対中国重視を明確に打ち出したヒラリー次期大統領候補

来年11月の次期米大統領選挙に向け、民主党、ヒラリー・クリントン上院議員がリードを広げ独走態勢に入りつつありますが、最近ヒラリー議員が外交雑誌に発表した論文から、対日政策の姿勢をみることができます。
株式日記より引用します。
「続き」を読む前にクリックお願いします。
日米関係を無視したヒラリー候補の外交政策 中国こそ最重要だと強調 10月18日 古森義久より
アメリカ大統領選挙戦で民主党側のフロント・ランナー(先頭走者)となったヒラリー・クリントン上院議員が、大統領になったら、こういう外交政策を推進しますという意味の論文を外交雑誌に発表しました。
「21世紀の安全保障と機会」というタイトルの論文です。
大統領への展望を踏まえての外交政策発表ですから、当然、グローバルな視点からアメリカの対外政策のあり方を広範に論じています。
この種の包括的な論文を「では日本に対してはどうなのか」という角度だけからみることの偏りの危険は当然、あるでしょう。
だが、それでもなお日本側としては、ヒラリー女史の対日政策がどうなのかをみることは怠れません。アメリカにとって日本は超重要な同盟国のはずです。他の大統領候補も外交政策を語るなかでは、必ず日本との関係、日本との同盟を一つの主要案件として位置づけ、正面から論じています。
しかしこのヒラリー論文を読んで、びっくりしました。日本への正面からの言及がないのです。日米関係や日米同盟について、なにもないのです。日米関係はこの論文では無視されているのです。
他の問題が多々あるから、とか、日本が重要なことは言を待たないから、とか、あれこれ、口実はあるでしょう。
しかし私もアメリカの大統領選キャンペーンは何度もみて、多数の候補の政見も聞き、その外交政策にも耳を傾けてきましたが、日本をこれほどみごとに無視した政見発表はまずみた記憶がありません。
そもそもこの論文では「Japan」はただの二度しか出てきません。その二度とも、日米関係とか日米同盟という文脈ではなく、他の諸国、他の問題といっしょになった記述のなかに、ほんのつけたしとして、出てくるだけなのです。
さてその「日本」についてみましょう。
ヒラリー論文はほぼ終わりの部分で「同盟を強化する」という項を設け、まずヨーロッパとの関係の重要性を説きます。フランス、ドイツ、イギリスの新世代のリーダーたちに手を差し伸べ、米欧の関係を強化しよう、と述べています。
その次にアジアについて以下のように述べます。
「アジアでは、インドが発展するパワーとしても、また世界で最も人口の多い民主主義国家としても、特別な重要性を有する。私は上院のインド議員連盟の委員長として、インドの台頭によって供されるすばらしい機会と、地域的機関や国連のような国際的機関でインドに拡大された発言を促す必要性とを認識してきた。われわれは、オーストラリア、インド、日本、そしてアメリカが対テロ闘争、グローバルな気候管理、グローバルなエネルギー供給の保護、グローバルは経済開発の深化などを含む相互に懸念を抱く諸問題に関して、協力をするための、さらなる方法を見出さねばならない」
日本は上記のように出てくるだけなのです。
そもそもヒラリー女史がアジアの部分で真っ先に名をあげるインドはアメリカの同盟国ではありません。それでも彼女がインドの重要性を力説するのは、上院議員としての地元のニューヨーク州には合計30万ともいわれるインド系米人が住んでいることが最大の理由だといえましょう。
ヒラリー女史はそのほかにもう一度だけ「日本」の名を出します。中国とアメリカとのきずなの意義を説く際に、これまたほんのつけたしとして出てくるだけなのです。
その部分につながる「対中関係の最重視」の部分を紹介しましょう。
「われわれと中国との関係は今世紀の世界において最も重要な二国間関係である。アメリカと中国は非常に異なる価値観と政治システムを有しており、貿易から人権、宗教の自由、労働慣行、チベットまで、意見が根本から異なることは多いのだが、なお米中両国が歩調を合わせて達成できること、達成せねばならないことは多々ある。中国の支援は北朝鮮の核関連施設を無能力化する合意の成立に重要だった。われわれはこの枠組みを北東アジア安全保障の組織体の確立への構築していくべきだ」
中国との関係がアメリカにとっては21世紀の全世界で最重要だと明言するのです。そして「日本」がその中国のつけたしとして登場します。
(~中略)
日本が中国やアメリカと共同のエネルギー開発のような作業を地元の東アジアで始めれば、いかにも日本こそが金銭的な貢献をとくにしたい、ということになるでしょう。
要するに「日本」はここでも末端での役割しか演じていません。
以上がヒラリー論文の日本やアジアに冠する最大量の紹介です。
日本は無視、といっても、そう外れてはいないのです。
(私のコメント)より
日本にとっては中国はすぐ隣の国で歴史的交流も長い。だから中国という国や国民性もよく分かっている。それに対してアメリカと中国の関係は、本格的交流は78年からの改革解放以来でアメリカ人は中国の事をよく分かっていないのだ。だから幻想的な中国イメージだけが先行している。しかし実際に利害が衝突し始めれば米中関係は決して楽観は出来ない。
来年は北京オリンピックが開催されますが、中国はこのような国際的行事をはじめて行ないますが、中国にとってイメージアップになるのだろうか? アメリカ大統領候補を金で買収工作してしまうくらいの国だから決して品行方正とはいえない。天安門事件から17年が過ぎていますが、オリンピックの機会を狙って暴動が起きるかもしれない。天安門事件もゴルバチョフが中国訪問する機会を狙って起こされた。
このような政治的不安定さと、中国のナショナリズムが反米に向かった時に、米民主党やヒラリ-次期大統領はどのように対処するのだろうか? 国際金融資本も中国に莫大な経済的投資を行なったが、はたして最後まで上手く行くとは思えない。他のアジア諸国に対したように債権を回収しようとしても、中国は軍事的大国になりつつあるので軍事力で回収しようとしても上手くいかない。
以前このブログでも紹介しましたが、いよいよジャパンナッシングへの道が現実のものとなってきました。
中国重視日本軽視の姿勢は民主党の伝統ですが、今回の明らかな、対中、対インド重視の姿勢は何を意味しているのでしょうか。近未来のアジア市場、軍事戦略を意識してのことだと思われますが、このまま日本が傍観し続ければ、日本は金だけ出して一切の口出しは許さないという状況に追い込まれていくことは明らかでしょう。
先日、アメリカからまた、詳細な年次改革要望書が出されましたが、これを機会にノーを突き付けるなどの明確な戦略を持って臨まなければ、更に従米属国化がすすみ、国益が損なわれていくという結果が待っているだけだと思います。
皆さんの意見を聞かせて下さい。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2007/10/490.html/trackback
コメント2件
xbax Jewellery | 2014.03.13 10:11
日本を守るのに右も左もない | 第一次大戦以来、人類の歴史の隠された中心は、「イギリスの国家戦略の発展型である米英中心主義」VS「資本主義の政治理念である多極主義」の相克・暗闘であり、それが数々の戦争の背景にある。

hermes ties clearance 日本を守るのに右も左もない | 第一次大戦以来、人類の歴史の隠された中心は、「イギリスの国家戦略の発展型である米英中心主義」VS「資本主義の政治理念である多極主義」の相克・暗闘であり、それが数々の戦争の背景にある。