2011年12月18日

2011年の世界情勢を振り返る(1)【全体編】

2011年も終わりに近づこうとしています。今年は、今まで以上に様々な事件や現象が発生し、世界の枠組みが大きく変わるキッカケとなる年となりました。2011年の政治・経済を振り返り、2012年がどんな年になるのかを、考えて見ます。
 
全体編、中東編、欧米編、日本編の4回に分けてお送りします。今回は、その全体編です。
 
 

 

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■中東民主化革命
  
2008年のリーマンショック以降、アメリカの没落が決定的となり、ドル(米国債)暴落危機が叫ばれ続けてきた。2010年の夏のギリシア債務問題などもあったが、2008年以降は一貫してアメリカ(米ドル)は崩壊過程にあったと言うことができる。
 
そんな中、2011年は、2010年12月から始まった「中東民主化革命」によって幕を開けた。2月にはエジプトのムバラークが大統領辞任に追い込まれる。この中東民主化革命は、背景に庶民の不満が潜在していたという側面はあるにせよ、自然発生的なものでは決してなく、欧米勢力による『扇動』があったことは、ほぼ確実であろう。
 
問題は、ウラで糸を引いていたのが、米ロックフェラーなのか、あるいは欧ロスチャイルドなのか、はたまた別の勢力なのかという点にある。
 
政権転覆の憂き目に遭ったエジプトのムバラークは「核兵器開発を視野に入れてアメリカを牽制していた」や、リビアのカダフィは「強硬な反米主義であった」ことから、米ロックフェラーが仕掛けた可能性は高い。
 
しかし、その後の主導権は明らかに欧州勢が握っており、中東民主化革命はアメリカの意に反して、欧ロスチャイルドが主導し、拡大しようとしていった。アメリカが中東を失えば、アメリカ覇権崩壊→米ドル暴落は決定的となるかに見えた。
 
2011年02月03日
なぜ、このタイミングで、エジプト民主化革命が発生したのか? ~背後に核兵器問題あり~
  
 
2011年03月10日
中東革命の今後 自らが作った矛盾に嵌っていくアメリカ

 
 
■アメリカが生き残りを賭けて日本に強要したTPP
 
日本では2010年10月に菅直人がTPP交渉への参加を突然表明する。以降、2011年2月までは「TPP」という言葉が独り歩きし始める。この「突然の表明」はアメリカの動きと同期している。2006年の時点では4つの小国による経済連携協定だったにも関わらず、2010年10月にアメリカが突然割って入り、主導権を握って日本を巻き込もうとしてきたのだ
 
TPP問題は、当時から「工業生産を取るか、農業生産を取るか」という議論に(政界でも、マスコミでも、ネット界でも)終始してきたが、『全ての貿易障壁撤廃』という条項が盛り込まれていることからも分かるように、アメリカによる『日本のアメリカ化』に他ならない。この頃から、TPP問題は「工業VS農業」という矮小化された図式に閉じ込められ、議論の本質が扱われることはほとんど無かった
 
2011年02月26日
TPP問題の真実~賛成or反対?? 対立構造は目眩ましに過ぎない

 
 
■地方政党の躍進
 
2011年2月には、民主党を脱党して地方政党「減税日本」から再選を狙った河村たかしが、70%近い圧倒的な得票率で当選する。ほぼ同時期には、大阪で圧倒的な支持を受けた橋下大阪府知事(当時)が「大阪都構想」、更には「関西州構想」を盛んに喧伝する。マスコミによって作り出された幻想期待によって、地方首長発の地方分権の気運が、徐々に盛り上がっていった
 
2011年02月17日
名古屋市長選の結果が持つ”本当の意味”とは?

 
2011年03月03日
「大阪都構想」と「道州制」議論の本質とは?

