普天間基地移設問題の本質は何か?~日本政府が米軍を買収していた~
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沖縄の米軍普天間基地移設問題に関する議論が活発化している。
オバマ大統領は、早期決着を迫っているようだが、対する鳩山首相は、年明け以降の決着を臭わすなど、慎重な検討を続ける意向を示している。
そもそもこの普天間基地移設問題、1996(平成8)年に日米両政府が普天間基地について5~7年以内の全面返還で合意したが実現せず、その議論が今日まで続いているというもの。(詳しくはこちら)
この問題に関するマスコミの論調は、鳩山首相の移設問題再検討という姿勢に対し、日米安保条約が揺らぐことによる日米関係悪化を騒ぎ立てて、鳩山政権批判を強めている。(相変わらずの従米一辺倒だ)
しかし、この問題の本質は、マスコミが騒いでいるような日米安保条約という枠組みの中にはない。今回はその本質問題に踏み込んでみたい。
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そもそもなぜ沖縄に米軍基地が集中し、そして未だ存続し続けているのかというところに、この問題の出発点があるようだ。
これは、「以前米軍の占領下にあったから」とか「中国などを仮想敵国とする場合での地政学上の理由から」というふうに考えている人が多い。
しかし、実態は違うところにある。
以下「田中 宇2009年11月15日 日本の官僚支配と沖縄米軍 」 より引用
日米両政府は、1971年の沖縄返還直前、駆け込み的に日本本土の米軍海兵隊のほとんどを沖縄に移動させる戦略をとったが、この時から普天間飛行場は本格的に海兵隊の基地になった。日本本土では、ベトナム反戦運動の影響で各地の米軍基地で海兵隊など戦闘要員の駐留に反対が強まったので、日本政府は、沖縄が米軍の占領下にある間に、本土の海兵隊を沖縄に移駐してもらい、本土復帰時に「沖縄は米軍基地の島」という既成事実ができているように仕組んだ。
日本政府は、沖縄返還直前のタイミングで沖縄に海兵隊の基地を集中させた。それは、「沖縄は米軍基地の島」という既成事実があるかのように仕立て上げるためだったのだ。この時に、普天間基地は本格的な海兵隊の基地となった。
これは、日本国民からの米軍基地撤退要求に対する回避策であり、米国からの圧力を受け、日本に米軍基地を維持するための日本政府の策略であった。
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ところが、その後米国は、普天間基地の必要性が薄れ、むしろ撤退する方向で検討していたようである。
米軍は、各基地の施設や設備についての計画を、数年ごとに「マスタープラン」としてまとめている。
~中略~
これについて、沖縄の基地問題の専門家の間では「85年のマスタープラン草案は、普天間基地を閉鎖・返還する方向での施設計画だったのではないか」と推測されている。85年ごろ、海兵隊の司令官が地元の人々を招いて開いた宴会での挨拶で、普天間が危険な基地であることを認める異例の発言をしたことがあったという。
当時の時代背景を見ると、米国のレーガン政権は82年にソ連と戦略兵器削減交渉を開始し、86年にはレーガンとゴルバチョフがレイキャビクで会談し、冷戦終結に向けた話し合いが始まった。85年の段階で、米軍が冷戦終結を見越して、沖縄の基地を縮小する構想を持ち始め、一番危険な普天間基地の閉鎖・返還を考えたとしても不思議ではない。むしろ当然の話である。
一般的には、米国からの要請で沖縄に基地が存続しているかのように思われているが、実は米国はその逆で、特に普天間基地に関しては撤退を検討していたと言うのは驚きだ。
ここに、普天間基地移設問題の本質が隠されている。それは、
85年に米軍が普天間基地を閉鎖返還する計画を持っていたとしたら、なぜ91年の計画では再び恒久駐留の方針に戻ってしまったのかが疑問として残る。
ということだ。
そしてその答えは、なんと「日本政府が米軍を引き止めた」からなのだという。そして、日本政府は米軍を引き止めるために、膨大な額の資金を米軍に支援していたのだ。
日米地位協定を根拠に、日本政府が米軍駐留費の一部を負担する「思いやり予算」は70年代に、基地で働く日本人の福利厚生や給料の一部を日本政府が出すことから始まったが、90年代に入って日本政府は負担を急増させ、米軍施設の光熱費や、施設の移転にかかる費用まで日本が負担するようになった。思いやり予算は、冷戦終結前後の10年間で4倍になり、年間約2500億円前後にまで増えた(95年以降は微減傾向)。(思いやり予算 ウィキペディア)
米軍は、80年代に冷戦終結を見越して日本から撤退していく方向を模索したが、それを見た日本政府が「駐留費を負担してあげるから日本にいてください」と頼んだ疑いが濃い。日本は、米軍を「買収」して駐留を続けてもらっている観がある。
