新概念を学ぶ20~集団自我(私権)⇒力の原理という統合原理が、私権闘争を媒介にして自我を発現させた
「新概念を学ぶ18~自我の原点は個人自我ではなく集団自我(私権)」で述べた論点は、次の通りです。
真猿では、同類闘争(集団間の縄張り闘争)⇒集団自我(私権意識)⇒「縄張りを守るために敵を倒せ」といった他集団の否定意識が発現し、それによって真猿個体の否定意識も強くなる。その否定意識を媒介にして、周りから与えられた期待や評価を否定視した場合に評価(共認)捨象・自己陶酔の自我(回路)が形成される。こうして個体の他者否定・自己正当化の自我が形成される。
つまり、集団自我(自集団の縄張り意識=私権意識)が他集団の否定意識を生み出し、それが個体の否定意識⇒個人自我を生み出した。これが、自我の原点は個人自我ではなく集団自我(私権)ではないかという仮説である。
「新概念を学ぶ19~チンパンジーの力の原理とボノボの充足原理」では、この仮説を検証するために、チンパンジーとボノボの違いに焦点を当てた。
このチンパンジーとボノボの統合原理の違いが、「ボノボをセックス好きで平和を愛する種に進化させ」、「性の問題を力で解決するチンパンジーと、力に関わる問題をセックスで解決するボノボ」を分け隔てた。
このように、力の原理で集団を統合したチンパンジーは、その個体においても否定意識と自我が非常に強い(凶暴である)。それに対して、食糧が豊かで同類闘争が激しくないボノボは(性)充足原理で集団を統合し、個体の否定意識も自我も貧弱である(平和を愛する種である)
とすると、個体の自我を発現させるカギとなっているのは力の原理という統合原理なのではないか?という疑問が生まれる。
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日本銀行が負債を引き受けて国家を救う道はあるか?
現代の経済政策はあまりに複雑かつ専門的になり過ぎて、一般の人には非常にわかりにくいというのが実態です。そこで今日は、金融緩和などの政策の内実を日銀の財務諸表を中心に理解し、今後避けては通れない経済破局の際に、国家や市場経済の軟着陸のための役割、あるいは市場メカニズム大転換への橋渡し役が、日銀に可能かどうかを検証して行きたいと思います。
応援よろしくお願いします
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新概念を学ぶ19~チンパンジーの力の原理とボノボの充足原理
「ボノボ」見た目もDNAもチンパンジーとほとんど変わりません。
画像は「共同体社会と人類婚姻史」からお借りしました。
「新概念を学ぶ18~自我の原点は個人自我ではなく集団自我(私権)」で述べた論点は、次の通りです。
真猿では、同類闘争(集団間の縄張り闘争)⇒集団自我(私権意識)⇒「縄張りを守るために敵を倒せ」といった他集団の否定意識が発現し、それによって真猿個体の否定意識も強くなる。その否定意識を媒介にして、周りから与えられた期待や評価を否定視した場合に評価(共認)捨象・自己陶酔の自我(回路)が形成される。こうして個体の他者否定・自己正当化の自我が形成される。
つまり、集団自我(自集団の縄張り意識=私権意識)が他集団の否定意識を生み出し、それが個体の否定意識⇒個人自我を生み出した。これが、自我の原点は個人自我ではなく集団自我(私権)ではないかという仮説である。
今回は、この仮説を検証するために、チンパンジーとボノボの違いに焦点を当てる。
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自給期待と日本の近未来3 ~否定から実現へのパラダイム転換~
前回記事「不正選挙で大衆はお上を見限った」では、2012~13年の選挙結果によって大衆の意識が大きく転換し、「自給期待」(自分たちで生きる道を考える)が顕在化してきた流れをみてきました。
