2007年10月20日

世界中が憧れる日本の「国民皆保険制度」!

41W0b1yR%252BPL._SS500_.jpg
10月13日に「日本でも「無保険者」が今後激増する!!」というタイトルで、京都大学名誉教授 本山美彦著の『姿なき占領ーアメリカの「対日洗脳工作」が完了する日』ビジネス社発行を紹介しましたが、今日もその続きを紹介したいと思います 😮 今回はラストです
今日はタイトルのように「世界中が憧れる日本の「国民皆保険制度」」についてです。
まずはクリックお願いします
ninkiburogu.gif

にほんブログ村 政治ブログへ

実は日本の「国民皆保険制度」を、世界各国が採用しようと努力している。しかし、例えば米国では、「米国医療保険協会」などの業界団体による強力な反対運動に遭って、皆保険への試みが挫折しているのである。

日本、カナダ、英国は、公的医療保険が定着している。米国では、国民の16%が無保険者であるのに、日本は無保険者がほぼゼロ、カナダも同じである。しかも2005年時点で日本の医療費支出は、対GDP比で先進国中最も低く、約8%であった。カナダのそれは約9%である。それに対して米国は約15%。1970年の段階では、カナダは約7%だったが、このとき米国は何とカナダと同じ水準だった。

1人当りの年間医療費支出額(平均)は、米国が日本に比べて格段に大きい。2001年の統計によれば、日本のそれは2131ドルなのに対して、米国は5021ドルと倍以上である。しかも、この少ない医療費で日本人の平均寿命は世界一。最も負担の重い米国が、最も寿命が短い。公的負担が日本では大きいと思われがちだが、実際にはそうではない。日本の医療費で公的な資金が費やされるのは690ドル、米国は2306ドルと日本の3.5倍もある。

もうお分かりだろう。こうした数値のどこを見ても、医療保険の民営化論議が、日本内部から起こる必然性など全くないのだ。米国の保険業界がそれを望み、米国の関連業界の意を呈して日本政府や財界人が動くという、「外資保険植民地」と化した国になってしまったのが、現在の日本である。

米国の企業には「リーガシー(レガシー)・コスト」という言葉がある。この言葉は、企業が従業員だけでなく、退職者、その家族に対して支払う諸々の金額を指す。それは主として医療保険負担である。これは労働組合と交わした労使協定である。この金額の大きさが米国企業の経営を圧迫していると言われている。特に経営不振に陥り、自社が発行する債券の格付けを、ジャンク・ボンド(ぼろくず債権)と「スタンダード&プアーズ」(S&P)から押された「ゼネラル・モーターズ」(GM)のリーガシー・コストは巨額だ。

GMは企業として米国最大の保険金支払い会社である。現・元従業員とその家族に対して。110万人の保険料を支払っている。2005年には56億ドルを支払った。その額は、生産した車の台数で割れば、1台当り1500ドルにもなる。

従業員に対して支出する医療保険などは、「ベネフィット」(給与に参入しない福利厚生のこと)と呼ばれ、第2次世界大戦中の人手不足から、企業が支払う給与の高騰を防ぐために、給与以外の福利厚生費の支出で労働者を引きつけようとした政府の指導から生まれたものだ。

医療保険費の高騰に悲鳴を上げるGMは、公的医療保険が効率的に機能しているカナダや英国、日本に工場移転を考えている。公的医療保険を定められた額さえ自治体に払えばよいので、いちいち労働組合と交渉しなくてもよいし、そもそも支払額が少ないので、公的医療保険のある外国に移転しようという理由である。米国の企業は、できれば米国にも日本のような公的医療保険を作りたいと願っているのだ。

クリントン政権時代、日本を見習って国民皆保険制度を作ろうという試みがあったが、「米国医療保険協会」が執拗に反対運動を起こした。1500万ドルの巨額を投じて、政府が保険をコントロールすることの恐怖を国民に訴えるCMをテレビで流したのだ。

各国が皆保険制度を作ろうとしているときに、日本ではその機能を著しく低下させて、民間保険を大きくしようとしている。このことが近い将来、どういう事態を招くか、結果を待つまでもない。

全てにおいて、「皆のため」という視点がない。普通に考えれば、人間としておかしいと思われることが、米国では成立しており、更にそれを他国に広めようとしているのだ。自己中度合いが完全に麻痺している。
日本政府の上層部がこの麻痺に感染している現在の状況。打開するには、やはり万人の反対の声を広めていくしかないと思う。

List    投稿者 silkroad | 2007-10-20 | Posted in 未分類 | 1 Comment » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2007/10/482.html/trackback


コメント1件

 norio | 2007.12.22 20:04

世界の軍事費の変遷を調査してみました。
下記の表の構成:
   実質国防支出 GDPに占める国防費の割合 一人当たりの国防費
順位   国名
1 アメリカ合衆国
    2001年   3223億6500万ドル  3.2%   1128ドル
    2000年   3041億3600万ドル  3.1%   1078ドル
    1985年   3902億9000万ドル  6.5%   1631ドル
2 ロシア連邦
    2001年   636億8400万ドル  4.3%   440ドル
    2000年   520億ドル     4.3%   358ドル
    1985年   3647億1500万ドル  16.1%   1308ドル
3 中国
    2001年   460億4900万ドル   4.0%   36ドル
    2000年   420億ドル      3.9%   33ドル
    1985年   300億900万ドル    7.9%   29ドル
4 日本
    2001年   395億1300万ドル   1.0%   310ドル
    2000年   453億1600万ドル   1.0%   357ドル
    1985年   324億9100万ドル   1.0%   269ドル
5 イギリス
    2001年   347億1400万ドル   2.5%   583ドル
    2000年   356億5500万ドル   2.5%   601ドル
    1985年   481億9600万ドル   5.2%   852ドル
 冷戦が終わって世界の軍事費が減少していることがわかります。アメリカの軍産複合体の力が冷戦後落ちてきたと言われていましたが、その通りのデータとなっています。
 しかし、2007年のアメリカの軍事予算は4953億ドルだそうです。アメリカの軍事予算は世界の軍事費の49.4%を占めていることになります。なんと1985年の3902億9000万ドルをはるかに越えているのです。
また2007.12.20の日経ネットによると、
<引用開始>米下院本会議は19日夜、イラク戦争を含む今年度の「対テロ戦費」として約700億ドルの支出を承認した。イラク駐留米軍の撤退期限は盛り込まなかった。下院は対テロ戦費を含む総額5500億ドルの今年度包括歳出法案を可決。同法案は上院を通過済みで、大統領が近く署名して成立する。対テロ戦費は大統領の要求がほぼ通った。イラクの治安が改善の兆しを見せ、「増派は成功」との意見が民主党内でも強まり承認された。<引用終了>
イラン・イラク戦争はアメリカの軍産複合体の巻き返しに相当貢献しているようです。  
 

Comment



Comment