思いやり予算を出す前から、日本政府は、米軍基地用地の地代(賃料)や基地周辺住民への対策費も出しており、思いやり予算と合わせた総額は、85年に年間約3000億円だったのが95年には6000億円強へと倍増している(その後は微増傾向)。全部で4万人強の在日米軍は、一人当たり年間1000万円以上のお金を、日本政府からもらっている。こんなに金をくれるのだから、当然、米軍は喜んで日本に駐留し続ける。米軍が「次はもっと日本から金をふんだくってやろう」と思って高く吹っかける傾向になるのも自然な流れだ。(在日米軍関係経費の推移)
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さらに、この「思いやり予算」が頭打ちになると、日本政府は次々に買収策を打ち出している。それが「SACO」であり「グアム移転費負担」である。
日本政府の「思いやり予算」の額は95年ごろから横ばいとなったが、それに代わって日本から米軍への出費として増加したのが、95年に日米両政府で作ったSACO(沖縄に関する特別行動委員会)の関係予算である。日本政府はSACO事業に対し、1996年から昨年までの12年間に約3000億円を支出した。これも日本政府が米軍を引き留めておくための「買収工作」の一環に見える。(在日米軍関係経費の推移)
~中略~
▼グアム移転費負担が最新の買収策
日本政府による「米軍買収工作」のもう一つは「グアム移転」である。「米軍再編」の一環として、沖縄に約2万人いる海兵隊のうち8千人を米国領のグアム島に移転してもらい、その費用を日本が出す計画で、総額7000億円を予算と融資で出す予定だ。米軍再編とは、技術革新によって米軍の飛行機の航続距離が伸びた結果、海兵隊や空軍が、前線に近い沖縄ではなく米本土に近いグアム島やハワイにいても十分に力を発揮できるようになったことに象徴される、技術革新に伴う米軍の合理化、効率化、省力化の推進策である。2000年ごろから実施している。(こんなにある米軍再編関連経費負担の問題)
~中略~
重要なのは、米海兵隊のすべてが沖縄からグアムに移転するのではなく、一部がグアムに移るものの、残りの米軍は今後も沖縄に駐留し続ける点だ。米軍は、効率化を進めたいので早く沖縄からグアムに引っ込みたい。しかし日本政府は、今後もできるだけ長く米軍に日本(沖縄)に駐留し続けてほしいので、金を出して米国を買収し、沖縄からグアムへの移転をゆっくりやってもらっている。
信じられないような話だが、米軍が撤退しようとするのを、わざわざ日本政府がお金を出してまで引き止めているというのが実態のようだ。そして、それが普天間基地移設問題の本質なのだ。
なぜ、米軍を引き止める必要があるのか?引き止める必要があったのは誰なのか?
日本政府が米軍を買収していた理由は、実は、日米関係に関わる話ですらなくて、日本国内の政治関係に基づく話である。日本の官僚機構が、日本を支配するための戦略として「日本は対米従属を続けねばならない」と人々に思わせ、そのための象徴として、日本国内(沖縄)に米軍基地が必要だったのである。
対米従属による日本の国家戦略が形成されたのは、朝鮮戦争後である。1953年の朝鮮戦争停戦後、55年に保守合同で、米国の冷戦体制への協力を党是とした自民党が結成された。経済的には、日本企業が米国から技術を供与されて工業製品を製造し、その輸出先として米国市場が用意されるという経済的な対米従属構造が作られた。財界も対米従属を歓迎した。日本の官僚機構は、これらの日本の対米従属戦略を運営する事務方として機能した。
この政財官の対米従属構造が壊れかけたのが70年代で、多極主義のニクソン政権が中国との関係改善を模索し、日本では自民党の田中角栄首相がニクソンの意を受けて日中友好に乗り出した。その後の米政界は、多極派と冷戦派(米英中心主義)との暗闘となり、外務省など日本の官僚機構は、日本の対米従属戦略を維持するため冷戦派の片棒を担ぎ、米国の冷戦派が用意したロッキード事件を拡大し、田中角栄を政治的に殺した。
田中角栄の追放後、自民党は対米従属の冷戦党に戻ったが、外務省など官僚機構は「対米従属をやめようと思うと、角さんみたいに米国に潰されますよ」と言って自民党の政治家を恫喝できるようになった。官僚機構は、日本に対米従属の形をとらせている限り、自民党を恫喝して日本を支配し続けられるようになり、外務省などは対米従属を続けることが最重要課題(省益)となった。
日本において「米国をどう見るか」という分析権限は外務省が握っている。日本の大学の国際政治の学者には、外務省の息がかかった人物が配置される傾向だ。外務省の解説どおりに記事を書かない記者は外されていく。外務省傘下の人々は「米国は怖い。米国に逆らったら日本はまた破滅だ」「対米従属を続ける限り、日本は安泰だ」「日本独力では、中国や北朝鮮の脅威に対応できない」などという歪曲分析を日本人に信じさせた。米国が日本に対して何を望んでいるかは、すべて外務省を通じて日本側に伝えられ「通訳」をつとめる外務省は、自分たちに都合のいい米国像を日本人に見せることで、日本の国家戦略を操作した。「虎の威を借る狐」の戦略である。
