2012年05月04日

江戸時代の思想12~天下の台所大坂の商人【経営者】たちによる社会統合観念追求の場「懐徳堂」~

前回は、大衆支配のための既成観念を全的に否定し、新概念を創出しようとした、農民出身の「安藤昌益」の思想を学びました。
 
今回は町人の思想を学んでいきます。
町人の思想と言えば、本ブログでもすでに扱っている、
京都の伊藤仁斎が有名ですが、今回は大坂の町人であった「富永仲基」にスポットを当てます
 
富永仲基は大坂の商人の家に生まれ、それまでの既成思想である儒教・仏教・神道を全否定し、それに代わって大坂の商人の現実を肯定した「誠の道」を唱えました 🙄 。
 
彼が思想を追求した場が「懐徳堂」です。懐徳堂とは大阪の商人がお金を出し合って作った民間の学校で、現在で言えば総合大学あるいはシンクタンクのような教育研究機関でした(現在の大阪大学の源流の一つがこの懐徳堂です)。
 
そこでは、何が学ばれ、何が追求されていたか?
まず、富永仲基の思想を『江戸の思想史』(田尻祐一郎著 中公新書刊)を手がかりに学んでいきます。
 
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List    投稿者 MASAMUNE | 2012-05-04 | Posted in 04.日本の政治構造108 Comments » 
2012年05月02日

共同体企業ネットワーク理論勉強会テキスト(10)~新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない~

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皆さん、こんにちは。
共同体企業ネットワークの理論勉強会のテキストも今回で10回目となりました。
初めて本ブログを読まれた方は、「理論勉強会ってどんなことを学ぶ場なの?」と疑問を持たれるかと思いますので、もう一度理論勉強会の趣旨に触れておきたいと思います
理論勉強会とは、社会の様々な事象を取り上げながら、現代に繋がる最先端の意識潮流を解明することによって、概念装置を体得する場です。
概念装置があれば、時事問題を考える時、仕事の場面で方針を出す場面・・・、いかなる状況に置かれても答えを出すことができます。
この概念装置を作り出すには、全文明史を振り返って、人類の歴史段階的な進化の構造(=実現構造)を解明する必要があります。そして、この実現構造を解明する中で、何度も塗り重ねて構築してきた「事実の体系」が概念装置です。
事実の体系ですから、当然、現実の場面で使える理論ですし、2段階、3段階の能力アップが可能になります。

過去のテキストはコチラです☆

テキスト1:これから生き残る企業に求められる能力は?
テキスト2:私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
テキスト3:市場の縮小と根源回帰の大潮流
テキスト4:共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
テキスト5:自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
テキスト6:同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
テキスト7:情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
テキスト8:大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
テキスト9:新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
さて、今回のテーマは『新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない』
と題して、前回扱ったテーマを掘り下げていきたいと思います。
続きはこちら。

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List    投稿者 hiromi | 2012-05-02 | Posted in 12.現代意識潮流22 Comments » 
2012年05月01日

魔術から近代科学へ10 西洋人の禁欲主義の源流(ゲルマンの性闘争による秩序崩壊の危機意識とキリスト教の禁欲観念)

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画像はこちらからお借りしました。
それにしてもキリスト教、とりわけカトリック教会の禁欲主義は異常である。なぜ、そこまで禁欲が徹底されたのか?
「キリスト教の現実否定の自己欺瞞(自然認識を御都合主義で魔術から借用)」

☆西洋人の性意識で残る問題は、異常な禁欲主義である。
禁欲主義を流布した直接の犯人はユダヤ教→キリスト教らしいが、教会がそんな説教を垂れても聞き流しておけばよいものを、何故未だにカトリックは禁欲主義なのか?
『るいネット』「西洋人の精神構造と異常な性意識」

今回は、この問題を掘り下げる。
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List    投稿者 staff | 2012-05-01 | Posted in 13.認識論・科学論13 Comments » 
2012年04月27日

共同体社会の実現に向けて ―26 ~実現論序7.企業を共同体化し、統合機関を交代担当制にする(その3)~

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桜の季節も終わり、初夏に近づくにつれて活性度も上昇してくる今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
前回は共認社会を実現するために、企業を共同体化したうえで社内ネット導入で共認の場を作り上げること、さらに国家の統合を担う機関を交代担当制にする必要があることを明らかにしました。
今回は、共同体を実現するにあたって、現在の教育に対する抜本的な解決方法を考えていきます:D

