2012年06月14日
魔術から近代科学へ14 西欧にとって魔術は科学発展・侵略拡大に必要な観念だった。
前回記事:経済学の騙しの起点、スコラ哲学(トマス・アクィナス)
前回は「ドミニコ会の神学者トマス・アクィナスらスコラ哲学派が、「経済学の騙しの起点」であり、私利私欲の追求や利息を肯定し、その後の近代経済学の源流となったと紹介しました。
そのドミニコ会と対立していたフランチェスコ会は従来のキリスト教の教義を踏襲し、私利私欲や利息を禁じていました。
禁欲的で保守的な会派に見えますが、一方でフランチェスコ会の考え方は「自然と人間」or「神と人間」の関係を大きく変化させる重要な起点となっているようです。
今回は、フランチェスコ会の代表的な人物ロジャー・ベーコンを紹介しながら、どのように価値観の転換していったか考察したいと思います。
ロジャー・ベーコンは経験や実験観察を重視したので近代科学の先駆者と言われていますが、その実相はどんなものだったのでしょうか。