2012年05月14日

魔術から近代科学11 キリスト教→近代科学の時空認識および終末論的熱力学の陥穽

「キリスト教も近代思想も近代科学も、ゾロアスター教が確立した略奪集団の正当化と他者否定のパラダイム」で紹介した、大出晁氏の論文「ヘレニズム・ローマ時代の知の系譜2-正統的知識と非正統的知識Ⅴ」には、注目すべき記述がある。
我々が常識としている、直線的に時間が進行するという時間認識が、実はキリスト教世界だけのものであることが提起されている。

占星術に対するキリスト教思想家の態度を考察するにはキリスト教的時間観について考察しておく必要がある。この問題はキリスト教出現後の思想の基本的枠組みを規定する最も重大な要素を含む。

「魔術から近代科学へ」というテーマからは若干脇にそれるが、「時間・空間」は近代科学、とりわけ物理学の土台を成すキー概念であり、近代科学は時間・空間認識に重大な陥穽を孕んでいると考えられる。今回は、その問題提起である。
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  投稿者 staff | 2012-05-14 | Posted in 13.認識論・科学論9 Comments »