2011年11月05日
アメリカ包囲網を受けて、中東政府系ファンドはどう動くか?
行き過ぎたマネー経済を抑制すべく「57カ国会議」を開催した欧州貴族は、アメリカを見捨て、ユーロを支援することを決定した。その中にはロシア、中国、インド等、強国が集結しており、いわゆる「アメリカ包囲網」が世界中で形成されつつある。
その包囲網が形成されつつあるアメリカで最大の影響力を持っているのは、莫大な石油利権を牛耳ってきたロックフェラー家。では、 そのロックフェラー家の力の源であるオイルマネーはどう動くのか?
そこで今回は、潤沢なオイルマネーで世界最大の資産規模を誇る政府系ファンド・『アブダビ投資庁』を持つ『アブダビ首長国』、金融立国として有名な『ドバイ首長国』を中心に見て行きたい。
(アラブ首長国連邦とアブダビ首長国、ドバイ首長国)
アブダビ首長国はドバイ首長国等を含むアラブ首長国連邦を構成する国のひとつ。アブダビはアラブ首長国連邦の事実上のリーダー国であり、連邦全体の約80%にも及ぶ広大な国土に埋蔵された石油資源によって連邦の政治、経済を支えている。
そのアブダビの政府系ファンドであるアブダビ投資庁は、アブダビ首長国の将来的な財源の確保および維持を目的に、1976年に設立された。世界最大の政府系ファンドであり、運用資産総額は4,000-8,750億ドル以上。アブダビ投資庁がどこに投資をするかで、今後の世界情勢の動きにも影響が出てくると言われている。
☆政府系ファンド(SWF)とは?
政府系ファンドとは、政府が出資する投資ファンド。正式には主権国家資産ファンドと呼ばれる。石油や天然ガスによる収入、外貨準備高を原資とすることが多く、資源供給国に多く設立されている。その豊富な資産で大規模な投資をする為、市場への影響力が大きいといわれており、アブダビ投資庁、シンガポール政府投資公社、中国投資有限責任公司等が有名である。
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