 
  
■311東北震災→福島原発事故
 
2011年がこれだけ激動の年となったのは、「福島原発事故」があったからだと言っても過言ではないだろう。大衆的な意識潮流では、科学信仰の崩壊、特権階級への無能視、”消費”に対するパラダイム転換(節約志向が加速)などが挙げられる。一方で、現実には放射能汚染が全国規模で広がっているにも関わらず、学者、官僚、マスコミが「安全」を言い続けた結果、みんなの意識も何となく「安全」に流れたという意味で、マスコミ支配の強さが如何に強大であるかを認識させられるキッカケともなった。
 
原発事故問題は、激しい争いを続けたきた国際金融氏家(米ロックフェラーと欧ロスチャイルド)の争いにも、大きな変化をもたらした。エネルギー分野では石油を基盤とするロックフェラーと、原子力を基盤とするロスチャイルド、この両者(原発反対派と推進派)の旗色が鮮明になった結果、国際金融資本家同士の争いも、今まで以上に激化していく。
 
 
2011年03月24日
東日本大震災~原発は必要のウソ~みんなの意識はどこへ向かう?

 
2011年04月07日
福島原発問題で何がどう変わるか ~加速するパラダイム転換~

 
2011年03月28日
日本の原子力利権 ~政・官・産・学・マスコミの結託→暴走~

 
2011年04月15日
福島でなにがおきているのか?~最悪の事態、その時どうする?を考えておく必要~

 
2011年04月27日
原発問題から見える特権階級・近代科学の問題性1~原発現場からの告発・洗脳から逃れた人々~

2011年05月10日
原発問題から見える特権階級・近代科学の問題性3~みえない雲の向こうに視るべきもの④~原発の事故が起きたらどうする?~

2011年06月12日
原発問題から見える特権階級・近代科学の問題性7~安全性を置き去りにした“安全神話”
 
 
2011年05月07日
地震・原発を契機に人々の意識はどう変わるか?【1】:原発問題の本質は特権階級の無能と暴走

2011年05月14日
地震・原発を契機に人々の意識はどう変わるか?【2】次々と明るみに出る特権階級の無能・暴走ぶり

2011年05月21日
地震・原発を契機に人々の意識はどう変わるか?【3】:試験エリートの無能とえげつなさ
 
2011年05月28日
地震・原発を契機に人々の意識はどう変わるか?【4】特権階級の暴走は今後も続くか否か?(マスコミ支配との綱引き?)
 
2011年06月25日
地震・原発を契機に人々の意識はどう変わるか?【8】人々はいつものを考え始めるのか?
 
2011年07月02日
地震・原発を契機に人々の意識はどう変わるか?【9】:日本人はいつ物を考え始めるのか?認識収束の入口にたった!!
 
 
2011年06月19日
マスコミ業界の中心にいる電通 ~なぜ、こんなに力を持っているのか~

 
 
■ギリシア債務問題再燃&アメリカ債務上限問題
 
311東北震災→福島原発事故によって、強烈な「円安」に見舞われると予測されていた円であったが、7月から大多数の意に反して、圧倒的な「円高」に見舞われる。
 
2010年夏に顕在化したギリシア債務問題(デフォルト危機)によるユーロ安、一方のアメリカも、債務上限の引き上げを巡って、オバマ大統領と米議会・茶会派との対立が先鋭化し、債務上限引き上げ法案が通過したのはギリギリのタイミングであった。米ドルと欧ユーロという二大通貨への信用が失墜していく。
 
加えて、2011年初頭から、海外ファンドからの「日本国債の買い越し」が続いていた。海外ファンドは、将来の日本国債売りを見込んで、タマを仕込み続けている。311以降さらに激しさを増した、海外からの「円買い→日本国債買い」は強力な円高要因となる。
 
「米ドルに続きユーロも暴落危機」「急速な円高」という事象は、世界経済と日本政界に大きな影響を与えることになる。
 
2011年07月08日
エネルギー問題、東北復興、景気回復を巡る国際金融資本家たちの暗躍

  
 
