2009年06月12日
”This is China”
中国でビジネスを展開する場合のリスクを、あえて「チャイナリスク」というそうですが、
その生々しい事例がるいネットに載っていましたので、私自身の経験と併せ、紹介します。
以下、「中国で売るなら設計図を見せろ」より。
※引用元は、SAPIO 6月24日号に、組まれていた【中国経済の「恐ろしい話」】という特集だそうです。
中国はここに来て、外観だけを真似てきた従来の劣化コピー作りから脱却しようとしている。狙いは、製品の中枢を司る中身の先端技術だ。
「中国は、今度は国を挙げて、しかも合法的にIT(情報技術)関連の中核技術を集め、国内のIT関連企業に提供しようとしている」(北京の日系企業関係者)
今年4月、その動きを決定づける事態があった。中国政府が、外国企業が中国国内でIT関連商品を販売する際、ソフトウェアの設計図などの情報提供を義務付ける「強制認証制度」の導入を通告してきたのだ。
これまでも中国政府は、国内に輸入される製品や国内で販売される製品の一部については、検査機関が強制的に認証検査を行なってきた。認証が得られなければ、国内での生産や販売はもちろん、中国内に輸入することもできない。中国でビジネスをしようとする外国企業にとっては、非常に厳しい制度といえる。
しかし、今回の通告がこれまでと違うのは、「ITセキュリティー製品」を強制認証の対象に加えようとしてきたことだ。コンピュータへの不正侵入を防ぐソフトウェアやICチップの基本ソフトウェア(OS)、ICカードなど13品目が対象となっている。
「詳細は明らかになっていませんが、本音はソフトの設計図でもあるソースコードの開示を求めることと思われます。ソースコードはITセキュリティ製品の根幹であり、もっとも機密性の高い貴重な技術情報のノウハウ。これが強制開示を通じて中国企業に流出する可能性はゼロではない。各国政府も企業も猛反対しているのです」(経済産業省関係者)
まして、これまでも中国に技術を盗まれてきた日本側としては、絶対に認めるわけにはいかず、経産省からWTOへの提訴を検討する事態となった。今年4月に訪中した麻生太郎首相も、中国の温家宝首相との会談で直々に導入の見直しを迫っている。欧米政府も同様だ。さすがに中国政府もこうした声にあらがえず、強制認証の実施範囲を政府調達に限定し、今年5月1日からの実施時期を来年5月に延期すると伝えている。
(中略)
ただし、仮に導入撤廃に追い込んだとしても、安堵することはできない。中国に駐在するある日系コンサルティング関係者がいう。
「実は、中国政府の産業育成政策と技術流出は一体なのです。例えば、80年代後半から2000年代初頭にかけては、ハイテク産業育成がテーマになっていた。家電、自動車、鉄鋼などの重要分野の国際競争力を高めるために外資を呼び込んだ。そして、さまざまな方法で中国企業への技術移転が義務付けられたのですが、意図せざる技術の大量流出もはじまったのです」
中国への工場進出では、パートナーとなる中国企業の選択では政府が関与する。技術プロジェクトなどでは、企業が持っている関連技術の情報提供を求められる。
(中略)
重点項目を変えながら策定されてきたハイテク分野の産業育成、発展計画に基づいて、政府は外資の中国進出を促し、中国企業と組ませて技術の移転を進める。これを表の顔として、一方では、手段を選ばずに重要技術の流出を図ろうとする。
(中略)
「先進国の企業はいま、自社が持っている最先端技術という知的財産を守るために厳重なセキュリティ態勢敷いています。中国がもっとも苦慮しているのは、この最先端技術の情報の収集です。ITセキュリティの技術情報を明らかにさせれば、国内の情報産業の育成にも役立ち、ハッキングも可能になる。一石二鳥ということですよ」(大手情報機器メーカー幹部)
さらには、最近話題になった中国企業による自動車メーカー・ボルボ買収といった、企業まるごと買収の脅威まで出てきている。世界が100年に一度の大不況で弱りきったなか、先端技術を漁る中国。その姿は、まるで火事場泥棒にも映る。
メタンハイドレートの今
これまで、原子力発電のテーマを追ってきましたが、エネルギー問題の関連で、今回はメタンハイドレートについて切開してみたいと思います。
巷を騒がす燃える氷、新エネルギーとしての期待も高まっているようですが、本当の所はどうなのか?
次の4項目にて整理してみたいと思います。
1.新エネルギーとしての可能性と位置づけ
2.国策として、これまでの政策の流れと現状
3.MHを巡る企業の動き
4.世界の開発状況と開発の問題