対話)を試みた。そこで人類が万物の背後に観たのが精霊である。この回路が観念原回路である。
 
 この回路は360度外向きに放射する徹底した前方思考であり、ここから予知・霊感思考が生まれた。但し、これは共認充足がその前提にある。
 共認非充足の場合は、逆転して自分の内側に収束する。それは脳内に-捨象+収束のドーパミン回路が作り出す充足回路があるからであるが、それは短絡充足なので、そこから省略思考→限定思考に嵌りこんでゆく。その結果、常に照準がズレ→偏った構成となり→無駄な作業(データ)を大量に作り出す羽目になる。また、短絡・省略思考なので細部が欠如し、詰めが極めてズサンである。
 つまり、共認非充足の場合は、観念原回路→観念回路はひたすら短絡思考・省略思考に向かってゆく。同時にこの思考は自分の内側に向かうので、潜在思念によって対象全体を感覚的・直観的にキャッチする能力は劣化してゆく。そして、自らが短絡した一面でしか対象を捉えられなくなる。
 これは、自閉思考という人間の思考回路の問題であるが、共同体を破壊され自我収束した西洋人の自然認識についても当てはまる。
 つまり、西洋の自然認識も短絡思考の産物ではないか。
ギリシア時代の原子論もイデアも、ガリレイの「自然という書物は数学という言葉で書かれている」という発想も、短絡思考の産物である。

 
 山本義隆氏は『新・物理入門』(駿台文庫)で、次のように述べている。

(近代物理学は)自然を虚心坦懐に眺めあるがままに記述することのように思える。しかし現実には物理学は、複雑で多彩な自然を特定の立場から単純化・理想化し、更に特定の現象を捨象することから始まる。 
 ガリレイやデカルトは(日常的に経験される現実の物体の)そのような性質は感覚する人間との関係であり、物体にとって本質的ではないとして捨象し、物体を位置と幾何学的形状のみをもつものとして単純化した。
 
 ガリレイにとって物体とは、幾何学的に単純化された抽象物であり、ガリレイの捉えた現象とは、空気抵抗は物体の運動にとって副次的・非本質的撹乱要因だとみなす立場から、あらかじめ取捨選択され理想化された現象である。ガリレイはこうした手続きによりはじめて運動の本質が暴き出されると考えたのであり、ガリレイは直接の経験を超えたところで理論を作ったといえる

 
 つまり、デカルトやガリレイをはじめとして、数学的処理になじむように自然を単純化・抽象化したのが近代科学であるが、それは共認非充足と自我収束に発する観念原回路の短絡思考の産物に他ならない。
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                デカルト      ガリレイ
【4】自我に基づく短絡思考の産物であるがゆえに、近代科学は地球を破壊してきた

本能情報や共認内容が互いに有機的に繋がりながら刻々と変化するのに対して、観念機能は単純なデジタル構造で、かつ意識的に追加してゆかない限り、それ自体は動かない。
「大衆支配のための観念と観念支配による滅亡の危機」より引用

 有機的に全体が繋がっている潜在思念全体は滅多なことでは短絡しないが、デジタル構造にある観念機能は簡単に短絡する。
しかも、人類の最先端機能である観念による潜在思念の支配力は極めて強力である。

「最先端に位置する観念(言葉や文字)は、その一つ一つが下部意識にとっての羅針盤の役割を果たしており、定着度の高い不動の観念が下部意識を支配する力は極めて強力である。従って、観念内容を誤れば、人類は滅亡する。」
「大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機」より引用

 
 山本義隆氏は『16世紀文化革命』(みすず書房)の中で、次のように警鐘を鳴らしている。
 

「もともと近代自然科学とりわけ物理学や化学は法則の確立を目的としていたが、しかしその法則というものは、直接的な応用とは無関係な天文学をのぞいては、まわりの世界から切り離され純化された小世界、すなわち環境との相互作用を極小にするように制御された自然の小部分のみに着目し、そのなかで人為的・強制的に創出された現象によってはじめて認められるものである
 
 自然科学はそのような法則の体系として存在し、実際にはかなり限られた問題にたいしてのみ答えてきたのであるが、そのような科学にもとづく技術が、生産の大規模化にむけて野放図に拡大されれば、実験室規模では無視することの許された効果や予測されなかった事態が顕在するのは避けられない。そしてそのような効果や事態は往々にしてネガティブな効果をもたらすことになる。
 そもそもが、近代西欧の科学技術が自然の支配と地球の収奪を目的としたものであるかぎり、自然破壊や生態系の混乱を生み出すのはほぼ必然であろう。そのネガティブな遺産は20世紀後半になって一斉にプロテクトの声をあげはじめている。」

 これも、西洋の自然認識→近代科学の自我に基づく短絡思考の結果である。単純化して自然の一側面のみ捉え、それ以外を捨象してきた結果、その被害は甚大で文字通り地球を破壊し、人類を滅亡に導くものである。福島原発事故はその象徴である。 
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次回は、引き続き近代科学の源流に迫っていきたいと思います。

List    投稿者 pandaman | 2012-06-21 | Posted in 13.認識論・科学論6 Comments » 

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コメント6件

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