2010年02月20日

2010年代はどういう時代か?第2話~市場は絶体絶命の限界を向かえた

■なぜ1970年を境に借金が増えていったのか?        
■巨額の借金が市場に流れ込むと、経済はどのようなことになるのか?
リーマン・ブラザーズの倒産から始まった世界金融危機の影響で、平成21年度の一般会計税収が、約37兆円まで縮小した。また22年度予算は、民主党が「事業仕分け」等の努力をしても90兆円を超えることが確実視されています。なんとこの差額が50兆円以上もあります。
ところで1970年までは、税収と予算がほぼイコールであったようです。1970年を境にしてこの差額がどんどん大きくなっていき、ついに今日まで積もり積もった借金が900兆円にもなってしまった。
なぜこのように1970年を境に借金が増えて行ったのか、またこのような900兆円ものお金が市場に流れ込んだら、経済はどのようなことになるのかを見て行きたいと思います。
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潮流4:輸血経済(自由市場の終焉) 」より引用します

生存圧力が衰弱すると、私益追求の欠乏も力強さを失って徐々に衰弱してゆく。そして’70年、三種の神器が行き渡り、ほぼ豊かさが実現されると、物的充足が飽和限界に達したことによって需要が頭打ちとなり、市場は拡大を停止するしか無くなった。
需要の頭打ち(→市場縮小)に危機感を感じた財界、政界および学者、官僚、マスコミの者たち(以下、特権階級と呼ぶ)は、不足する需要を補うために、今日までに900兆もの資金を市場に流し込んできた。そして残されたのが、もはや返済不可能な国の借金である。(注:但し、金貸し=中央銀行から紙幣発行権を剥奪し、国家紙幣を発行する形に切り換えれば、忽ち国の借金はゼロになる。)
’70年以降の大本営が発表するGDPから、毎年市場に注入された国の借金(国債・地方債etcの借入金)によって作られた人工需要を引くと明らかなように、毎年のGDPはマイナス成長となる。つまり、自由市場は、豊かさが実現された’70年以降、縮小過程に入ったのである。現在の市場は、国家による資金注入という輸血装置によって生き延びている人工市場なのであって、決して自然な需要と供給に委ねられた自由市場なのではない。従って、当然、大きな歪みが発生してくる。
需要が飽和している所に、巨額なマネーを流し込んでも、市場は余分なマネーでジャブジャブになるだけである。しかし、いくらマネーでジャブジャブになっても、常に供給過剰・需要不足なのでインフレにはならない(=余分なマネーが吸収されない)。そこで、必然的に余分なマネーは土地や株式etc供給に限界のある投機商品に流れ込み、投機商品のハイパーインフレ=バブルを生み出す。こうして’85年以降、日本経済は世界の先頭を切って、バブルによってGDPを水膨れさせる偽りの経済=バブル経済に突入していった(続いて’90年以降、米欧はもちろん、新興の中露も巻き込んで世界中がバブル経済に突入してゆく)。
つまり、’85年以降、市場はバクチ経済の段階に突入したのである。

■市場は、ついに絶体絶命の限界を向かえた
’85年以降、バクチ経済に突入し、バブルが弾けた以降は、誰の目にも明らかなように国と市場はともに迷走状態に陥ってしまった。それではなんでバブルが崩壊すると国と市場は迷走状態に入るのかを見ていきます。
超国家・超市場論12 市場の拡大限界は、国家の統合限界でもある 」より引用します

市場は、社会を統合することが出来ないという決定的な統合限界を刻印されているだけではない。市場は、自分自身の内に絶対的な拡大限界をも孕んでいる。
市場は、生存圧力(実体的には貧困の圧力)に基づく私権闘争を圧力源=活力源にしている。従って、市場活動によって物的な豊かさが実現すれば(=貧困の圧力が消滅すれば)、必然的に市場は活力源を失って衰弱(=縮小)してゆく。そして、むしろこの矛盾と限界こそ、市場の現実に差し迫った絶体絶命の限界である。もし、国家(国債)による延命策がなければ、(バブル化もせず)市場はすんなり縮小過程に入った筈である。要するに、このまま市場を放置すれば市場は急速に縮小し、国家が延命策を施し続ければ国家が崩壊する。一体、どうすれば良いのか?
もともと国家は、私権闘争を圧力源=活力源とする、力の序列原理に貫かれたその統合体として形成された。しかし、生涯固定の身分制度の下では、私権拡大の可能性は封鎖されて終う。そこで、私権闘争の抜け道としての市場が形成され、繁殖してきた。そして今、その抜け道としての市場さえ活力を失って終った。
これは、明らかに私権闘争の終焉を意味する。そして、私権闘争が終焉したということは、私権闘争の止揚・統合体である国家の命運も、遂に尽きようとしているということに他ならない。実際、バブル期以降の国家の迷走ぶりは、すでに誰の目にも明らかである。
カギは、新たな活力源⇒圧力源の創出にある。貧困が消滅した’70年以降の30年間がそうであったように、今後更にそれを上回るスピードで私権の強制圧力が急速に衰弱してゆく以上、もはや人類は、生存圧力を背景とする私権闘争を圧力源=活力源として生きてゆくことは出来ない。
人類の命運は、次の新たな活力源⇒圧力源を自らの手で作り出せるか否かにかかっている。

1970年以降、市場に対して何も手を打たなければ、市場は必然的に縮小していく運命であったが、大多数の国民の支持をもとに国家(国債)による延命策がとられてきた。わが国では、実に40年間も延命策を取り続けた結果、市場の矛盾が誰の目にも明らかになった。また海外に目を向ければ、アメリカは三つ子の赤字が5,500兆円という想像を絶する借金を抱え、スペインは、最近失業率が17パーセントに達し、ギリシアは、政権交代で隠蔽していた財政赤字が明るみに出て、EU全体に激震が走った。
市場の絶体絶命の限界が、現実に差し迫ってきたと捉える事が出来ると思います。
次回は、私権の強制圧力が急速に衰弱してゆき、私権闘争を圧力源=活力源とする体制が、衰弱→崩壊していけば、人々の意識はどのようになって行くのかを見ていきます。

List    投稿者 toshi | 2010-02-20 | Posted in 未分類 | 3 Comments » 

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コメント3件

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 天皇継承問題が意味不明に浮上するその男系天皇とは古代ではたしてあったかということになるが、これが成立しても天皇の現存する世界最古の皇帝(king of king 王の中の王という名称は日本の君主以外は持っていない。準ずる称号としてバチカン法王というものがある。
 いずれにしても学術の劣化が否めない。今の学術は領域を切り刻んで細かくし、そこで数理やコンピュータを使って精密化しようとするのが実際であるが、切り刻む前の全体像へそれを還元できる学術思想家がいないのが悲しい。かつてはいて、国際的にも認められ、日本国内でも学士院(野球で言うと殿堂)入りされた方はあったのだが未だに英国系のゴシップ誌が論うほどの逆にすごいと思われる人物がいるが、ノーベル賞は与えられないだろう。それこそがロスチャイルドの学術制御戦略の最前線基地だからだ。

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