2011年09月08日
民主主義の全否定3~民主主義とファシズムは同じ穴のムジナである
2011年9月9日の記事「民主主義の全否定2~この国は電力会社に丸ごと買収されていた」は、次のように結んでいる。
金貸し(東電のような大企業)→官僚・学者に金が流れ、世論が原子力推進一色に染まり、学校では子供たちが原発のすばらしさを教え込まれ、『何故原発を批判する人がいるのか信じられません』と作文に書くほどになる。そして、政治家は右も左も原発推進一色になり、電源三法などの様々な原発推進法案が議会で可決されていく。
まさしく原発は、金貸しが官僚と学者を使って国民を洗脳し、議会は金貸しの暴走行為にお墨付きを与えてきただけという典型的な事例と言える。これが民主主義国家日本の実態であり、民主主義を全否定する必要性を明確に示している。
物理学・科学史の研究者である山本義隆氏はその著『福島の原発事故をめぐって~いくつか学び考えたこと~』(みすず書房)において、この状況を「原発ファシズム」と断罪している。
税金をもちいた多額の交付金によって地方議会を切り崩し、地方自治体を財政的に原発に反対できない状態に追いやり、優遇されている電力会社は、他の企業では考えられないような潤沢な宣伝費用を投入することで大マスコミを抱き込み、頻繁に生じている小規模な事故や不具合の発覚を隠蔽して安全宣言を繰りかえし、寄付講座という形でのボス教授の支配の続く大学研究室をまるごと買収し、こうして、地元やマスコミや学界から批判者を排除し翼賛体制を作りあげていったやり方は、原発ファシズムともいうべき様相を呈している。
民主国家日本において、民主主義制度に基づいて原発ファシズムが出来上がったわけである。
「民主主義(善)VSとファシズム(悪)」という図式で、両者は対立するものであるかのように喧伝されるが、それは本当なのだろうか?
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