次代の社会統合の場を考える2~国家と(力の序列共認)とその統合限界~
本シリーズは、国家も市場も限界を迎え行き詰った今、今後どのような場が必要になるのか?どのような統合の仕組みが必要になってくるのか?という問題意識から、次代の社会統合のあり方について考えていくものです。
前回の記事「次代の社会統合の場を考える①~国家はどう統合されているのか?~」
では、国家(超肥大集団)とは、力の序列を背景につくられた、身分という評価指標(観念化された肩書き)を万人が共認することで、統合されてきたことが明らかになりました。
しかしながら、歴史を振り返っても、現在進行形で見ても、力の序列共認により統合されてきた国家というものは、戦乱による支配や転覆などを繰り返している(=秩序が維持されない)という現実があります。
今回は、力の序列共認による統合様式がもつ、特徴、問題点、矛盾について、るいネットの秀作投稿「超国家・超市場論8」を紹介しながら、明らかにしていきたいと思います。
応援宜しくお願いします。
「超国家・超市場論8 国家(力の序列共認)とその統合限界」より
武力支配の国家では、性闘争→私権闘争を止揚した力の序列共認⇒身分制度の共認が、生産と消費の、その分担と分配の仕組み・在り様を決定している。即ち、武力を奪われた被支配階級がもっぱら働かされ、力を占有する支配階級がその生産物(富)を一方的に収奪し、消費するという仕組みである。
(その結果、支配階級は必然的に解脱充足に溺れて堕落してゆき、周辺のまだ堕落していない勢力によって滅ぼされることになる。これも又、武力統合が孕む統合限界の一つであるが、力による制圧以外に統合の方法がない以上、力によって統合するしかなく、諸国家は数千年に亙って戦争→支配→滅亡を繰り返してきた。)
人類の戦争の歴史を遡ると、約5,700~5,500年前のイラン高原にその起源を求めることができます。
11/28なんでや劇場(4)戦争の起源
部族間闘争に勝利し続けた国家の王は、収奪によって隆盛を極めていくことになりますが、身分制度による階層化が進んで、一旦体制が安定する=外圧が低下すると、王以下の序列上位層は途端に解脱充足に埋没していきます。
実は、ここに武力統合が孕む一つの問題が潜んでいます。
なぜ、外圧が低下すると解脱充足に埋没するのでしょうか?
それは、5,700年前よりもっと前の人類史500万年の歴史を遡れば、答えが見えてきます
具体的には、人類が持つ共認機能の獲得過程を遡ることにします。
木から落ちたサルの人類は、他の動物に比べ圧倒的な身体的不利な状況に置かれていました。
素手で勝てる動物はゼロといっても過言ではない状況です。
その中で、人類は、自分達ではどうしようもない強烈な自然外圧を前に、洞窟の中で互いに身を寄せ合いながら解脱充足を活力原に、その上に闘争系の共認を形成して収束し、生きながらえてきました。
その一方で、大きな問題を孕むことになります
元々は凄まじい外圧→不全感から解脱するために形成された解脱回路であるが故に、外圧が低下すると、むしろその充足だけを貪るための堕落回路となってしまうのです。
外圧が高く闘争・課題共認への収束力が強ければわずかな解脱でも充足できるのに、一旦それが低下すると、どれだけ解脱を貪ってもなお充足できなくなる。
こうして、身分序列が安定し、外圧が急速に低下していくことによって国家の王以下の序列上位者達は解脱に埋没していくようになるのです。
「超国家・超市場論8 国家(力の序列共認)とその統合限界」より
たしかに、生物は絶対的な生存圧力に対しても、それを活力源として生きてはゆく。しかし、武力社会では私権闘争の圧力を活力の源泉としながら、生涯固定の身分制度によって、私権の拡大の可能性は閉ざされている。つまり、私権の強制圧力は、もっぱらマイナスの圧力(否応なく対応するしかない圧力)でしかなく、プラスの可能性が封鎖されている。この矛盾と限界こそ、武力統合の最も本質的な統合限界となる。
そしてその限界の中に、私権拡大の可能性を持った交換取引(それは明らかに武力闘争からの抜け道である)が生まれ、繁殖してゆく土壌があったのである。
全ての生物は、自分より強い外敵や環境の変化などによって生存圧力が高まると、それに適応すべく様々な可能性に収束し自らの体を変化させようとします。
