2011年11月12日

大阪府知事選・市長選のダブル選挙~争点の都構想は、問題のすり替え~

今月27日は、大阪府知事・大阪市長のダブル選挙ですね。
 
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テレビやネットニュース、電車の中の吊り広告であれやこれやと賑わっていますが、ちょっと考えるだけで、疑問がいっぱい湧いてきます。
・そもそもダブル選って何?
・「大阪都構想」って何?
・で、結局誰に投票したらいい?
・この選挙で何が変わるの?
などなど。。。
一つずつ紐解いていきたいと思います。
 
続きもお付き合いください
  

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■大阪府知事・市長、ダブル選挙について
 
○大阪ダブル選挙って何?
大阪府知事と大阪市長を同時に決める選挙のことを指しています。
 
○なんでダブル選挙になったのか?
市長選は、もともと任期満了によりこの時期に行われることが決まっていました。
そこに、橋下氏が府知事を辞めて、府知事選挙を市長選に「わざわざ」ぶつけて、今回のダブル選挙となりました。
 
○なぜ橋下氏は、「わざわざ」ダブル選にしたのか?
大阪で圧倒的な支持率を誇る橋下氏は、「自分が前面に出れば、勝てる」と踏んでいます。自分の息がかかった大阪維新の会の候補を出させ、大阪市長選でメディア露出が増えることを利用し、府知事選の援護も同時にしてしまおうという魂胆。
この自身の知名度を最大限に利用して、タイミングを合わせることで府知事と市長を同時に押さえようと目論んでいるのです。
 
■なぜ、橋下氏は両方同時におさえたかったのか?
端的に言えば、「大阪府知事では思い通りにいかなかったから」です。
 
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どういうことかと言うと・・・
地下鉄、主要道路、空港、港湾、大型開発など周辺都市を巻き込みながらのテコ入れをしたかったが、要の大阪市が言うことをきかない。大阪市は政令指定都市で、大阪府と同等の権限を持つため、大阪市にとっては、今のままの方が都合がよく、大阪府と手を組むメリットがない。
そこで、抱き込むのが無理だと判断し、市を解体しようと打ち上げたのが大阪都構想。しかし、これも大阪市に反対され、おまけに国会で法律が通りそうにないため頓挫した
・・・という流れです。
 
つまり、橋下氏は、このダブル選で府と市を同時におさえることで、実質的に『大阪都』知事と同じ財源と権限を手に入れようとしているのです。
 
■大阪都構想とは何なのか?
橋下氏がこだわっている大阪都構想とは、一体何なのか?
賛成派と反対派の意見を見て考えてみたいと思います。
 
《概要》
「大阪都構想」とは、かつての東京府・東京市を再編して東京都としたように、大阪府・大阪市を廃止し、新たに大阪都を設置する構想のことを言います。
大阪市は、政令指定都市(人口50万以上の市)として都道府県と同格の権限を持つことになるため、大阪府は大阪市を直轄でコントロールできない状況にあります。
そこで、大阪府域全体を「大阪都」とし、大阪市と堺市は解体、現在24ある大阪市の行政区を8~9つの特別区に、7つある堺市の行政区を3つの特別区に再編、今ある行政区は2~4ずつで合併するという案です。
これまでは重要な決定事項について、府は市の了解無しには動けないという支障がありましたが、これも解決でき、広域行政を一人の指揮官の下に1本化することができます。この結果、①府と市の二重行政(同じハコモノや外郭団体が重複している)が解消、②人員削減、財政の健全化が図れる、③それぞれの特別区は独立した自治体とし区長を公選制にすることで真の住民自治を実現できるというものです。
 
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《賛成派の意見》→詳しくはコチラ
・二重行政の廃止によって、財政を健全化できる。
・広域行政の一本化によって、交通インフラの整備を広域に行える。その結果、景気回復が見込める。
・特別区長公選制により住民サービスの向上が果たせる
 
《反対派の意見》→詳しくはコチラ
・新たに都議や区議が増え、議員は逆に増える。財政悪化がますますひどくなる。
・大阪市で一本化されていた行政サービスが、区ごとに細分化され、無駄が多くなる。
・東京都知事と言えども、完全に独断専行できる訳ではない。
・東京23区は、都制度の廃止を目指している。都構想など時代錯誤。
・橋下氏の狙いは、大阪市の財源と権限がほしいだけではないか!?
 
