2013年08月09日

新概念を学ぶ16~DNA進化だけではない、全く新たな進化機能の獲得~

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 前回までは、共認機能の獲得を扱いました。改めてその流れを押さえておきましょう
縄張り闘争に敗れた原猿は共感統合を母体として更に+回路統合で全ての不全をマヒさせて恐怖や恐れを克服しました。そして、親和収束⇒+収束を母胎にして、より上位の闘争系・集団系の課題を共認し、その闘争共認に従って役割を共認し規範を共認して、期待・応望の関係を築き上げたのです。
 これが第3の統合である共認統合であり、互いに課題を共認して、その課題に対する役割を共認する闘争系集団(真猿)へと進化していったのです。
 今回は、『実現論』「第一部 前史 ニ.サル時代の同類闘争と共認機能」のまとめとして、共認機能を獲得することで、それまでの「本能(DNA)による進化」から全く違った「共認による進化」への変化を見ていきたいと思います

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 まず『実現論』「第一部 前史 ニ.サル時代の同類闘争と共認機能」から引用します。
 

 はじめ原猿の段階では、極限的な性闘争=縄張り闘争圧力(それは、同類を対象とする同類圧力であると同時に、自然や外敵を対象とする生存圧力でもある)の中で期待・応望回路を発達させたが、真猿以降は生存が集団によって保障される事によって生存圧力<同類圧力となり、性闘争や期待・応望(相互解脱)や同類闘争(縄張り闘争)などの同類圧力を主圧力として、更に共認機能を発達させていった。もちろん、大前提として、サルにも本能を刺激する生存圧力(自然圧力や外敵圧力)が働いているが、それら生存圧力より同類圧力の方が遥かに大きく、要するにサルは、同類圧力→同類課題を第一義課題として共認機能を進化させたのである。この共認機能こそ、サルの知能を著しく進化させたその本体であることは、言うまでもない。
 この共認機能は、下部の解脱共認・仲間共認から上部の規範共認・闘争共認に至るまで様々な共認内容を形成し得るが、それらは全て不全課題や闘争課題etc.の課題に応えんとする期待・応望回路によって形成されたものである。従って、その課題=期待に対する充足度が次の最先端の問題となり、上記の全ての共認は、その充足度に基づく評価共認へと収束してゆく。つまり、全ての共認は課題共認⇒充足(内容)共認⇒評価共認へと先端収束することによって(言わば仲間の評価を羅針盤として)最良の内容へと収束し、共認内容が最良内容に固定されると共に、それ(評価収束→内容固定)によって、皆=集団の統合が実現される。これが共認統合である

 これまで扱ってきたように、原猿の意識の統合様式は、①共感統合⇒②+統合⇒③共認統合へと進化を遂げ、真猿闘争集団が成立して外圧状況が大転換しました。原モグラから真猿に至るまで、共認機能を獲得させた外圧状況について、状況を整理しながら違いについて見ておきましょう。
 
●原モグラ(生存圧力>同類圧力)
               %E5%8E%9F%E3%83%A2%E3%82%B0%E3%83%A9.jpg(写真は原モグラ)
 外敵から逃れるため半地下に隠れ住むしかなかった始原哺乳類(原モグラ)は、保育機能を強化し、また、成体の淘汰を促進させるために性闘争本能を強化して、同類(との縄張り)闘争を激化させました。原モグラは弱者ゆえに自ら同類闘争圧力を激化させたわけで、あくまで主圧力は生存圧力だったと考えられます。(その証拠に同類闘争に敗れた原モグラはエサを獲得できず死ぬことになる。)
●原猿(同類圧力>生存圧力)
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 外敵もおらずエサも豊富にあった樹上世界に逃避した原猿は、もっぱら同類闘争圧力が主圧力になります。性闘争を基盤としたこの同類闘争で敗れた弱オスは縄張りを確保出来ないにも関わらず、ボス猿に怯えつつ、ニッチでエサを掠め取り生きながらえてゆく事になります。そのようなどうにもならない状態から、他者を同一視し充足を得る、共感回路が生み出され同類からの期待圧力も掛かるようになります。
●真猿(同類圧力>生存圧力)
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 集団間での同類闘争圧力が主圧力となると、他集団の圧力もさることながら、同集団内での期待圧力も同類圧力の源となります。集団に居る限り生存は保証されているので、直接的には集団内での同類圧力が高まることになります。同類闘争圧力(外圧)を受けて、期待圧力・課題共認圧力(内圧)が上昇、外圧に適応してゆくことになります。(サル集団の順位(序列)は同類圧力のよい事例です。)
 同じように同類圧力が主圧力となっていても、原猿と真猿では圧力の源が異なっていることがわかります。
 真猿の段階では、同類闘争圧力に適応する為の最先端機能である共認機能と、その共認内容を最適のものに収束=統合させる評価共認という、二重に塗り重ねられた共認機能が、個体(の機能or意識)や集団(の成員)を収束=統合させる統合機能となっているため、この共認機能が真猿の圧力原でもあり、最大の活力源にもなっているのです