適応できるようになればそれに伴って生存圧力も弱まります。
しかし武力統合の時代は、身分が固定化されたことで奴隷はずっと奴隷というように生涯支配階級から圧力がかかり続け、生まれもった身分のまま嫌でも従っていかなければならいという状況でした :blush:
当時人々の活力源であった私権(お金・身分etc.)獲得の可能性が完全に閉ざされてしまう矛盾と、それゆえに私権を拡大できないという限界を孕むのが武力統合時代だったのです。
今回は武力統合の矛盾を説明しました。
次回は、その武力統合の限界の中に生まれた抜け道(新たな可能性)とは何なのかに迫っていきたいと思います。
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コメント15件
通りがけ | 2012.04.16 1:48
野田政権の間にどんな政策が可決されても日米地位協定をさえ破棄してしまえば新しい政権ですべてチャラにできます。たとえ憲法9条改正案が可決されていても、国民が日米地位協定を自分の手で破棄すればすぐに改正そのものを新政権で取り消しできます。TPPでも消費税でも脱原発でも所詮内政問題ですから。端的に言って今の棄民テロ政府構成員を全員投獄すればそれで片付きます。
ただし、地位協定を破棄する前に他国と戦争を始めてしまったらもう取り返しがつかないでしょう。他国との開戦は間違いなく日本と日本人を滅亡させます。いったんどこかと開戦すればかつて世界に宣言した平和憲法に自分から背いたテロ国家として世界中から孤立し、すべての国から集中的に一斉反撃を加えられてあっという間に全滅します。国土と国民を軍事攻撃から防御するどんな努力も役に立ちません。無条件降伏を申し出てももはやどんな言い訳も信用されない嘘つき民族として受け入れられず無条件で殲滅されるでしょう。かつてアメリカが孤立した島国であるゆえに原爆を投下した日本ですから、各国が核ミサイルを今更撃ち込んで列島ごと滅亡させても他国は誰も困らないのです。そればかりか日本列島を日本人に管理させておくと原発が次々に爆発して世界中に放射能の雨が降るので、日本が戦争を始めたらアメリカや中国に頼んで大地震で列島ごと海底に葬り去るという解決策をとるでしょう。アメリカはほいほい喜んで地震兵器の威力を世界中に示威し軍事的優位を誇示するために、日本列島をHAARPで文字通り沈没させるでしょうね。
もし私がユダ金だったら、以上の見通しの下に長期戦略を建てておき、米政翼賛会や野田スパイ政府に日本の内政を混乱させている隙に、現存の地位協定を利用して在日米軍の機能を強化しつつ自衛隊を米軍の海外侵略戦争に参加させて日本人を戦場に送り出し、日本国そのものを現実の戦争に引きずりこむことに全力を挙げるでしょう。
これが、私が「地位協定破棄」という国家独立の成否がかかった外交問題こそがすべての内政問題に優先する日本の存続と日本人の生存を決する最大緊急事項であるとする理由です。
南スーダンの自衛隊員は直ちに武装解除して難民としてロシア軍駐屯地へ逃げ込み身一つで日本へ帰国してください。あるいはロシア大使館へ駆け込むとよいでしょう。
日本人として日本国憲法第9条にまっこうから背く、国際紛争を武力で解決する戦闘行為に、ユダ金の思惑通りに南スーダンの紛争危険地帯でまさに関わってしまう前に。
われわれ本国内の日本人は国民自身の手で日米地位協定を破棄して日本人のふるさと日本列島をユダ金の魔手から必ずや守り抜きますから。
第9条を墨守する国際間紛争解決手段としての対外武力行使の自発的禁止こそが、日本を守る最強の自衛外交政策である。
通りがけ | 2012.04.16 3:27
ゆえにまさに第9条を否定し集団自衛権行使を是とする大阪市長たちを、私はまさに日本国を破壊し国民を棄民する亡国勢力であると断定する。
国民の生活が第一は人づくりにあり | 2012.04.16 14:17
経済学者中心の専門家内閣なら既得権益排除・経済成長も可能だ・イタリアも手本の一つ
今の日本に必要な現実的な解決策(消費増税の援護記事は別)を日経が報じている。『希望の構想―分権・社会保障・財政改革のトータルプラン』は、イタリアの経済学…