・・・このように見ていっても、何の為の都構想なのか、はっきりしません。
 
 
■今回の選挙に意味はあるのか?
 
上記のような「大阪都構想」が争点となる今回の選挙とは、
『権限・財源を新たに獲得したい橋下派』『既得権益を守りたい勢力』との争いでしかありません。どちらの勢力も欲しているのは、自分達の私権です。その争いに民衆が巻き込まれていると言っても過言ではありません。
 
これは、小泉元首相の構造改革の時と同じで、中身がないことを棚に上げて、スローガンだけ掲げ、「古い」「勉強不足だ」などと反対派を攻撃しているに過ぎないように思えます。
 
大阪都構想は中身がないスローガンでしかないのではないでしょうか?
 
だから、「誰に投票したらいいのか分からない」とみんなが感じるのは、当然だと言えます。お互いに言っていることに、中身がないのだから。。。(これでは、マスコミが作るイメージに流され、投票するしかありません。知名度の高い橋下派が当選するのでしょう)
 
現在、大阪で一番考えなければならないのは、そんな中身のない「大阪都構想が必要かどうか?」のような議論ではなく、まったく筋道のついていない公務員制度改革をどうするか?という問題であって、これを捨象した答えはありえません。
 
だから、公務員制度改革について誰も方針を出せていない以上、橋下派・反橋下派、どちらが当選しても、抜本的な改革は無理であることは明らかです。
「どちらの候補(主張)がいいか」ではなく、「どちらの候補(主張)も答えになっていない」というのが答えなのではないでしょうか?
 

List    投稿者 sugaiku | 2011-11-12 | Posted in 未分類 | 5 Comments » 

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コメント5件

 通りがけ | 2012.12.01 1:21

「戦争と原発は人災の極致である」
>前原氏が日本未来の党を批判 「卒原発は空理空論」「きわめて小沢色強い」
>11.30 13:00 [民主党]http://sankei.jp.msn.com/politics/topics/politics-14760-t1.htm
> 前原誠司経済財政・国家戦略担当相は30日の閣議後会見で、日本未来の党が「卒原発」として10年以内の原発全廃を打ち出していることについて、「10年で原発ゼロまでは使用済み燃料の問題をとっても絶対に無理だろう。空理空論といわざるをえない」と批判した。(以下略)
さっそく全国民の願い「脱原発」をえさにしてかきまわしはじめたか。
未来の党の脱原発より自分たち(自公民維新)の脱原発のほうが本物だと言いたいのだろう。
しかしだまされてはいけない。原発と戦争は同じものであり、ともに人災(人の手が作り出した災害)の極致である。
今度の選挙は「戦争」が本当のテーマなのだ。
今度の選挙を画策した世界の恥戦争の狂犬ユダ金米軍の狙いは憲法9条破壊である。すなわち日本人にとって今度の選挙は脱原発選挙ではなく脱戦争選挙なのである。未来の党は今後メディアに出演したときは「脱原発」の内容には一切触れずに「戦争」すなわち自民党の「憲法改変案」維新の「徴兵制復活論」についてメディアのカメラの前で公開で問いただし自分たちの「平和憲法堅持自衛隊海外「派兵」禁止徴兵制禁止」憲法遵守世界平和を守る立場を旗幟鮮明にすることが求められる。
こうすればすべての反戦平和を願う道徳国民の票が未来の党へ集中され大勝利するであろう。もちろん私も「平和憲法堅持自衛隊海外「派兵」禁止徴兵制禁止」にのみ投票する。
そうなれば今度の選挙が「道徳」対「反道徳」の戦いであることが誰の目にもはっきりするからである。

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