ビン・ラーディンが『殺された』のはなんで?②~今後のアメリカの世界戦略は?~
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前回の『ビン・ラーディンが『殺された』のはなんで?①~911、アフガン紛争とはどんな戦争だったのか~』に続き、今回は第一次湾岸戦争からイラク戦争(第二次湾岸戦争)、そしていよいよビンラーディンは何故「殺された」のかを見ていきます。
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■第一次湾岸戦争(’91~)
イランイラク戦争(‘88~’88)を通じて、欧米先進国は軒並みイラクを支持しており、アメリカもイラクとの協力関係にあった。イラク=フセインは、アメリカを初めとする欧米各国が育てたと言っていい。
湾岸戦争の直接のきっかけは、’90年7月に石油価格を下げ続けていたサウジ、クウェート、アラブ首長国連邦に対して、イラクが値上げに同調しないことを非難し、「直接行動も辞さない」と宣言したことに起因している。
アメリカ政府は、スパイ衛星などからイラクの軍事行動を監視していたが、クウェートには「心配ない」と回答し、イラクに警告を発すことも無かった。明らかにアメリカはイラクに開戦させたかったと言える。
しかも、当時のケリー国務次官補が記者会見で「クウェートが攻撃されても、アメリカにはクウェートを助ける責任がない」と公言。イラクのフセインはアメリカの甘い罠にまんまとはまり、クウェートに侵攻。
第一次湾岸戦争で最も得をしたのは、軍産複合体と呼ばれる軍事兵器企業群であった。80年代後半の冷戦終結(’91にはソ連崩壊)のせいで、軍産複合体は危機に陥っており、全米の軍事企業1位と2位の両社は、国防総省が倒産を口にするほどだった。それが湾岸戦争によって軍縮ムードが吹っ飛び、軍産複合体は大きく息を吹き返した。
加えて、破壊されたクウェートを復興するという巨大事業(約800億ドル)のほとんどは、世界最大のゼネコン「ベクテル社」というアメリカ企業が受注し、残りをイギリスの企業がかっさらっていった。
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以上から、アフガン紛争のみならずイラク戦争の前提となる第一次湾岸戦争も、そもそも「アメリカが儲けるため」に誘発された戦争だったことがわかる。
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■イラク戦争(第二次湾岸戦争、’03)
「911がアメリカによる自作自演」だとすると、その目的は石油決済通貨をドルからユーロに切り替えた(=ドルを暴落させようとする)イラク=フセイン政権の転覆にあったと考えられる。
この場合、アメリカ(の中でも米戦争屋=D.ロックフェラー)は、
「アフガニスタンでウサーマ・ビン・ラディンを見つけるつもりなどなく」「口実を作ってイラクにまで侵攻するつもりだった」
ことにな。
アメリカは、イラクが「テロ組織と関与している疑いがある」「大量破壊兵器を隠し持っているはず」という理由でイラク侵攻しようとした。しかし、証拠を示そうとしなかったため、ほぼ全ての国に反対される始末だった。ここで証拠がないにも関わらず唯一アメリカ支援を表明したのが、日本の小泉内閣であった。これが契機となり米軍のイラク侵攻が実行に移される。
イラク侵攻とほぼ同時に、イラクの石油決済はユーロから再びドルへと切り替わり、アメリカはその目的を達成した。
同年の12月にはフセインが米軍に拘束され、フセイン政権は崩壊、米軍が運営する暫定政権が設置された。
後に残ったのは、爆撃され、焦土となったイラク国土であった。そして、イラク「再建」がすぐさま着手される。イラク「復興」はアメリカ、特にD.ロックフェラー系企業にとっては夢のような市場であった。すなわち、全面的に私営化され、海外企業に所有され、ビジネスに開かれている白紙の社会である。石油だけでなく、港の運営契約や空港、道路や橋の再建、水道サービスや学校、通信に至るまで、ほとんど全てのインフラ事業が「再建」を装って民営化されていった。
イラク戦争の時の子ブッシュ政権は、石油メジャーであるシェブロンの社外重役を務めていたライス大統領補佐官、軍需会社会社・ハリバートン社のCEOだったチェイニー副大統領、製薬会社G.E.サール社また通信企業ジェネラル・インスツルメンツの経営トップに座っていたラムズフェルド国防長官と、「D.ロックフェラー系」の人物が名を揃えていた。これらの企業がイラク「再建」によって、巨大な利権を手にしたことは言うまでもない。
★ここまで見てきたように、アメリカ、特にD.ロックフェラー系にとっては、911をでっち上げるメリットは大いにあったと言える。(しかし、911が自作自演だとしても、多数の証拠が発見される”お粗末さ”は、D.ロックフェラーが如何に追い詰められていたかを示している)
★そして、「ウサマ・ビン・ラディンが見つかっていない」「テロの危険はまだ去っていない」ことを理由にあげて、米軍はアフガニスタン及びイラクに戦闘終了後も居座り続けることになる。
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アメリカは経済的に危うくなるとあらゆる手を使い戦争を仕掛け、そこで様々な儲けを得ることで窮地を脱してきた。これはちょうど一般的な国に見られる”公共事業”のようだ。
