世界の運命は中央アジアが握る ロシア編まとめ② ~ロシア人の期待を背負ったプーチンが打ち出す経済破局後を見据えた『攻め』と『守り』の国家戦略~
■【世界の運命は中央アジアが握る!ロシア編】シリーズのこれまでの記事
①~領土拡大の歴史
②~ユーラシアを貫く交易路として、国際金融資本家の思惑が渦巻くロシア
③~ソ連を誕生させたロスチャイルド、そこに食い込み実権をにぎったロックフェラー
④~ソ連を崩壊させ、ロシア新興財閥を育てたロスチャイルド
⑤~ロシア最強のリーダー ウラジーミル プーチン とは何者か!?
⑥~プーチンは如何にして権力と覇権を手にしたか?
⑦~世界経済同時破局の引き金を引けるのは今やロシア・プーチンだけ。破局カードをちらつかせて理想の国家戦略の実現に向かう
番外編~ロシア・プーチンのエネルギー戦略。石油・天然ガスパイプラインの整備で経済破局に備え、破局後の覇権を狙う
前回のまとめ①では、金貸しの動力とは別に動いているように見えていたロシアも、実態は国際金融資本家にいいように使われた国の一つであり、国際金融資本家にとって、収奪の場であることが整理できた
そんな歴史を背景に国民の期待を背負ったプーチンが闘いに打って出るまでに至った意識や、プーチンが推し進める国家戦略に込められた思惑が見えてきた
⑤ロシア最強のリーダー“ウラジーミル=プーチン”とは何者か!?(リンク)
プーチンは、ごく普通の家で育ち、スパイを夢見る少年だった
それもテレビを見て、少年がヒーローに憧れるように。
そして、本当にその夢を叶えて、KGBの諜報員になり、冷戦の最前線である東ベルリンへ。
そこでは、自分の動きとは関係なく、世の中が大きく動いていくことを目の当たりにする。
「KGBでスパイ活動をしていても祖国は良くならない・・・ 」と思い、これをきっかけに政治家を志したのだろう。
30代後半からは、脅威のスピード出世。
1998ロシア政府がデフォルト宣言、ロシア金融危機を迎える。
プーチンは、FSB長官に任命されるところまで上りつめる。
そして、プーチンは、新興財閥の1人ベレゾフスキーに接近し、2000年ついに大統領になる。
政界に進出したプーチンは、更なる出世、権力の獲得には新興財閥の力が必要だということを知っていたのでしょう。だからこそ、わざわざ当時窮地に追い込まれていたベレゾフスキーに接近し、あたかも自分が傀儡大統領にふさわしい人物かのように振舞ったのは、さすが
新興財閥の力を借りて大統領に就任したプーチンは絶対的な権力を手に入れることに成功した。
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⑥プーチンは如何にして権力と覇権を手にしたか?(リンク)
FSB長官でしかなかったプーチンには権力は無い。
そこで、ロシア新興財閥のベレゾフスキーに取り入って首相、続いて大統領に就任する。
プーチンが大統領に就任して、まず実行したのが厳格な中央集権体制。
これにより地方首長の勝手な行動や汚職を抑え、大統領権限がすみずみまで及ぶような体制を確立した。続いてプーチンが手をつけたのが、自分に歯向かう新興財閥の排除である
プーチンが、新興財閥の中で初めに手中に収めたのはマスメディアであった
なぜなら、KGB時代から、諜報員として東西冷戦の最前線において情報戦を闘ってきたプーチンはマスメディアが国民に与える影響力の強さを良く知っていたからである。
この後、プーチンはメディア支配を強め新興財閥排除の動きをより強めていくことになる
マスメディアを使って、新興財閥の悪事を国民全体に知らしめ、新興財閥を排除すると共に、ロシア国民の支持を取り付けたのである。見事な作戦勝ちである
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そして、ロシアのマスコミ、ロシア国内の石油利権、KGBのスパイ網に加えて、力を発揮したのが石油・天然ガスのパイプライン網だった。このパイプラインがあることで、ヨーロッパ諸国はエネルギーの首根っこをつかまれた状態。。ロシアの強い影響を受けることになる。プーチンは、この力の基盤を利用して、欧米(ロスチャイルド財閥、ロックフェラー財閥)に対抗していくことになる。さらには、ロシアの石油の決済通貨をルーブル建てにする構想をプーチンは打ち出しており、エネルギー戦略を基盤に世界覇権を狙っていると考えられる
⑥’ロシア・プーチンのエネルギー戦略。石油・天然ガスパイプラインの整備で経済破局に備え、破局後の覇権を狙う(リンク)
ロシアは基本戦略を支える力の根幹である原油・天然ガスエネルギーを有効活用すべく、ユーラシア大陸内で西は欧州を網羅、東は極東までそのインフラを整備することに成功した。
これで、欧州におけるロシアの発言力は強まり、極東においては、中国を牽制するカードとして、パイプラインはその効果を発揮することになった。このように、国際関係の中で石油エネルギーという強いカードを持つ(それしかない)ロシアは、それを強化するパイプラインを様々な国に延ばす形で、その影響を強めていっている。
この先、おそらくロシアはユーラシア連合へ日本を含む極東地域を引き込むことも画策しており、最終的には世界各国を中東=米国から引き剥がそうとしているのであろう。
また、このパイプライン構想は、現時点でのロシアの影響力を向上させるのはもちろん、経済破局をどのように乗り越えるか?破局後、どういう体制を構築していくか?といった場面でも有効に機能するに違いない。経済破局を見据えるとすれば、その先にはエネルギーだけでなく、通貨をどうする?といった問題は必ず発生する。
現段階では、ロシア産石油をルーブル決済に切り替えて手を打つといった方法があるが、ロシアは今、ユーラシア連合の拡大を進めており、これが拡大していけば、同経済圏で原油を生産し、同じ通貨を使う体制が実現することになる。
考えてみれば、これは世界で初めてではないだろうか?
