2011年の世界情勢を振り返る(2)【中東編】
2011年を振り返る 第2弾【中東編】です。
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★中東民主化運動(アラブの春)で、中東における米国の中東支配力が低下した。
2010年末から11年にかけて、中東諸国では(アラブの春)と言われる民主化運動が活性化した。チュニジアでは、ベンアリ大統領をサウジアラビアに亡命させ、エジプトではムバラク大統領が辞任に追い込まれた。リビアの最高指導者カダフィ大佐も、NATO軍の介入によって政権が打倒され、シリアでは3月以降、アサド政権が武力弾圧を続け、内戦寸前の状態に陥っている。リンク
→親米政権だったエジプトのムバラークが核開発を背景にアメリカを牽制していたこと、リビアのカダフィは強硬な反米主義であったことから、アラブの春は、米国ロックフェラーが仕掛けたと見て間違いないが、NATO軍の介入等から、政府転覆後の主導権は欧州勢に移っており、米国の中東支配力は、その意思に反して低下してしまった。
★ ビンラディンを殺害し、米軍が中東から撤退する口実を作った。
2011.5.2、ビンラディンがパキスタンの首都イスラマバードで殺害される。リンク
「ビンラディン」といえば、イスラム原理主義組織アルカイダの司令官、アメリカ同時多発テロをはじめとする数々のテロ事件の首謀者とされてきた。しかし、9.11テロには不可解な部分が多く、テロは米国による自作自演だと考えて間違いない。アルカイダは架空の組織であり、米国が戦争をする為の口実にすぎなかった。
そのビンラディンが殺害されたということは、どういうことなのか?
~ビンラディン死亡の真相6 今後のアメリカの世界戦略は?~より引用リンク
ビンラディンが死んでいるにせよ、生きているにせよ、オバマ(民主党=銀行屋=ロスチャイルド系)がアフガニスタンからの撤退を実現に移す可能性が非常に高まった。かつ、撤退が目的なのだから、パキスタン政府との無用な対立は避けようとするはず。よって、この作戦の前に、パキスタン政府とは今回の殺害劇に関しては話がついている可能性が高い。
アメリカが中東から手を引く意味は大きい。石油を基盤にのし上がったD.ロックフェラー系を打倒する可能性が高まったからだ。
しかし石油決済通貨として延命しているドルは、アメリカの中東支配力が低下すれば、間違いなくドル安圧力をますます受けることになる。米国債=ドルは、暴落するかしないかの瀬戸際をさまようことになる。だから、軍事力ではなく、(日本に対してしてきたように)マスコミやネットを使った世論形成で、中東各国をコントロールする戦略を取り、「民主的な親米国家」を作っていく必要がある。チュニジア、エジプトなどの「民主化革命」はこのアメリカの戦略上に位置しているはずだ(ソフト・パワー)。
→ドルの崩壊を迎えつつある米国では、軍事費を捻出することが出来なくなってきている。その状況で、ビンラディンが死亡したことは、米国にとって、軍を撤退させる格好の口実。これは、ロックフェラー勢力が追い詰められており、最早、軍事力で中東を制圧出来ないことを意味している。
★米国が中東から撤退することで、中東資源争いが激化。
2011年10月、米国は、イラク駐留米軍を完全撤退させる方針を表明した。リンク
ビンラディンを殺害した名目で、米国はイラクから年内に撤退することを表明する。サウジアラビアにあった大規模基地の多くは既に閉鎖されており、この撤退は、事実上の中東産油国からの米軍撤退となる。これによって、サウジアラビアを始めとする中東諸国は米軍の恩恵を受けられなくなった。トルコ軍は早速イラク侵攻を開始し、中東の奪いあいが激化している。
中東におけるアメリカの最後の砦となるサウジアラビアでは、ドバイ、イラン、アラブの春、トルコ、ロシアからの包囲網が形成されてきていた。リンク
★サウジアラビアの不穏な動き。
しかし、ここにきてサウジアラビアでは、16基の原発を計画していることが明らかになった。さらに、サウジ政府は、核兵器保有の可能性があることを示唆した(リンク)。