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List    投稿者 mizuguti | 2012-04-27 | Posted in 07.新政治勢力の結集に向けてNo Comments » 
2012年04月26日

魔術から近代科学へ9~キリスト教の現実否定の自己欺瞞(自然認識を御都合主義で魔術から借用)~

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画像はこちらから(リンク
ところが、キリスト教の徹底した現実否定は、深刻な自己矛盾を孕んでいました。
キリスト教は徹底して現実を否定した結果、自前の自然認識を持たなかったのです。
しかし、現実には自然認識がなければ生きてゆくことはできません。
例えば、病気になった時には医療が不可欠です。
それに対して、キリスト教はどう対応したのでしょうか?
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List    投稿者 staff | 2012-04-26 | Posted in 13.認識論・科学論8 Comments » 
2012年04月26日

魔術から近代科学へ8~キリスト教の欲望否定(封鎖)から欲望肯定(刺激)へパラダイム転換が近代思想と近代科学を生み出した~

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画像はこちらから(リンク
前回(近代科学の成立過程20~~に引き続き今回は山本義隆氏の『十六世紀文化革命』から「第4章 中世キリスト教世界」の部分を要約投稿します。
ローマ社会において、その語のキリスト教における磁石と磁力に対する姿勢、ひいては、自然力一般の理解の原型がほぼすべて形成されることになった。
第一に、磁石の働きを生物になぞらえて見る生物態的視点、第二に、磁石には物理的な作用があるだけでなく生理的な作用さらには超自然的な能力が備わっているという想念の普及、そして、第三に、自然万有のあいだの共感と反感の網の目でもって自然の働きが成り立っているという自然観の形成である。
そのローマ社会で形成された理解の原型がキリスト教世界ではどのように扱われたのかを見ていきたいと思います。
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List    投稿者 KAWA | 2012-04-26 | Posted in 13.認識論・科学論4 Comments » 
2012年04月25日

共同体企業ネットワーク理論勉強会テキスト(9)~新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった~

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皆さん、こんにちは。
共同体企業ネットワークの理論勉強会のテキストも今回で9回目となりました。
初めて本ブログを読まれた方は、「理論勉強会ってどんなことを学ぶ場なの?」と疑問を持たれるかと思いますので、もう一度理論勉強会の趣旨に触れておきたいと思います。
理論勉強会とは、社会の様々な事象を取り上げながら、現代に繋がる最先端の意識潮流を解明することによって、概念装置を体得する場です。
概念装置があれば、時事問題を考える時、仕事の場面で方針を出す場面・・・、いかなる状況に置かれても答えを出すことができます。
この概念装置を作り出すには、全文明史を振り返って、人類の歴史段階的な進化の構造(=実現構造)を解明する必要があります。
そして、この実現構造を解明する中で、何度も塗り重ねて構築してきた「事実の体系」が概念装置です。
事実の体系ですから、当然、現実の場面で使える理論ですし、2段階、3段階の能力アップが可能になります。
過去のテキストはコチラです☆

テキスト1:これから生き残る企業に求められる能力は?
テキスト2:私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
テキスト3:市場の縮小と根源回帰の大潮流
テキスト4:共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
テキスト5:自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
テキスト6:同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
テキスト7:情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
テキスト8:大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
さて、今回のテーマは“新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった”です。近代観念が如何に社会の手かせ足かせとなり、この上なく厄介な障碍となっていったのかについて詳しくみていきたいと思います。
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List    投稿者 aruih | 2012-04-25 | Posted in 未分類 | 17 Comments » 
2012年04月24日

共同体企業ネットワーク理論勉強会テキスト(8)~大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機 ~

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共同体企業ネットワークの理論勉強会のテキストシリーズも、8回目となりました。
 
初めて本ブログを読まれた方のために、この理論勉強会の趣旨に今一度触れておきたいと思います。
 
 難局を突破していくための状況判断力を上昇させたい方
 次代の組織力となる人材の活性化と育成方法を模索している方
 一企業の枠組みを超えた協業ネットワークを思案している方
 
 
いかなる状況に置かれても答えを出せる思考法“概念装置”を体得することが目的です。
それは社会の様々な事象を取り上げながら、現代に繋がる最先端の意識潮流を体系的に捉えることで可能になります。
 