■TPP議論再燃
 
日本は震災からどう復興していくのか、さらには円高によって日本の輸出産業が大ダメージを受けるという議論から、TPP論争が再燃する。これには、日本のTPP参加を焦るアメリカの意図が大きく関与していたことは言うまでもない。
 
 
■モナコ57カ国会議
 
2011年8月末、ユーロ危機に対する出口が見えない中、スイス(欧州貴族)が主導して、モナコ公国に57カ国の実力者が集結し、今後の欧州経済を話し合う会議がもたれた。ロックフェラーが出席を拒否されたというモナコ会議では、ロスチャイルドと欧州貴族が中心となって、今後の世界経済について話し合いが持たれたようだ
 
実際、この会議の約1週間後、スイス中央銀行は、「対ユーロに対する無制限の為替介入(スイスフラン売りユーロ買い)」を発表した。一般にはスイスフラン高の是正と言われるが、主要な輸出産業を持たないスイスで無制限の為替介入など行き過ぎで、これは明らかに「ユーロの買い支え」であろう。つまり、欧州貴族が「ユーロ救済」に乗り出したことを意味する。
 
この直後から拡大して言った「ウォール街の反富豪デモ」は、ロスチャイルドによるロックフェラーの揺さぶりの一環であろう。欧州貴族の支援を取り付けたロスチャイルドは、ロックフェラーへの攻勢を強めていく。
 
 
2011年09月20日
ドルとユーロのチキンレース ~ロスチャイルドと手を組んだ欧州貴族 vs ロックフェラー帝国~
 
 
2011年09月28日
ユーロ危機2 ユーロ危機のウラで、着実に死期が迫っているのは、ヨーロッパではなくアメリカ
 
 
2011年10月05日
ユーロ危機3 欧州周辺国から内情を探る。欧州貴族主導で安定化に必死な状況。
  
2011年10月23日
中国は世界経済を救えるか~2.危険な「三角関係」 米・中・欧のトライアングル~

 
 
■TPP論争再々燃
 
追い詰められていくロックフェラーは、生き残りを賭けて、2011年10月前後から、日本に対してTPP参加をさらに強要していく。政府・官僚・マスコミは「決断を急げ」と繰り返し、TPP参加を押し進めようとした。中央マスコミなどの無能さが際立つ一方で、地方紙は反対派・慎重派が多数を占め、新たな可能性の萌芽が見えた時機でもあった。
 
2011年09月04日
野田新首相誕生 小沢の連敗と民主派の挫折

 
2011年11月06日
生き残りを賭けたアメリカの日本植民地化計画=TPP締結問題 ~日本政府はアメリカ盲従をいつまで続けるつもりなのか~

 
 
■中東の勢力争い激化
 
ロスチャイルド、欧州貴族、ロシア、中国による「米ロックフェラー包囲網」が決定的となり、資源を巡る争いが激化していく。その主戦場となったのが中東であった。
 
中東民主化革命の余波が冷めやまない中、5月にはアメリカによって「911同時多発テロ」の首謀者であるウサーマ・ビン・ラーディンを「殺害した」との発表があった。(アメリカによる自作自演であった)911の首謀者がアフガニスタンに潜伏しているビン・ラディーンからこそ、米軍はアフガニスタンに駐留し続けていたのであって、「死亡」したのであればアフガニスタンに駐留し続ける大義名分を失うことになる。つまり、(本当に殺害されたかどうかはともかく)ビン・ラディーンの政治的な死亡は、米軍、ひいてはD.ロックフェラーの2001年以降の中東戦略に歯止めが掛かったことを意味する。中東地域におけるアメリカ(D.ロックフェラー)の勢力衰弱が如実に表れている。
 
