2012年06月21日
魔術から近代科学16~近代科学は短絡思考の産物である~
前回(魔術から近代科学15~潜在思念を劣化させた近代科学は架空観念(数学)で自然を対象化するしかなかった)は、山本義隆氏の『十六世紀文化革命』から「第7章 ロジャー・ベーコンと磁力の伝播」後半の要約を引用しながら、西洋の自然認識として「感覚」よりも「数学」という手法で数量化や測定することを絶対視し、観念は正確で感覚は信用できないという認識に至ったのということを見てきました。
引き続き、どのようにして上記認識に至ったか、その構造を見て行きたいと思います。
魔術から近代科学15~直感性能(潜在思念)を劣化させた近代科学は架空観念(数学)で自然を対象化するしかなかった~
前回(魔術から近代科学14~西欧にとって魔術は科学発展・侵略拡大に必要な観念だった)は、山本義隆氏の『磁力と重力の発見』から「第7章 ロジャー・ベーコンと磁力の伝播」前半の要約を引用しながら、キリスト教世界を取り巻く環境に適応すべく、ロジャー・ベーコンは「武力支配の前に観念支配が必要」、「科学の目標は自然支配にある」という思想の発端を作り、西欧の科学の飛躍的発展及び他地域の侵略に貢献したことを見てきました。
画像はロジャー・ベーコン
引き続き山本義隆氏の『十六世紀文化革命』から「第7章 ロジャー・ベーコンと磁力の伝播」後半部分の要約を引用しながら、西洋の自然認識がどこで道を間違えたのか、ベーコンの思想の源流を見ながら、近代科学の問題点について見て行きたいと思います。
江戸時代の思想21 属国意識の源流~日本の支配階級に刻印された敗北思考(体裁思考)
「白村江の戦い」
画像はこちらからお借りしました。
「西洋の侵略圧力は縄文体質(受け入れ体質)では回避できなかった」では、「18世紀後半からはじまる西洋の侵略圧力は、日本人(縄文人)にとって初めて直面した侵略圧力ではなかっただろうか」と提起されたが、侵略圧力に晒されたのはそれが初めてではない。そのはるか前の7世紀に強国隋・唐の圧力を受けている。
その時の日本の支配者がどう対応したのか?
そこに日本の支配者の属国意識の源流があるはずである。
今回は、そこに遡って追求する。
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世界の運命は中央アジアが握る! ロシア編②~ユーラシアを貫く交易路として、国際金融資本家の思惑が渦巻くロシア
アメリカvsヨーロッパ(ロックフェラーvsロスチャイルド)の覇権争いも失速し始めており、「どちらが生き残るか」よりも「どちらも生き残れない」という説の方がよく聞かれるようになってきた。
欧米が覇権を失った後に台頭してくる国は、ロシアか中国であろう。そして、この両者が激突する場所が中央かアジアである。次の世界情勢がどうなるかのカギを握ることになるのは、間違いなく中央アジアとなる。
なんでや劇場レポート 「力の原理から共認原理への大転換」その4~略奪集団による世界支配を根底から解体する、共認原理による国力の上昇~
みなさんこんにちは。いよいよ梅雨入りしましたね。
体調を崩しやすい季節ですので、ご自愛ください。
さて、本ブログでは、前回まで3回にわたって『力の原理と私権原理(統合)の関係構造』を見てきました。
真猿集団にルーツを持つ『力の原理』、さらにこれを下敷きにした人類の『私権原理⇒私権統合』は理解できたでしょうか?
今回は軽く中間整理をしたうえで、今なお残る略奪集団の末裔による世界支配に対し、どのように抗してゆくかを扱います。
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魔術から近代科学へ14 西欧にとって魔術は科学発展・侵略拡大に必要な観念だった。
前回記事:経済学の騙しの起点、スコラ哲学(トマス・アクィナス)
前回は「ドミニコ会の神学者トマス・アクィナスらスコラ哲学派が、「経済学の騙しの起点」であり、私利私欲の追求や利息を肯定し、その後の近代経済学の源流となったと紹介しました。
そのドミニコ会と対立していたフランチェスコ会は従来のキリスト教の教義を踏襲し、私利私欲や利息を禁じていました。
禁欲的で保守的な会派に見えますが、一方でフランチェスコ会の考え方は「自然と人間」or「神と人間」の関係を大きく変化させる重要な起点となっているようです。
今回は、フランチェスコ会の代表的な人物ロジャー・ベーコンを紹介しながら、どのように価値観の転換していったか考察したいと思います。
ロジャー・ベーコンは経験や実験観察を重視したので近代科学の先駆者と言われていますが、その実相はどんなものだったのでしょうか。
江戸時代の思想20 西洋の侵略圧力は縄文体質(受け入れ体質)では回避できなかった
画像はこちらからお借りしました。
前稿では、ペリー来航→開国以前に、富国強兵・脱亜入欧論が登場したことを述べ、海保青陵・本多利明・佐藤信淵の思想を紹介したが、彼らの中には、富国強兵論に止まらず、制度や文化、さらには文字に至るまで西洋の真似をすべしと唱える者が登場する。
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江戸時代の思想19 開国以前に登場した富国強兵・脱亜入欧論
(画像はこちらからお借りしました。)
18世紀中頃以降、『蘭学』が西洋から入ってきた辺りから、徐々に西洋からの外圧を意識し始める人物が現れ始めます。また、当時は飢饉が多発している時期でもあり、幕藩体制への危機感も高まっている状況でした。
こういった状況での農民の窮乏から『富国強兵論』が生み出され、『軍事的経世論』や『商業的経世論』が登場する。こうして、他国への侵略が始まっていく流れを今日はまとめていきます。
世界の運命は中央アジアが握る ロシア編①~領土拡大の歴史~
世界の主要大国として今日存在するロシア。
その国家戦略は今まで不明瞭な部分が多かった。しかし、ウラジミール・プーチンが首相に再選して依頼、上海協力機構への加盟やユーラシア連合創設、イランへの介入など、領土拡大と資源獲得を彷彿とさせる事象が多く見られるようになった。
これらの事象に関して、プーチンの真の意図はどこにあるのか?プーチンの背後には何が隠されているのか?また、ロシア国民はプーチンを支持してきたが、国民の意識として領土拡大や資源獲得を求めているのか?
このような点に注目しつつ、今回はロシアの領土拡大の歴史を確認していく。
なんでや劇場レポート 「力の原理から共認原理への大転換」その3~力の原理と私権原理(統合)の関係構造~
皆さ~ん、こ~んば~んは~っ! !
前回は人類の歴史から「同類闘争の緊張圧力⇒乾燥(→飢餓)を契機に略奪闘争勃発」という、私権自我の誕生の流れを見てきました。
これからの国力や市場について考えていくためにも、その原点を知るというのは、非常に重要なことでしたね:D
今回は、略奪闘争勃発までとその後の国家の形成に至るまでの、統合軸の変遷についてです。
拡大していく集団をどのようにして統合させてきたのでしょうか。