今回は、現在、大衆の中に生起し始めた自給期待は、人類史上どのような転換をもたらしているのか、かつての運動や意識潮流を振り返りながら見ていきます。
以下、当ブログ 不正選挙で顕在化した「お上を見限って自給期待」とは、否定から実現へのパラダイム転換より引用
一見すると、不正選挙より3・11原発事故の方が社会的影響は大きいはずである。
しかし、3・11では人々の行動は何も変わらなかった。これは、3・11では支配層に対する「おかしい」という不信(否定)に止まっており、その意味では受身の反応で、真に主体的な決断(行動)には至らなかったからである。
お上(現体制)に対する不信も反対を叫ぶことも、その出所は否定意識にすぎない。その否定意識の前提にあるのは体制への依存である。体制依存(お上頼み)を前提にした上で、「お上がしっかりやってくれない」から不信感を生むわけである。
しかし、いくら口で不信や反対を唱えても、肉体が体制依存のままでは行動が何も変わらないのも当然である。
否定意識(と自己正当化)とは近代を貫くパラダイムであり、そのパラダイムの檻に止まる限り、社会が変わらないのは当然の帰結である。実際、近代以降、とりわけ戦後の60年間、数多の反対運動が巻き起こったが社会は何も変わらなかった。
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新概念を学ぶ18~自我の原点は個人自我ではなく集団自我(私権)である
「チンパンジーの狩り」
画像はこちらからお借りしました。
「新概念を学ぶ16 共認回路と自我回路」で提起されたのは、次の3点である。
【1】自我の源泉は、共認の否定にあること。
【2】従って、自我を原点とする近代思想が共認を破壊するのは必然である。実際、近代思想によって導かれてきた現代社会は崩壊の危機に瀕している。
【3】人格の形成過程を見てもそれは共認の確立であり、自我ではなく共認こそ原点(意識の統合者)である。
ここで、自我がどのようにして登場したか?新しい仮説を提起する。
『るいネット』「新概念定義集」で自我は次のように定義されている。
みんなの共認によって(自分には)与えられなかった評価を、他者否定と自己正当化によって、己に都合の良い幻想に収束することで自己充足を得る機能。これは共認機能の派生物であるが、みんなの共認を破壊する共認の敵対物でもあり、謂わば、共認機能が生み出した鬼っ子ともいえる。
この定義からもつい、自我は個人と一体と考えがちであるが、自我の源泉は個人自我ではなく、集団自我なのではないか。
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自給期待と日本の近未来2~不正選挙で大衆はお上を見限った~
昨年末の衆院選そして今年の参院選で顕在化した「自給期待」(自分たちで生きる道を考える)という意識潮流がどのようにして顕在化したのかを明らかにしたいと思います。
過去を振り返ると、これまで日本人は「国家・社会をどうする?」という社会統合課題は、殆どお上(特権階級)に任せてきました。
『6/27なんでや劇場レポート「日本人はいつ物を考え出すのか?」(5)
日本人は物的な工夫思考は得意。身近な集団をどうする?ということも考える。ところが、社会的な思考力は貧弱で、「国家・社会をどうする?」ましてや「世界をどうする?」などはほとんど考えたことがない。
改めて、歴史的に振り返ってみると、
縄文→弥生の転換期には、大陸の敗者受け入れで何も考えず。
弥生→大和の転換期には、朝鮮半島からやってきた正規軍の圧倒的な力を見て、服属することに決定。
元寇や秀吉の朝鮮出兵では戦うという決断をしたが、黒船来航では始めは尊皇攘夷だった同じ人物たちが、西洋列強との力の差を知り、脱亜入欧へコロっと転換(脱亜入欧は西洋文明を取り入れただけで自分たちで物を考えたわけではない)。
そして、第二次世界大戦で敗北して、それ以来GHQ・アメリカに服属。
それが、『お上を見限る』までに至ったのはなぜでしょうか?