2011年05月13日
ビン・ラーディンが『殺された』のはなんで?①~911、アフガン紛争とはどんな戦争だったのか~
 
 
2011年05月20日
ビン・ラーディンが『殺された』のはなんで?②~今後のアメリカの世界戦略は?~
 
 
10月には、オバマ大統領が年末までにイラクから米軍を撤退させると発表、実際、イラク北部の米軍基地を閉鎖した。それと同期するように、トルコ軍がイラク北部に侵入、しかし、イラク政府はこれを「容認」する。
 
 
■ロシアでの勢力争い激化
 
中東に次ぐ資源大国であるロシアでも、主導権争いが激化している。「民族主義」を背景に圧倒的な支持を誇っていたプーチン及び与党・統一ロシアであったが、12月のロシア下院選挙の得票率で半数を割ってしまう。これほどまでの支持急減は、金融資本家勢力の暗躍なくしては説明が付かない。おそらく、欧州貴族→ロスチャイルド勢力がロシアに食い込み、プーチンに揺さぶりを掛けているのであろう
 
現在のロシアにロックフェラーが食い込む余地は無いであろう。従って、米ロックフェラーと欧ロスチャイルドとの勢力争いの最先端の場は、中東である可能性が非常に高い。
 
イランによる(ロシアの技術を使った)米軍偵察機の拿捕、サウジアラビアの原発建設表明、核兵器保有に言及など、中東を巡る情勢は目まぐるしく動いているが、2012年の世界情勢は、『中東で決まる』と言っても過言ではないだろう。
 
2011年10月12日
欧・露・中・印によるアメリカ=ロックフェラー包囲網が完成しつつある

  
2011年12月03日
サウジアラビアのアメリカ支配に対する包囲網が確立しつつある
 
 
■欧州貴族→ロスチャイルドは、何を狙っているのか?
 
中東の資源を押さえた段階で、欧州貴族(→ロスチャイルド)がドル暴落の引き金を引く可能性は高い。
 
一方で、EU・ユーロ圏では「金融取引税」が議論の遡上にのぼり、さらにBIS(中央銀行の中央銀行とも呼ばれる機関。スイス・欧州貴族が実権を握っている)が「自己資本比率規制を引き上げる」との観測が広がっている。これらが本当だとすると、欧州貴族→ロスチャイルドが、段階的に金融市場(マネー経済)を縮小し、軟着陸を狙っている可能性が高いことになる。
 
欧州貴族→ロスチャイルドは、ロックフェラー覇権を崩す為にも、また次の金融経済の枠組みを作る為にも、暴落と軟着陸との二つの戦略を同時に進めているのだろう。
 
2011年11月20日
欧ロスチャイルドと米ロックフェラーが暴落の引き金を引くタイミングは、どのような状況で生まれるのか?

 


 
 
■2012年は、どんな年になるのか?
 
21世紀に入ってから、米ロックフェラーと欧ロスチャイルドとの対立、さらに奥の院である欧州貴族との対立が先鋭化し続けてきました。10年くらいの準備期間を経て暴落局面に至ると考えてきた世界経済情勢でしたが、『311』によって10年掛けて起こったであろう事象が、1年に圧縮され噴出したような感があります。2012年も、『311が無ければ10年後に起こっていたであろう出来事』が噴出するように思えます。
 
ネット界では「2012年に大破局が来る」という説が多く出回っていますが、果たして2012年に経済破局は来るのか?破局が来るとすれば、どんな形になるのか?そして、破局後の情勢は?
来週からは、中東編、欧米編、日本編、に分けて、2011年の総括と2012年はどうなるのかを考えてみます。
 
(ないとう)

List    投稿者 tnaito | 2011-12-18 | Posted in 未分類 | 2 Comments » 

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コメント2件

 十津川 昭和 | 2013.01.07 16:01

何で「天皇制」とか「天皇家」とか有り得ない造語を平気で使ってるんですか?
  ↓
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1133306421

 kabisa mbt | 2014.02.22 14:36

mbt tataga 日本を守るのに右も左もない | 天皇制国家の源流13 高句麗・百済・新羅の対中外交路線の違い

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