女性を対象にしたネットコミュニティー。盛況の理由は?
以前、「今、人々が収束するサイトとは?」の記事で、多くの人が利用する、ネットコミュニティーの現状と分類を見てみました。
また、「Q&Aサイトに見る意識潮流と集客戦略」の記事で、集客面で躍進を続ける背後にある、参加者の意識や運営者の工夫などを見てみました。
YAHOOのアンケートによると、10年前はネット利用者の80%以上が男でしたが、ここ5年ほどは、ほぼ50%づつと、女性の利用者が増加→定着しているようです。
そんな中でも、匿名性による不透明さや、誹謗中傷などから場が荒れる、などのマイナスイメージを払拭した、登録制や会員制のSNSの登場以後、多くのネットコミュニティーが登場し、最近女性を対象にしたネットコミュニティーが盛況らしいのです。
と言うことで、今回は、ちょっと視点を変えて、女性を対象としたネットコミュニティーについて、利用者の意識潮流や運営者の工夫などを、見てみようと思います。
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●mixi
ユーザー数1630万
PV:143億/月(PC:42億/月、モバイル101億/月)
女性利用率50%以上 メインユーザーは20代女性
ユーザー数確保の為か、当初18歳以上の制限を15歳以上に引き下げている。
言わずと知れた、日本を代表するSNS。
●ウィメンズパーク
ベネッセが運営している日本最大級の女性口コミサイト
PV:1億4500万/月
会員数:154万、
投稿数:総数2177万件(12700件/日)
【特徴】
ステージ別活用などで、会員の継続利用に対応している。
問題別、地域別、ステージ別など、沢山の会議室を用意し、社会問題系の投稿もある。
●発言小町
読売新聞が運営
PV:1億超/月
投稿数:2500~3000/日 (ボツ率:2割程度)
女性利用率95%
メインユーザー30~50代(10~70代も存在し幅広い)
【特徴】
編集部員1名と派遣部員数名で、全ての投稿をチェックし場の維持を行っている。
YOL(読売オンライン)の閲覧数の1/3を占めるまでに成長している。
PVを伸ばしたい半面、新聞社としての立場から掲載基準が難しい。
投稿チェックの時間を短縮化でき、2時間で掲載できるようになってから参加者上昇。
投稿内容の書籍化も行われている。
●クックパッド
日本最大のレシピサイト
利用者数:616万人/月
PV:5億7千万/月
女性比率96%(未婚25% 既婚75%)
年齢構成:10代3% 20代27% 30代51% 40代15% 50代以上4%
子供の有無:あり53% なし47%
●ママデビュー
ステージ別活用 ポイント制(換金あり)
●自然育児コミュニティー
(参考記事)
日経トレンディーネット 、インターネットウォッチ
どのサイトも、利用者数やPV数、投稿数を見ても、かなりの盛況のようです。
また、一つの投稿に対し、複数のレスが投稿され、ちょっとした井戸端会議があちこちで同時進行しているような状況です。
特徴として、
①育児や教育、暮らしの中の疑問など、身内で片付く問題でも、ネットの中に答えを求めている。
②育児や献立など、毎日向き合う課題についての、やり取りが行われている。
③管理者が投稿内容を審査していることもあるが、女性特有なのか、おしゃべりの延長で充足、安心の場が形成され、それが、更なる参加者の呼び水になっている。
④所謂、プロが存在しないジャンルの問題が多い。逆に言えば、みんな素人の場
⑤直面する課題ごとに、ステージ分けされ、継続して参加できる場を構築している。
⑥参加者が、同じ課題を共有しており、評価しあうことで、可能性を見出している。
などが、あげられます。(青字の部分が盛況の理由か?)
言い過ぎかも知れないが、ネットのなかに、母系集団が構築されているような感じです。
(単に市場競争では女性を巻き込まないと勝てない!からかもしれませんが・・・・)
ネット世界が、主義主張のぶつけ合い(闘争系)の場ばかりから、充足・安心を得れる場へ移行しているのでしょうか。
参加している人達は、対面で得る知識と同時に(若しくはそれ以上に)、多くの人の意見を羅針盤にせざるを得ない状況にあるのだろう。そして、閉塞した集団からぬけだそうとしているのかもしれません。
つまり、ネット空間の方が、より現実に即した方針(可能性)が見つかるかも?という認識が生まれ、反対に、対面空間が希薄化し、自らで新たな集団を構築し始めた!?という見方も可能ではないでしょうか?
ただ、女性を対象としたサイトのなかで投げかけられる問題は、そのジャンルだけで解決するわけではありません。当然、社会の様々な問題と関連しているわけで、本質的な問題の解明に迫るサイト(場)との繋がりがなくては、本当の「充足・安心の場」になっていかないのでは?という疑問も同時に生起しました。(事実、広告収入が減り閉鎖されたサイト「カフェスタ」や、アメリカでは逆に商業主義が強まったことで利用者から見捨てられたサイトも存在しています。)
将来的には、ネット世界も、女性たちの捉えた問題意識を起点に、男たちが答えを出す為に認識闘争する。という新しい超集団形態を構築していくのかも!?という期待を持ちつつ、今後もリサーチしていくことにします。
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