お上を見限るまでの大衆の意識を見てきたいと思います。
写真はこちらのサイトからお借りしました。(リンク)
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【情報戦】2.極限時代人類=全方位的全身全霊の外圧(情報)探索。
ご無沙汰です。お待たせしました。【情報戦】シリーズ第2回目は、初期人類当時まで歴史を遡り、この時代における情報の意味を捉え直してみようと思います。
前回 動物→サル編では、種間闘争から同類闘争への闘争外圧の変化に伴う、情報の意味を以下のよう捉え、結論づけました。
★動物からサルに進化したことで、生き残る為には、同類の微細で複雑な情報が必要となった。
★その情報を共認することで、集団が統合され、勝つことが出来た。共認されてはじめて価値を持つ情報が出てきた。
★更に言えば、哺乳類の時代、個体は生き残るために外の情報を受容しているだけでよかったのに対し、サルの時代になると、同類の情報を積極的に探索し発掘していくことになる。何故なら自集団の存続は他集団との闘争の結果決まるのであり、その他集団の情報をいかに早く正確に掴むかが、勝敗を決するからである。
★つまり情報の探索と収集は、集団全体の期待でもあって、集団動物である真猿がその役割を担うものをつくり出してもなんら不思議ではない。集団が生き残るために、集団の期待を受け、情報を探索収集する存在の登場が、動物の時代との決定的な違いである。
それでは今回のテーマ初期人類
初期人類のおかれた外圧状況を理解するところから。その時の情報にどのような意味があったのかを考えて見ます。
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米国債がデフォルトの危機。ハイパーインフレは起こるのか?
「マスコミの嘘を切り、新認識で時代を開く」シリーズの2回目として、米国債のデフォルトについて、扱います。
(画像はこちらよりお借りしました。)
そもそも皆さん、10月17日が米国債のデフォルトの危機にあるということをご存じですか?
10月17日は米国債の利払いの期限ですが、既に、法律で決まっている政府の借金枠の上限に達しており、債務上限の引き上げで合意しないと、米国債の利払いができず、デフォルトという前代未聞の事態に突入してしまうのです。
ご存じない方も多いかと思いますが、それもその筈、これに関する日本のマスコミによる大々的な報道はありません。
しかし、世界経済を大きく揺るがす危険性のある、重要な局面なのです。
今回は、現在の状況、本当にデフォルトは起こるのか、デフォルトによりどのようなことが起こりえる可能性があるのか、仮説を含めて紹介していきたいと思います。
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自給期待と日本の近未来1 ~プロローグ~
日本を襲う危機・暴走する統合階級
3.11の大震災と原発事故以来、日本は未曾有の危機に襲われています。事故から2年以上経っても、全く収束しないフクイチ。日本からの農作物を輸出禁止にする各国リンク、それを食べざるをえない日本人、徹底的に隠蔽する政府・マスコミ。汚染水etc東電の無責任体制。これだけの事故に法的責任を問わない検察・・・。
さらに、TPPや消費税にみられるように、金融資本や大企業に有利な仕組みばかりがつくられていきます。
しかし、日本を差配する統合階級(官僚・マスコミ・政治家・財界)は、抜本的な解決策を提示するどころか、マスコミを通じた隠蔽・ごまかし・先送りに終始、逆に自らの身分と支配体制を固めるための秘密保全法etc情報管理体制を構築しようとしており、庶民にとっては年々閉塞感と危機感が高まっています。
・・・・この、統合階級が何もできない状態、次いで暴走し始めた状態は、1990年代のバブル崩壊以降続いている危機の延長上とも言える状況です。
新概念を学ぶ17 サル時代の雌雄分化 ~集団が同類闘争に適応するために、メスは性収束した~
前回は、真猿が共認機能を獲得し、そこからどのようにして「自我」が生まれ、人類に至るまでの過程と問題性を明らかにしてきました。『自我ではなく、共認こそ原点』という画期的な認識が浮き彫りになりましたね。
引き続き今回は、同類闘争に適応するために集団を形成した真猿たちの変化(なかでもオス-メス関係の変化、メスの特質など)その構造を学んでいきます。
・・・現代の人類の男女関係を考察する上でも、大変参考になる内容です。