2009年06月08日
『国際金融機関どうなる?』18.~金貸しは固定相場の元、世界経済を成長させ、変動相場で一気に刈り取る~
短期金融市場を中心とした金貸しの暴走による「マネー経済=バクチ経済」は、サブプライムローンを発端として終に金融危機を引き起こしました。そして二度と同じ事が起こらないよう、世界各国では新たな為替制度が模索されています。では、投機筋を大暴れさせる事を可能にした固定相場制、変動相場制とは何だったのか?何が問題だったのか?そこをもう一度確認して金貸しを規制するにはどうしたら良いのかを探ってみたいと思います。
固定相場制とは?
外国為替相場が固定もしくはごく小幅に限定されている制度の事で、IMFが設定した平価の上下1%以内に維持する管理相場の事を言う。またの名をぺッグ制(peg→釘止め)。(例:1ドル=360円)ユーロも固定相場制のひとつ。
固定相場制のメリット
・自国の通貨を、他国の価値の高い通貨に固定するので、物価が安定する。
・為替が安定するので、貿易経済の見通しが立て易い。
・実態以上に通貨の価値が高くなる為、安定した経済成長を見込める。新興国に多い。
・(金貸しにとっては)他国を早く成長させて、より多くの利益を回収出来る。
固定相場制のデメリット
・価値の高い通貨と固定する為、自国通貨の価値が実態とかけ離れてしまう。
・固定相場維持のために金利政策もその相手国に追随しなくてはならない。
・金利の上げ下げ等の金融政策が自由にやりにくいので、投機に狙われやすい。
※特に後進国のドル固定相場は、実態とかけ離れてしまう事で、必ず崩壊に至る。
変動相場制とは?
固定相場制のように通貨を一定比率に固定せず、為替レートの決定をマーケットの需要と供給に委ねる為、毎日秒単位で為替相場が動く制度。フロート制ともいう。
変動相場制のメリット
・経済力の実態が為替に反映されるので、随時自動調整がかかる。
・他国の経済状況に左右されにくいので、金利政策がやりやすい。
変動相場制のデメリット
・自国通貨の変動で物価も変動するので、物価が不安定になる。
・為替が不安定になる為、通貨切り下げ等が起きた場合、世界経済への影響が大きい。
・(金貸しにとっては)為替を動かすマネー経済で大金をせしめられる。
こうして見ると固定相場も変動相場も一長一短があり、どちらが良いという訳でも無さそう。しかも金貸しからすると固定相場でも変動相場でもどちらでも稼げる構造があるのです 😈
アメリカ没落後の世界⇒日本はどうする?③~米国債は暴落するか?
最後の問題である。米国債は暴落するか?
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