2012年03月23日

共同体社会の実現に向けて-23 ~実現論・序6 新時代を開くのは、共同体企業のネットワーク(その4)~









みなさん、こんにちは。本シリーズも今日で連載23回目を迎え、佳境に入ってきました。
今後いよいよ、具体的に「社会統合をどうする?」に踏み込んでいきますが、その前に『民主主義』の功罪について再度押さえておきましょう。
 
『民主主義』は現在、社会生活の大前提となっている枠組みとして認識され、学校教育やマスコミを通じて深く刷り込まされ、ほとんどの人が共産勢力や独裁制との比較のなかでこれを肯定し、『絶対に正しい』と信じきっています。
 
今回は、企業の共同体化を推進するうえでは、『民主主義』という価値観念が最大の障害になっている事を明らかにして、とりわけ企業経営者の認識転換に期待したいと思います。
 
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【共同体化の最大の敵は民主主義】

共同体化が上手く進まないのは、認識転換が出来ていないからであるが、企業を共同体化してゆく時に、その足をひっぱる最大の妨害者は、何事も批判し要求することしかできない社会派=民主主義者である。
問題なのは社員だけではない。むしろ、多くの経営者が「民主主義」に囚われて、共同体化の方針を誤っている。共同体化が上手くいかない最大の原因は、経営者自身の頭に巣くう「民主主義」にあるといっても過言ではない。
従って、その点での認識転換が最初に必要になる。

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認識転換ができるかどうか? ここがまず、最大のポイント!
そして、なかなか認識転換出来ないのは『民主主義』という誰もが「絶対正しい」と思い込んでる観念が最大の障害!!との事ですが、これは一体どういう事なんでしょうか?・・・探っていきましょうネ。

序3(リンク)で既に述べたが、改めてその点を鮮明にしておこう。それは、一言で尽きる。
『民主主義者は金貸しの手先であり、従って、共同体の敵である。』
もちろん、彼らは金貸しに騙されて「民主主義は絶対正しい」と信じ込まされている犠牲者でもあるが、そもそも彼らが「民主主義」に強く収束したのは、彼らが批判と要求しかできない小児体質or観念病だからである。
批判(要求)するだけならガキでも出来るが、これでは何をするにも周りの足を引っ張るばかりで、まったく戦力にならない。
そのことは、経営者なら、言われるまでもなく良く分かっている。ところが、民主主義を全的に否定し切れていないので、組織方針を誤ってしまう。
新理論が不可欠な由縁である。

「民主主義」が現在のように強固に固定化した理由を知るために、社会運動の歴史を遡って考えてみましょう。まず、代表的な4つの運動それぞれの特徴を分析していきます。
 
 
◆社会運動と民主主義
1.フランス革命や明治維新
・革命運動の最大動因は貧困(飢餓)や財政危機による社会閉塞感。
・革命運動を先導したのは貧困にあえぐ大衆ではなく、1~3%のインテリ階級
金貸しがマスコミを操作し、革命運動を拡大させた。
 
2.戦後日本の食料デモや’50~’60年代の労働運動
・1と同様に貧困を原動力とし、インテリにより組織された運動。
・競争を重視する資本主義よりも、平等を重視する社会主義を旗印とした。
・縄文体質の日本人が社会主義に親近感を覚え、世界でも例を見ない100万人規模の大集会が各地で行われた。
 
3.’60年安保闘争
・貧困の圧力はかなり衰弱し、飢餓状態は無くなっている社会状況
 以降の運動も貧困が原動力ではなくなるのがポイント。
・テーマは外交問題であり、左翼イデオロギー・民主主義発の運動であった。
 
4.’69年全共闘運動
・自己顕示欲の強い団塊の世代による、「反体制」の運動。
思想が解体され、以降近代思想は急速に生命力を失っていった。

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このように、社会運動の原動力となっていたのは、もともとは大衆の貧困からの脱出期待ですが、これは民主主義というイデオロギーでもなく、私権欠乏でもない、大衆の素朴な願いでした。
それがいつの間にかイデオロギーの運動となり、最終的には解体され終焉してしまったのですが、それは何故でしょうか?
 
私権社会というフレームの中では、貧困からの脱出という素朴な願いは私権闘争に収束するしかありません。従って、貧困からの脱出という真っ当な願望も私権欠乏に転倒してしまいます。
 
そこでは、運動をすればするほど、私権欲求と自我が肥大してゆき、もともとの素朴で本源的な願いは正反対のものに転落してゆきます。そうである以上、私権統合という社会フレームを変えることはできません
 
これは、私権社会が持つ根本的な騙しの構造です。
従って、私権社会の要求運動は、どのような運動であれ、はじめから自滅的な枠組みの中に閉じ込められてしまうのです。
 
一方、運動を組織した活動家たちは、運動を始めた当初は、大衆を貧困から救うべき対象と見ていました。これ自体は大衆を救おうとする素朴な願いであり、ここまでは真っ当でした。
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ところが、近代の活動家たちが依拠したのは、民主主義という自己正当化観念でした。その結果、大衆を救おうとする素朴な願いが民主主義という自己正当化観念を媒介にして、他者否定・自己正当化の欠乏にスリ変わってしまいます。そして、もはや大衆は救いの対象ではなく、自分の主張に巻き込むべき、又は扇動すべき対象にスリ変わってしまいます。
 