つまり、米軍は中東から段階的に撤退していく一方で、サウジアラビアに核兵器を保有させ、強大な力を持つ傀儡国家を存続させようとしていることになる。
★反米姿勢を強めるイラン
一方のイランは、反米姿勢を強め続けている。その一つが、米軍のステルス型無人偵察機を無傷で捕獲した事件だ。撃墜でなく無傷で捕獲したということは、イランが無人偵察機の無線制御システムを乗っ取ることができることを意味している。そして、この高度な技術は、ロシアからもたらされたらしい。これは、アメリカの軍事的な中東戦略を大幅に見直す必要がでてきたことを意味する。
★政治勢力と宗教勢力とに分裂しつつあるイラン
しかし、イラン国内も一枚岩では無いようだ。イランは1979年の革命でイスラム共和国となり、独特な二重権力の構造を持っている。宗教指導者が最高権力を掌握し、それが大統領と政府の政治権力を指導する立場にある。この二重構造のため、79年以来イランは宗教権力と政治権力の間で、権力の掌握を巡る熾烈な闘争を繰り広げてきた。
現在、宗教指導者はハメネイ師で、政治権力を掌握しているのはアフマディネジャド大統領だが、両者の争いはかつてないほど激しいものがあるという。
イランでの宗教勢力は言うまでもなくイスラム主義であるが、政治勢力は極端な反米である。政治勢力の代表であるアフマディネジャド大統領は、極端な反米主義で知られているが、その一方でロシアや欧州などとは部分的に手を組み、アメリカを牽制しながら、近代化を進めようとしている(イランの主要貿易相手国はフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ロシア、中国、日本、韓国など)。フランスやロシアなどからは原発技術の提供を受けていると言われている。この近代化・市場化に対して、宗教勢力(イスラム主義)からの反発が年々強まっているのだろう。
また、政治勢力側の極端な反米姿勢は、アメリカ主導の経済制裁をより強めることになり、結果的にイラン経済を圧迫している。この結果、イラン商人は、そのままでは国際的な商取引に参加できないので、ドバイへと移住し、「ペルシア商人として」国際取引に参加している。
強固な反米姿勢を崩さないアフマディネジャド大統領も、支持基盤が年々衰弱し、イラン国内では追い詰められつつあるのだ。アフマディネジャドがこの閉塞状況の突破口を戦争に求める可能性が、どんどん高まっている。
★ 緊迫するイランとサウジアラビアとの関係。2012年はどうなる?
アメリカがイランを圧迫し追い詰めつつあるのだが、その結果、イランの中東従米国家への反発は日増しに強くなっている。このような状態の中での、米軍のイラク・サウジからの撤退、更に、将来の原発建設、核兵器保有の結果、イランがサウジに攻め込む可能性が年々高くなっている。
逆に、現状のタイミングでの米軍のサウジ撤退と、将来のサウジの原発・核兵器の保有によって、「サウジに攻め込むなら今しかない」と”イランを戦争に誘い込もうとしている”かのようなタイミングである。
もし、中東での米軍の動き、サウジの原発・核兵器、イランへの経済制裁強化、という一連の動きが「仕組まれたもの」だった場合、この仕掛け人が米ロックフェラーである可能性が非常に高くなり、イランがサウジに攻撃を仕掛けた時点で、サウジ・米軍・イスラエルとイランとの戦争が始まることになる。
OPECの中でも産油量1位2位であるサウジアラビアとイランとの戦争が始まれば、原油価格は今まで以上に急激に高騰することになる。世界的な通貨安の中での石油価格暴騰は、必然的に資源インフレーションを引き起こし、一気に『紙幣の紙屑化』へと行き着くことになる。
ロスチャイルドにとって暴落の引き金を引くのは、サウジアラビアを押さえたあとの可能性が高い。来年は中東、特にサウジアラビアとイランの動き次第で一気に世界のパワーバランスが変化するかもしれない。欧ロスチャイルドと米ロックフェラーが暴落の引き金を引くタイミングは、どのような状況で生まれるのか?
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