2012年07月19日

ルネサンスの科学(魔術)1 キリスト教を市場拡大の守護神に転換したニコラウス・クザーヌス

これまでは、ギリシャローマ時代から中世キリスト教社会の科学技術の流れを見てきました(科学技術の源流1)。ここからは、科学技術が本格的に発展を始める、ルネサンス時代に入ります。新しいシリーズの「ルネサンスの科学(魔術)」第1回目はニコラウス・クザーヌスです。
%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%8C%E3%82%B9.jpg
「ニコラス・クザーヌス」この画像はこちらからお借りしました

あまり知られていませんが、ルネッサンスへの扉を開いた先駆者の1人がクザーヌスなのです。十字軍の開始以降、貿易が活発になり市場が拡大していくと、人々は自我私権の拡大可能性に目覚め、禁欲を旨とするカトリック教会は崩壊の危機を迎えます。彼は、新たな世界観を提示しキリスト教を、市場拡大=自我私権の追究を積極的に肯定する宗教に転換します。彼はどのような理屈を使って、この大転換を実現したのでしょうか。
山本義隆氏の『磁力と重力の発見』から「第9章 ニコラウス・クザーヌスと磁力の量化」の要約を引用しながら、ニコラウス・クザーヌスの問題意識とその論理構造を解明していきます。興味を持たれた方は応援もお願いします。

(さらに…)

  投稿者 nodayuji | 2012-07-19 | Posted in 13.認識論・科学論9 Comments »