2022年11月26日

アクティブラーニング推進の突破口として注目される「新しい体育」

 

「主体的・対話的で深い学びの実現」が掲げている令和の日本型学校教育。

より一層のアクティブラーニング推進が求められるものの、

限られた時間、評価・指導の難しさから、現場ではどのように実践するのかが課題になっている…

というのが現状ではないでしょうか。

 

そんな中で、「新しい体育授業の在り方」が注目されています。

「体育苦手だったけど社会に出たら全く困らなかった」など、

不要論・廃止論まであがった体育で、どのような変化が芽生えつつあるのか、紹介していきたいと思います!

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鍵になったのはICT活用

昨今、子どもたちには1人1台のタブレット端末が配布される例が増えていますが…

そのタブレットに基本機能として備わっている「動画撮影機能」を応用した例が注目されています。

 

活用の手順はシンプルで、リレーやマット運動、鉄棒など、様々な授業で取り入れているようです。

STEP1:お手本動画を見る

STEP2:工夫するポイントを宣言のうえ実技+撮影(工夫するポイントを重点的に撮影してもらう)

STEP3:大型モニターを用いて皆で映像を確認しながら、上手くいった点・改善が必要な点を議論

STEP4:改善方法、必要な練習を仮説として導き、実践を塗り重ねる

ーーー

実は、自在な学習を可能にするタブレット機能(無料コンテンツ)が多いことも注目です

・Multi Video/Hudl Technique 2つの動画を重ねた・並べ再生できる/スロー再生も可能

・Twin View 2つの写真を並べて閲覧し、比較学習が可能

・Sports Boar 各種協議のコート概念図上に戦術等をプロットできる

・ウゴトル ミラーリング、倍速、コマ送り、スロー等の多彩な再生機能

ーーー

 

〇常にお手本をみて、真似て、学ぶ

〇単に理論だけでなく、現実事象を注視することで生々しい課題が発掘できる

〇みなで議論(対話・協働)することで、自らでは気づけなった新しい気づき・解決法を導ける

〇自らの頭で考え、皆と協働し、肌で変化・前進感を味わえる

まさに実社会で勝ち抜くために必要な要素ばかり。

こうした可能性を実感するなかで、クラウド上の共有スペースでは、

先生ではなく、子どもたち自身がお手本動画を紹介しあったり、チーム成果の総括を自主的に投稿されるなど…

子どもたちの主体的な学びが生まれつつあるようです。

 

体育がICTと出会うことで、

単に身体能力を競い、比べられる体育から、技術を皆で分析し、磨きあげる体育に昇華されたことが

注目されるポイントだったのではないでしょうか。

 

学校におけるICT導入が早かったイギリスでは体育授業のICT化はさらに進んでおり、

日本と同じような動作分析による器械運動技術の追求に加えて…

動きとデジタル映像を結び付けたダンス・アート・デザイン追求!

GPS機能を活用して数学を組み合わせた行動解析!

など…多様な生徒に対応した授業の実践例が生まれ、手応えを感じてるよう。

 

イギリスの事例をみると、

そもそも「体を成長・発達させるための教育」として技術や知識を同じように教え込むのではなく

「身体を使った様々な追求・挑戦を楽しむ」こと、

どのような追求・挑戦するかは子どもたち一人ひとりが「自らの頭で考え、実践する」ことが肝であり

その実践のハードルを下げたのが「ICT技術」だったということではないでしょうか。

List    投稿者 sibata-h | 2022-11-26 | Posted in 17.これからの教育No Comments » 

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