2023年01月04日

子どもたちの探求意欲を高めるのは「先生の熱量」~某小学校プロジェクトで見た可能性ある先生たちの姿

Worker’s Resort 「働きやすい」「仕事がはかどる」に高い満足度- センセイオフィスの空間デザインが教員に好評な理由より

「主体的・対話的で深い学びの実現」を掲げた日本型学校教育が始動されつつも、

不登校児童の数が過去最多、教職員における精神疾患で休職件数も過去最多と、厳しい環境にある日本学校教育…。

 

一方で、前回(アクティブラーニング推進の突破口として注目される「新しい体育」)紹介したような新しい変化が芽生えつつあることも確か。

今回は、子どもたちを導く存在でもある「先生の変化」について紹介していきたいと思います。

紹介するのは、実際に私たちが協働させていただいたM小学校建替えプロジェクトにおける内容です。

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M小学校では、自治体、地域住民、教職員から子どもたちと、幅広い方々と共に、新しい小学校づくりについて議論を重ねてきました。

そのなかで先生方と議論したのは「新しい職員室」について。

何が正解かわからない昨今において、職員室の在り方、教員の働き方から見直す必要ある

という自治体職員・学校教職員の方々からの発信を機に立ち上がった検討会。

 

 

管理職が端に並び、そこからずらりと各職員の個人デスクが一列に並び、デスクには書類が山積みというのが、

お決まりの職員室ですが…。

先生方から導かれたのは「自在な共創・協働を実現する“アジリティアドレス型”校務センター」。

単なる個人の作業スペースではなく、先生方が気づきや悩みを共有し、共に追求を楽しむ共創・協働の拠点というものでした。


方針1:従来の個人席ではなく、学年単位が集まりやすく、一体感あるグループ席へ
方針2:電子化で収納スペースは合理化し、ICTを活用した協働スペースを拡充
方針3:給湯スペースと協働スペースを近接させることで、自然と集まりやすい・使いやすい環境に


 

ポイントになったのは、ある先生から問いかけられた

そもそも職員室でなにをなすべきか、したいのか」という発信。

「先生たちの居場所づくりも大事」

「でも個人の休憩や作業だったら、教室でやればいいよね」

「それだと、職員室には帰ってこなくなるし、職員室ってスペースが不要だよね」

「でも先生同士で相談したいことってたくさんあるな」

「もっとわかりやすい板書ってなんだろうとか、授業でどういう工夫しているか知りたい」

「せっかく先生たちが集まれる場所なら、気づきや悩みを共有して、もっとよくできる!を追求できるといいな」

「定例みたいに決まった会議だけじゃなくて、何気なく立ち寄って、顔を合わせた先生とその場で議論!みたいな環境にしたい」

 

もちろん、空間アイディアそのものも重要ですが…

こうした「自らの生きる場をどうする?」を主体的に、対話の中で、議論している先生方の熱量・背中こそが、「主体的・対話的で深い学び」が子どもたちを加速させるのではないでしょうか。

目まぐるしい変化し、答えのない時代において、子どもたちも、先生方も同じように悩み、意識は変化し、追求が始まっている。

新しいスタンダードを導くための切り口・アイディアは、みなが持っている時代ではないでしょうか。

 

だからこそ、重要なのは、「自分たちの生きる場を、みなで共に創る場」。

そうした場(建築空間)を実現するためにも、建築プロジェクトそのものが広く開かれ、共に追求するプロセスであることが、新しい学校づくりの突破口になりそうです。

List    投稿者 sibata-h | 2023-01-04 | Posted in 17.これからの教育No Comments » 

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