2009年02月05日

ヤフーは20世紀的なメディア ~『グーグルに勝つ広告モデル』より 1~

ヤフーは20世紀的なメディア ~『グーグルに勝つ広告モデル』より①~
インターネットの可能性やマスメディアの今後を考える上で、知人から紹介された『グーグルに勝つ広告モデル』に、興味深い視点がいくつかありました。メディアの可能性を追求していく上で参考になりそうな点をシリーズで紹介させていただきます。

■マスメディアの本質は「注目=アテンション」の卸売業
テレビ、新聞、雑誌、ラジオの4マスメディアのビジネスモデルの本質は、大衆の注目の卸売です。英語でいうアテンションを集めて卸売りをしている、アテンション・エコノミー。これが20世紀型マスメディアの本質です。
一方、近年騒がれている21世紀メディアとしてのグーグルが依拠する経済は、インタレスト(能動的な興味・関心)です。グーグルは、アテンションではなくインタレストの卸売りをするビジネスモデルです。
ヤフーとグーグルは両方ともインターネットを利用した検索サービスですが、ヤフーは情報の流通経路にインターネットを使っているだけで、依拠しているのはアテンション・エコノミーです。だから、人がたくさん集まるトップページに、バナー広告やテキスト広告をベタベタと貼り付けています。理由は単純で、アテンションが一番集まる場所だからです。そういう意味では、ヤフーは20世紀的なメディアなのです。
一方のグーグルは、一番人が集まるトップページに何の広告も出していません。不思議に思いませんか?

その秘密は・・・
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理由は簡単で、彼らはアテンションを売っていないからです。彼らはアテンションの一歩先のインタレストを集めている。
だからアテンションよりも広告主にとって歩留まりが高いのです。
消費者の態度変容プロセスの枠組みとしてよく使われる「AIDMA」は、アテンション→インタレスト→デザイア→メモリー→アクションを略したものです。ここで、インタレストはアテンションよりも一段購買に近いステップにあります。
通常はアテンションを持った人のうち何割かしかインタレストを持ちませんから、そこで相当数のターゲットがふるいからこぼれてしまうわけです。
グーグルは、対象者をインタレストに絞っているので、購買までのステップが短く、必然的に広告効果が高くなり、その結果、広告単価を高く設定できるわけです。「押し」のアテンションに対して「引き」のインタレストということです。
このアテンションという概念は、個別のメディアごとにその呼び名が変わります。例えば、テレビではそれはを視聴率、新聞では部数とか講読者数といっています。個別の言葉そのものにはそれぞれの意味がありますが、突き詰めて考えれば指標はどれも同じ。つまり、注目を集められる人の数=アテンションです。

いま、テレビや新聞、ラジオや雑誌といった広告の世界≒マスメディアの世界は、劇的な転換が求められています。既存のメディアが古くさいものになってしまっていて、人々の求めているものと乖離しているからでしょう。
では、インターネットというメディアのどこが新しく、革新的なのか。また、今後の可能性を考えていく上で、広告やメディアといったものの本質を考えて、深く掘り下げていくことの意味は小さくないと思います。
というわけで、みなさんの役に立ちそうな部分を何回かに分けてご紹介させていただきます。

List    投稿者 katuko | 2009-02-05 | Posted in 11.世論形成の場、ネットの可能性2 Comments » 

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コメント2件

 atoms | 2009.05.26 22:00

まさしく無能!
景気対策15兆円しかり。
政権の延命しか頭にない政府と、根本問題を何ら追及せずに、目先のばら撒き策しか出せない官僚達。
全く国民を馬鹿にしている。
他国では、これを契機に抜本的な経済構造の改革に着手しているというのに。
大半の国民が、あきれ果てているはず。

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