80年代以降、隠れ多極主義的な傾向を持つ米国側が、日米経済摩擦を引き起こし、日本の製造業を代表して米国と戦わざるを得なくなった通産省(経産省)や、農産物輸入の圧力をかけられて迷惑した農水省などは、日本が対米従属戦略をとり続けることに疑問を呈するようになった。だが外務省は大蔵省(財務省)を巻き込んで、方針転換を許さず、冷戦後も時代遅れの対米従属戦略にしがみつき、巨額の思いやり予算で米軍を買収して日本駐留を続けさせ、自民党を恫喝し続け、官僚支配を維持した。
官僚機構は、ブリーフィングや情報リークによってマスコミ報道を動かし、国民の善悪観を操作するプロパガンダ機能を握っている。冷戦が終わり、米国のテロ戦争も破綻して、明らかに日本の対米従属が日本の国益に合っていない状態になっているにもかかわらず、日本のマスコミは対米従属をやめたら日本が破滅するかのような価値観で貫かれ、日本人の多くがその非現実的な価値観に染まってしまっている。
~中略~
ニクソンは沖縄を日本に返還し、日本の自立をうながしたが、日本の官僚機構は逆に、これを米軍基地の存続のために使った。米軍基地の存在は日本人の反米感情が高めかねないので、日本の中でも本土(やまと)と異なる文化を持つ沖縄に、復帰直前のタイミングで米軍の戦闘要員を移転してもらい、基地を本土から遠ざけ、本土の日本人に対米従属を意識させないようにした。「基地は沖縄だけの問題だ」という固定観念が作られた。
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米軍を沖縄に引き止めていたのは、外務省を中心とする官僚機構だったのだ。しかもその目的は防衛戦略などではなく、対米従属路線を続けることで米国の威を借り、官僚支配体制を確立することにあった。その象徴として、沖縄に米軍基地が必要だったのだ。
政治家やマスコミを巻き込んで現在の日本の対米従属路線を作った中心的存在が、上記官僚機構だったということだ。
まさに特権階級の暴走そのものである。
るいネット「特権階級の自家中毒」より引用
彼らは社会に出てからも、ひたすら既存の制度の枠組みの中で走り続けることになるが、もはやそこでは、既存制度によって与えれた特権の維持と行使という目的以外の目的意識など生まれようがない。
かくして、団塊世代がトップor幹部に就いた’00年以降、彼ら特権階級は、ひたすら与えられた特権を行使し、次第に「社会を動かし」「世論を動かし」ているという支配の快感に溺れてゆくようになって終った。
これは、権力の自家中毒であるが、恐ろしいことにその病癖は麻薬中毒よりももっと酷い結果をもたらすことになる。
民主党は、この官僚支配体制を解体し、日本を官僚主導から政治主導に戻そうと奮闘しているようだ(その先に対米従属からの脱却が見えてくる)。鳩山首相が普天間基地移設問題に慎重なのも、それがあってのことだろう。
しかし、社会を動かすのは民主党を始めとする政治家だけではない。民意がそれを大きく後押しする。
だからこそ、このようなマスコミからは絶対に出てこない本当の事実を追求、発掘し、みなに広く発信していくことには大きな意味があるのだ。
特権階級支配を撥ね返した大衆の共認闘争の勝利
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コメント7件
kyupibekamu | 2010.06.21 14:33
いいじゃんさん、
コメント有難うございます。
マスコミ無視→マスコミに対する無圧力→マスコミは好き放題→マスコミ無視→・・・の流れ
そうですよね、我々が無視すればするほどマスコミはやりたい放題に出来る。
一方でその情報を知らぬ間に、我々は受け取ってしまい。
何の監視圧力をマスコミに与えられない。という矛盾・・・。
事実追求⇔発信の場が今後どんどん求められます。
自民党を擁護する理由 | 2010.06.21 20:14
動画サイトを使って民主党の中傷番組をしている団体や名のある保守支持の評論家は与党自民党から機密費をもらっていました
山際澄夫・産経・読売はかなりもらっています
これは大問題です
素 | 2010.06.22 16:49
善意の仮面を被った宗教グループが、何の罪も無い元会員を、卑劣な手段を使って、
密かに、闇に葬り去ろうとしているのです。
下記の、掲示板(67番~103番、121番、125番)を、ご覧下さい。
http://wm-giron.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6239310
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マスコミ無視→マスコミに対する無圧力→マスコミは好き放題→マスコミ無視→・・・の流れに衝撃です(≧o≦)
これからもブログ等、自分たちでマスコミに代わる事実追求⇔発信の場に参加していきたいです☆