 課題共認や規範共認は本能の代替機能でもあるが、本能にはない解脱共認や同類闘争共認が象徴している様に、共認機能は本能の単なる代替機能を超えた機能である。むしろサルが形成した共認機能は、本能を進化させるDNAの組み換えより遥かに容易に、かつ多様に、(本能の代替物でもある)共認内容を組み換えることが出来る機能であり、それまでのDNA進化という生物史を覆す、全く新たな進化機能の実現だったのである。

 共認機能を獲得した真猿は、同時に「新たな進化機能」を手に入れることになったのですが、代替機能とはなにか、進化機能とはどのようなものだったのかを見てゆきたいと思います。
■本能の代替機能とは
 共認機能が本能に変わる機能となりえたのは、真猿以降の主圧力が同類圧力となったからでもあります。本能では差が付かない同類の集団同士の縄張り闘争に勝利するためには、集団内でどのような役割を共認するかが最も重要であり、集団内の共認内容を組み替えて、より強い同類集団or外敵に勝利する事も可能になったのです。
 草食動物は本能を進化させて集団化(追従本能や親和本能を強化)しましたが、真猿は共認機能を作り出して、集団化を実現しました。共認機能は、集団本能の代替機能とも言えます。
 ここで本能と共認機能の中身を整理すると、本能とは外圧に適応するための諸機能(捕食、生殖、闘争等の行動指針や法則)で、本能による進化は世代間でDNAを変化させ、肉体改造してゆく進化方法を指すのに対し、共認機能はその中心的な共認内容(役割共認や規範共認)を様々に組み替えることで外圧の変化に適応してゆく進化方法を示します。
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       (図は遺伝子による変異のイメージ)
■共認機能による進化が優れているポイント
 DNA進化という生物史を覆す、全く新たな進化機能である共認機能による進化はどこが優れていたのでしょうか。
共認機能による進化が本能の進化より優れている点として、一つ目には進化スピードがあります。本能進化は外圧が変化したときに、何世代もかけて徐々に進化するため、急激な外圧変化には対応出来ず、下手をすると大絶滅も発生します。一方、共認進化は共認内容、つまり、意識を変えたら良いので、1世代の中で集団全体の共認を組み替える事も可能なのです。
 二つ目には、共認機能がプラス統合機能を持っている強みです。本能ではとても不可能と思えるような事も、障害を捨象するプラス統合機能を使えば、可能と思える様になる。不可能を可能にする事が出来る。(より強いであろう集団との闘争を行う事が出来るのもこのおかげです。)
 三つ目は、本能が外圧に適応すればそれで活力が衰弱し進化が止まる(例:満腹になると眠くなる)のに対し、共認機能は外圧に適応する事で共認充足が得られ、より活力が沸き無限に進化して行くという点です。(ほめられると嬉しくてさらに頑張る)
 
 このように真猿はDNA進化だけではない、全く新たな進化機能である共認機能を獲得し、より高い適応と進化を続けていけるようになったのです。

List    投稿者 pandaman | 2013-08-09 | Posted in 13.認識論・科学論No Comments » 

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