 
上記をまとめると、運動が失敗してしまった構造は以下。
1.真っ当な貧困脱出願望が、私権欠乏と自我肥大にスリ変わる。
2.救いの対象であった大衆が、扇動の対象にスリ変わる。
 
これらは、私権社会や民主主義といった、現行の社会様式や思想様式に基づいて運動を行った結果です。当初は真っ当だった欠乏が、最終的には自我や扇動の対象にスリ変わってしまうというのは、元となった私権社会や民主主義が「騙し」であるということが主要因であると云えるのです。
参考記事:
3/11なんでや劇場1 貧困(飢餓)の圧力を前提に、民主主義イデオロギーに導かれた社会運動
3/11なんでや劇場2 左翼イデオロギーに扇動された’60年安保闘争と’69年全共闘運動
3/11なんでや劇場3 ’85年以降、左翼から従米へ転向した日本のインテリ階級
3/11なんでや劇場4 脱貧困の素朴な願いが民主主義を媒介して、自我・私権欠乏にスリ変わる
  
続いて、現実の圧力にさらされているにも関わらず、企業の経営者がなかなか転換できない原因について、具体例をいくつか挙げながら考えてみましょう。
 
 
◆民主主義に毒された経営者の苦悩
1.要求主義者と化した社員に迎合
休日、福利厚生、育児休暇など、個人の権利・あるいは男女平等をベースとした要求主義に反論できず、迎合してしまうパターン。繁忙期や締め切り直前といった会社の正念場を乗り切ることはできません。
2.多数決に依存する会議
結論の出ない会議を何度も繰り返し、最終的には多数決で方針決定。少数意見の中にも『答え』に繋がる可能性があるのですが、決して拾い上げられる事はなく、成果につながりません
3.『やる気』が空回りする経営者
「なんでできないんだ!」「できるはずだ!」と鼓吹したり、成果主義を導入したりする。一見リーダーシップの強い責任感のある経営者に見えるが、自身の成功体験などに囚われ、社員の心底にある欠乏や期待を捉えていないので、社員は一向についてきません。
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どうでしょう? よくある状況じゃないでしょうか?

 
自分たちの場を自分たちで作っていこうとする共同体企業であれば、こうはなりません。
  『どうすればお客さんに喜んでもらえるか?』
  『そのための方針はどこから学び、組み立ててゆくか?』
全員が考えるなかで提案される案、またその方向性は必ず一方向に収斂し、最良のものになってゆきます。
  (共認原理による集団運営については、以下の過去記事を参照して下さい。
   市民運動という騙し。民主主義という騙し。(その3)

 
 
何度も繰り返しますが、既存の企業がそうならないのは、経営者が『民主主義』に毒されているからなのです。
 
社会的には豊かになった一方で、民主主義が生んだ『個人』『権利』『平等』などの古い観念に寄りすがっている為に、先の事例のように『要求』や『もたれかかり』や『学ぼうとしない姿勢』を蔓延させ、企業経営の足かせとなっているのです。
 
 
ここから脱するには、旧い観念群を捨て去り、もともと人類が心得ていた『同類=仲間』を対象化し『仲間の期待に応えてゆく』企業に作り変えてゆくことがポイントになります。
 
◆新理論が不可欠
しかし、仲間の期待や想いに応えるだけで、企業経営者は民主主義を超える事が出来るのでしょうか?
 
もともと「民主主義」とは、金貸し勢力が王侯・貴族から国家の支配権を奪うために作り出した近代思想の中核思想です。そしてその後、金貸し勢力はこの資本力と民主主義を武器にして、国家を動かし、自分たちに都合のいい制度・法律を作ってきました。
 
さらに現在は、学校で必ず民主主義の正当性を叩き込み、マスコミ、学者からの発信がそれに輪をかけて強化しています。この様にガチガチに固められた状況を打破するには、騙しを喝破する『新認識が不可欠』なのです。
 
 

もちろん、それ以外にも転換しなければならない認識群はたくさんある。
だからこそ、共同体企業のネットワークが必要になる筈だが、それは経営者の必要意識がどこまで醸成されているかにかかっている。
デフォルト前の段階では、ネットワークの必要意識は小さいかもしれないが、リセット後は間違いなく急上昇する筈である。

最後に、ここで扱った内容をまとめて、図解化しておきます。

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次回以降の序7では『企業を共同体化し、統合機関を交代制にする』を4回にわたってお伝えし、
最終章の 序8では『新理論の構築をどう進めてゆくか』で、新しい社会の生活像や可能性を展望し、締めとさせていただく予定です。
 
本シリーズも残り5回です。・・・みなさん、お楽しみに!

List    投稿者 daian | 2012-03-23 | Posted in 07.新政治勢力の結集に向けて5 Comments » 

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コメント5件

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