2007年10月29日

イスラエル・ロビーとその背後

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根強く米政界に強い影響力を持つ、イスラエル・ロビー。
大統領選に出馬するにも、彼らの圧力を無視することはできない。
政治家へ資金を提供をし、マスコミを牛耳り、言うことを聞かない政治家には「反ユダヤ」とレッテルを張り圧力を掛ける。そして、アメリカの金はイスラエルへと流れていく。その多くは、日本から略奪同然に奪ったものであろう。
このイスラエル・ロビーとは、何か?そして、彼らの目的とは、何か?
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以下「イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策Ⅰ」(イスラエル・ロビーとは何か?)
ジョン・J・ミアシャイマー、スティーヴン・M・ウォルト著、副島隆彦訳より、抜粋要約。
●イスラエルロビーと米国ユダヤ人社会

イスラエルロビーの大部分はユダヤ系米国人によって構成されている。彼らは米国の外交政策が「イスラエルの利益であると彼らが考えるもの」を確実に推し進めるべく懸命に取り組んでいる。
イスラエルロビーとは米国ユダヤ人社会と同義語ではない。
その一つの理由は、ユダヤ系米国人の間には、イスラエルへの思い入れには多いな温度差があるからだ。実際、ユダヤ系米国人の三分の一はイスラエルをとくに最重要課題であると認めていない。
二つ目に、イスラエルに大きな関心を寄せている多数のユダヤ系米国人は、イスラエルロビーの最有力団体が承認した諸政策を支持していない。
最後の理由は、キリスト教シオニストのような、イスラエルのためにとくに声高な主張をしているいくつかの個人とグループはユダヤ人ではないことだ。

●イスラエル・ロビーが力をつけた経緯

1948年のイスラエル建国後、米国を離れイスラエルに移住することを選んだのは、比較的少数のユダヤ人だった。一方では、ユダヤ教と同じ重みをイスラエルに置くことは、ユダヤ教への関心の低下を防ぐうまい方法だった。8000マイル離れた世俗の国家の上に、自らのユダヤ的なるものを集中させるのだ。
その頃、新しいタイプのユダヤ人専門家達が郊外に出現した。彼らはすぐに「自分達の支持者の間に宗教的無関心が広がりつつある状況に対して、最も効果的に対処する方法はイスラエルである」ことを発見した。まず第一にイスラエルが財政的政治的支援を非常に必要としていることに応えて、新しい団体が生まれた。そして、募金集めとロビーイングが、次第にユダヤ系米国人のイスラエルとの関係の性格を決めていった。
主要団体としては、
AIPAC、ZOA、IPF、ADL、AFSI
AIPACのようなグループが現在手にしている影響力は、一夜にして生まれたものではない。草創期には陰で静かに行われる傾向があった。彼らのルールの第一は「法律の後ろに身を隠せ(つまり、目立つな)」だった。そして、1960年代その力は増していく。理由は、米国のユダヤ人の豊かさと影響力が増したから。イスラエルロビーの規模、財力、影響力は67年の第3次中東戦争(6日間戦争)以降著しく大ききなった。

●右傾化するイスラエルロビーとその背後にいる富裕な保守派

ほとんどのユダヤ人系米国人は長い間自由主義の理念を支持し、また民主党を支持してきた。
それにも関わらず、イスラエルロビーのいくつかの最重要グループ(AIPAC、CPMAJO等)は次第に保守的になっている。そして現在では、強硬派によって主導されている。この強硬派は、彼らとよく似たイスラエルのタカ派の立場を支持している。
6日間戦争とその後の余波で、シオニスト強硬派、ユダヤ教正当派、そしてネオコン仲間から、その数とは不釣り合いに集められた、新しいユダヤ人のグループがひときは重要になった。その怒りは非常に強かった。そのため、残りのユダヤ人社会は、新しいユダヤ人を敬して援護し、彼らが主導権を握るにまかせた。こうして少数派が大衆に向かって語りかけることや、ユダヤ人の政治的な声を牛耳ることが許された。
(J・Jゴールドバーグ「ユダヤ人の力」)
これは、以下によって強められた。
・ネオ・コンサーバティブ運動の発生と拡大
・リクード党が、主要な親イスラエル団体内部に強硬な支持基盤を育み、強化することに成功した。
この右傾化への転換は、イスラエルロビーの内の、いくつかの最重要組織の意志決定方法を反映したものだ。それにAIPACのような組織を次第に支配しつつある、少数の富裕な保守派の影響力が増大していることを反映している
イスラエルロビーの右傾化の理由として、より極端な見解の持ち主がロビーの主要団体を援護し、支配する傾向があることがあげられる。

少数の富裕な保守派・より極端な見解の持ち主とは、軍産複合体のドンであるデビット・ロックフェラーと、そのもとで動くチェイニー、ブッシュであろう。
実は、イスラエル・ロビーの活動は、イスラエルためになっていない。
イスラエル政府は、アメリカがイラクから撤退する前に、周辺のパレスチナやアラブ諸国と和解したい。しかし、それを巧みに阻止しているのがチェイニーとブッシュ、右傾化したイスラエル・ロビー等のシオニスト右派。(田中宇の国際ニュース解説 参照)
そして、大量の金をアメリカからイスラエルへ流す。驚くことに、ドルが安い時はユーロに替えてでもである。
米英覇権が弱まってきた現在でも、軍産複合体(デビット他)と右傾化したイスラエル・ロビーにとって、どうすれば、戦争を維持し、武器が売れるか?が中心課題であり、イスラエル本国やシオニズムはそのための道具でしかないのではないか。
間接的であるにしても、いつまで日本は、これを支持するのか?

List    投稿者 yooten | 2007-10-29 | Posted in 未分類 | 5 Comments » 

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コメント5件

 Hiroshi | 2007.12.28 12:56

 最近の動きを見ているとどうも、日本の防衛省と軍事産業もアメリカの軍産複合体の下に組み込まれてしまった感がある。         

 maeyan | 2007.12.29 18:41

確かに、日本もほぼ組み込まれてしまったんですかねぇ。
その一方で、ここ一連の汚職追及の流れが治まらないのは、ブッシュ政権の失墜と関係しているんでしょうか?

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