通りがけ | 2012.04.16 23:15
公明党創価学会に破防法を適用すればすべて解決する。オウム真理教と同じ憲法違反のカルトテロ組織だからね。
そして国会が終われば国会議員の不逮捕特権は消滅するから、創価学会および電通から賄賂をもらって見返りに破防法逃れの便宜供与した国会議員を全員逮捕すればよい。それらすべてに官僚が関わっているから霞ヶ関も全員共犯全員逮捕で一件落着。
かくてゴミ掃除が済んだあとの新国会冒頭で最初に地位協定を破棄する。米軍はアメリカへ帰れ。
じつに簡単なことである、『破防法発動』。テロリスト相手には一切交渉無用、がテロとの戦いの絶対原則だからね。
銀 | 2012.04.17 20:53
小泉支持者を遠くから眺めてた以来の衝撃だった
今回の都知事アクションに歓喜する人々
自分の貧弱な知識の為否定肯定は勿論
ニュートラルな意見すら持てず悶々といています
嫌韓国竹島騒動などありましたので
尖閣に関して以前から理解しようとはしていたつもりなんですが
そんな訳で他力本願
このブログで取り上げてくれたらなぁとコメントしました
匿名 | 2012.04.19 13:33
日本国に借金はありません。
国債残高は「国の借金」ではないのです。
あれは単に国債の過去の発行数を累積して言っているだけ。
日本政府が返済しなければならない金額のことではないのです。
900兆円の発行残高のうち、債務は300兆円。政府自身の保有分を除いて、返済しなければならない額は100兆円程度です。
形式上、政府自身や日本銀行にも利払いや返済をしていますが、これは政府内で循環しているだけで事実上債務ではありません。
たとえば、日銀が日銀保有分の国債の利子を政府から受け取ると、その金は政府への配当として戻されてしまいます。
国の借金、政府の借金は別のものです。
また、財政赤字の財政破綻の間に直接の関係はありません。
お間違えないように。
unimaro | 2012.04.19 20:06
↑
ほお!!
まさしく「錬金術」!!!!!
でも日銀は「民間企業」じゃなかったでしたっけ?
ちがったかな--?
tokyosilver999 | 2012.04.30 9:01
そもそも1970年代から借金が増え始めたのは、やはり1971年8月15日のブレトンウッズ協定破棄にあると思います。
なぜならそれまでは、35ドル=1オンスのGOLDの兌換が約束されていましたが、この日以降米国および世界の中央銀行は無限に基軸通貨を印刷することができるようになったからです。
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unimaro | 2012.04.15 21:48
お疲れ様です
以前、まだ戦前戦中派が健在の頃の、国債残高に関しては、「いずれ返せる(金の価値がかわるから)」という意識だったでしょう。
今の官僚連中の意識は
1)自分はそのとき(破綻?)にはもういない
2)金はどんどん刷って返せばよい、そう重い問題ではない
などと思って、自分らの利権つくり、権力つくり(天下り先をどれだけ作れるかが重要)だけに躍起になっているようです。
税金は大衆(一般人ども)の義務で、
それを使うのは官僚たち(特権階級)の権利、
だというのが、奴らの理論です。
勿論、その特権階級には政治家は含まれません。
奴ら官僚どもが容認した者達だけ、そのおすそ分けに預かれるというわけでしょう。
昔の封建時代の身分格差等をイメージしているわれわれには、今の時代は、大衆に権利と自由がふんだんにあたえられていると錯覚しがちです。
が、もう、気付いてもいい頃ですね。
昔の者達はなら、とうに蜂起していることでしょう。
少なくとも、役人上層部やそれを保護してかつ一般市民に危害を加えている司法(その下っ端行政部分も含む)に頻繁に天誅をくわえていることでしょう。
口先だけではなく、自分が、必要な時になったら、躊躇せずに「手を下す」覚悟を、皆持たなければ、いくら何を考え言ってもかわらないです。
一般人がどれだけ抗議をしても、奴らは全く気にもかけていません。
そういう奴らに必要なことはなにか、を真剣に考え、用意・覚悟するべきでしょう。