実際、アメリカは基軸通貨「ドル」を供給しているが、そのドルと連動している原油の主要生産国は中東である。そして、ここには国家的、地理的に大きな「ズレ」が生じている。米国はこの「ズレ」を修復する為、人材・財政支援・軍事等の莫大なコスト支払い、この体制を維持しなければならない。もし、このコストがなければアメリカの財政危機もここまで深刻にはならなかったはずである。
そこで、プーチンは、覇権国アメリカが持つ「通貨供給」と「エネルギー生産」の「ズレ」に目をつけ、この「ズレ」が無ければ、覇権体制を確立し、維持出来ると考えたのだろう。実際、ロシアなら自国で生産、ユーラシア連合域内での消費が可能になり、基軸通貨体制の維持に大きなコストはかからない。これが実現すれば、アメリカ覇権=ドル基軸通貨体制を崩壊させる決定打となる。
⑦世界経済同時破局の引き金を引けるのは今やロシア・プーチンだけ。破局カードをちらつかせて理想の国家戦略の実現に向かう(リンク)
国際金融資本家がロシアを裏で操り、ロシアを舞台に彼らの主導権争いが激化する中で、ロシア人は常に虐げられてきた。そんな歴史を背景に、そしてロシア人の根底にある国際金融資本化に対する「警戒心」「敵対心」「恨み」のような意識を基盤にして、人々の期待を受けてのし上がってきたのがプーチン。
ロシア人代表のようなプーチンが描いている国家戦略の将来像はどんなものか。
具体的には2軸の動きが見られる。
一つは、欧米の金貸し勢力に対抗する軍事同盟として「上海協力機構」への参加。
もう一つは、崩壊寸前のドル・ユーロに変わるルーブル基軸通貨体制を見据えたロシア主導の経済圏の実現となる「ユーラシア連合」の創設である。
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この「ユーラシア連合」を実現し、世界の覇権を握るには、石油取引の決済通貨をルーブルとし、世界的地位の拡大を推し進める必要がある。そのためにさらなる資源確保、新たな石油流通ルート=海路を確保するためにイランに近づいていたり、極東の日本を取り込むべく北方領土問題での駆け引きなどまめまめしく動いている。
こういった動きは『攻め』の動きと見ることもできるし、国土防衛という『守り』の動きとしても見ることができる。なぜなら、ドル・ユーロ暴落によって、製造国である中国に対する経済的ダメージは計り知れず、もしこれが現実となれば、中国からシベリアに今以上の大量の難民がやってくることになるからだ。シベリアの領土問題による対立をこの「上海協力機構」という軍事同盟によって乗り切り、国土を守りたいという想いなのだろう。
軍事的には中国と手を結びつつ、経済的には距離を置くという『攻め』と『守り』の国家戦略を着々と進めており、何時でも破局への引き金を引ける状態を作り出している。ただし、急激な転換=経済破局は石油の売り手を失うことにもなりかねないので、この破局カードをちらつかせながら有利な状況を生み出し、ゆるやかにユーラシア連合の実現を目指すというのが、基本戦略なのだろう。
そして、このユーラシア連合の鍵を握るのが、カザフスタン、キルギス、アフガニスタン、トルクメニスタンなどのスタン国家群やイランなどの中央アジア諸国である。
今後、この中央アジアをめぐって、ロシア、中国、アメリカ、ヨーロッパの対立がますます激化するはずである。
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コメント13件
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