よく「何故アメリカはそこまで戦争したがるか」と言われるが、もはや戦争なくしてアメリカはもたないとも言える。
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■ビン・ラディンは生きているのか死んでいるのか
911から10年経った2011年、ウサーマ・ビン・ラディンは「殺害されたことになった」。
ウサーマ・ビン・ラディンが本当に逃げ回っていたのなら、声明をはっきりと発表するはずだが、そんなものは一切無かった(米軍が、ウサマによる声明が録画されたテープを見つけたなどの報道はあったが)。
仮に、「本当に逃げ回っていて、今回殺された」とすると、実行犯であれば明確なメッセージを世界に投げかけるはずだし、実行犯でなかったとすれば無実を訴えるはずだ。だから、本当に逃げ回っていて、10年越しで発見され殺されたとは、考えにくい。
しかも、今回のウサマ殺害の米軍と米政府の不可思議な行動(二転三転するストーリー、拘束せずに即座に殺害、DNA鑑定せずにすぐさま水葬etc.)を見るにつけ、「本人が殺された」と考えるには無理がある。
だから、考えられるパターンとしては、
①2001年12月(911直後)には殺されていて、その後生きていることにされてきた。そして今回、(影武者を殺して)死んだことにした。
②今現在も実は(匿われて)生きていて、今回(影武者を殺して)死んだことにした。
のいずれかしかない。
<①の場合>
アフガン戦争の最中に、ウサーマ・ビン・ラディンは殺された。しかし、米戦争屋にしてみれば、アフガニスタンの麻薬密売ルート、またアフガニスタン「再建」の利権を完全に手中に収めるまでは撤退する訳にはいかない。そこで、「ビンラディンはまだ生きている」ことにして、アフガニスタン駐留を続けた。
09年に大統領に就任したオバマ(民主党=銀行屋=ロスチャイルド系)は、戦争屋=D.ロックフェラーに対抗する勢力であり、就任当初から軍縮を打ち出していた。アフガンからの撤兵を軌道に乗せるため、ウサーマ・ビン・ラディンを「殺害した」ことにした。
<②の場合>911前のビン・ラディン家とブッシュ家(=米戦争屋=D.ロックフェラー系)とのパートナー関係を見ても分かるように、元々ビンラディン家はD.ロックフェラーと結託していた。つまり、911も「アメリカとウサーマ・ビン・ラディンが結託して引き起こした自作自演」であった。その後、ウサーマはD.ロックフェラー系に守られ、匿われて「生きていた」。この情報と証拠を、アフガンから手を引きたいオバマ(ロスチャイルド系)が握り、それを材料にD.ロックフェラー系を脅しに掛かって、今回「死んだことにする」ことで手打ちをした。
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■今後のアメリカの世界戦略は?
ビンラディンが死んでいるにせよ、生きているにせよ、オバマ(民主党=銀行屋=ロスチャイルド系)がアフガニスタンからの撤退を実現に移す可能性が非常に高まった。かつ、撤退が目的なのだから、パキスタン政府との無用な対立は避けようとするはず。よって、この作戦の前に、パキスタン政府とは今回の殺害劇に関しては話がついている可能性が高い。※
アメリカが中東から手を引く意味は大きい。石油を基盤にのし上がったD.ロックフェラー系を打倒する可能性が高まったからだ。
しかし石油決済通貨として延命しているドルは、アメリカの中東支配力が低下すれば、間違いなくドル安圧力をますます受けることになる。米国債=ドルは、暴落するかしないかの瀬戸際をさまようことになる。だから、軍事力ではなく、(日本に対してしてきたように)マスコミやネットを使った世論形成で、中東各国をコントロールする戦略を取り、「民主的な親米国家」を作っていく必要がある。チュニジア、エジプトなどの「民主化革命」はこのアメリカの戦略上に位置しているはずだ(ソフト・パワー)。
今後もオバマ政権(ロスチャイルド系)は軍縮路線を撤回し、戦争屋=D.ロックフェラー系を追い詰める一方で、「民主的な方法で」他国をコントロールする戦略を取るだろう。
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※実際、この密約が交わされていたことが英紙によって報じられた(
世間一般では、今回のビン・ラーディンの死はテロvs米国の顛末として描かれているが、実際にはこれまでに見たようにD.ロックフェラー系(戦争屋)vsロスチャイルド系(金融屋)の国際金融資本家同士の勢力争いの過程でしかない。
また、今現在日本では「原発の是非」について世論がこれまでとは打って変わり大きく「反原発」へ向かっており、これもD.ロックフェラーとロスチャイルドの勢力争いが大きく関わっている。
しかし、先に挙げたような密約が露呈してしまったり、そもそもビン・ラーディンの死にあまりにも不審な点が多い等、既に戦争屋D.ロックフェラー系勢力はガタが来ているようにも見える。
今後、世界を巻き込んだ金融資本家の勢力争いがどうなっていくのか。今後も目が離せない。
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