この概念装置は経営者、若手を問わず体得すべきものです。
 
★過去の記事はこちらです
テキスト1:これから生き残る企業に求められる能力は?
テキスト2:私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
テキスト3:市場の縮小と根源回帰の大潮流
テキスト4:共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
テキスト5:自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
テキスト6:同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
テキスト7:情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
 
 
さて、今回のテーマは“大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機”です。
人類の人類たる最大の所以は、言葉(観念)を使うところにあります。人類史を通じて観念がどのように使われ、その結果、今どういう状況におかれているのかを明らかにしていきます。
 
 

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List    投稿者 nishi | 2012-04-24 | Posted in 未分類 | 8 Comments » 
2012年04月23日

魔術から近代科学へ7 キリスト教も近代思想も近代科学も、ゾロアスター教が確立した略奪集団の正当化と他者否定のパラダイムにある

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「ゾロアスター教寺院の屋根に描かれた善神アフラ=マズダ」
画像はこちらからお借りしました。
前回の記事「ローマ貴族や市民の自我肥大⇒快美収束・妄想収束から広まった、ローマの魔術的自然認識」において、次のことを明らかにした。

ローマ時代に、その後のキリスト教中世における自然力、とりわけ磁石と磁力の理解の原型がほぼすべて形成されることになった。それは、
第1に、磁石の働きを生物になぞらえてみる生物態的視点の浸透
第2に、磁石には物理的な作用があるだけではなく、生理的な作用さらには超自然的な
    能力「魔力」が備わっているという想念の普及
第3に、自然万有のあいだの共感と反感の網の目でもって自然の働きがなりたっている
    という自然観の形成

では、この「魔力」、あるいは「共感と反感」とは、どのようなものだったのだろうか?
今回は、それを追求します。
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List    投稿者 staff | 2012-04-23 | Posted in 13.認識論・科学論16 Comments » 
2012年04月22日

江戸時代の思想11 大衆支配のための既成観念を全的に否定し、新概念を創出しようとした安藤昌益

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安藤昌益の思想は久しく埋もれていたが、戦前に狩野亨吉によって稿本『自然真営道』が発見されたことで光が当てられるようになり、1950年刊の岩波新書『忘れられた思想家-安藤昌益のこと』(カナダの外交官・歴史家ハーバート・ノーマン著)によって広く知られるようになった。
『江戸の思想史』(田尻祐一郎著 中公新書刊)より

前回は「市場拡大に歯止めをかける制度を構想した荻生徂徠の思想」を紹介しましたが、18世紀の江戸時代中頃、農民の側に立って私権制度や既成観念を全的に否定する思想が登場します。安藤昌益の思想です。
彼は、儒教の「聖人君子」とは盗人(=略奪闘争の覇者)に他ならず、既成思想は全て(儒教も仏教も)盗人による支配の正当化のイデオロギーであると徹底的に批判しました。
まず、その思想の概要を『概説日本思想史』(編集委員代表佐藤弘夫 ミネルヴァ書房)「第15章町人の思想・農民の思想」から引用します。

●農民は「直耕の転子」
安藤昌益(1703~62)は、稲作農耕とそれに従事する農民と彼らが住む農村を自らの思想的営為の基軸に据えた。彼自身は医者であったが、その思想には農民の心情と意識が反映している。
彼は「不耕貪食」の支配者が「直耕の転子」(農耕に勤しむ天子)である農民を支配する階級社会の政治的・イデオロギー的抑圧を批判する。
彼は誰もが稲作農耕に従事する無差別平等の社会を「自然の世」、階級社会を「法の世」と捉え、「自然の世」の回復を構想するとともに、文字および儒・仏・神をはじめ既成の学問・思想全てが(医術も例外ではない)階級支配を隠蔽するイデオロギーにすぎないことを指弾する。それは通用の天(てん)地(ち)の文字に換え、同音でその自然的意味を表す「転(てん)」「定(ち)」の文字を用いるまで徹底している。
転・定・人は類似の構造を持っており、根源的食糧である米を生産する稲作農耕こそ人々が従事すべき生とされ、それゆえに農民は「直耕の転子」と捉えられたのである。それは農民の間に存在する、社会を根底から支えていることの表現であった。

いつも応援ありがとうございます。

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List    投稿者 staff | 2012-04-22 | Posted in 04.日本の政治構造29 Comments »