年次改革要望書~医療機器・医薬品~2
1の続きで~す。
まずはクリックお願いします
☆2004年
日本は、ひっ迫する財政と急速な高齢化に対応するため、医療制度の改革を引き続き推し進めている。注目すべきは、日本における平均的高齢者の医療費は65歳以下のそれに比べて5倍以上で、それが過去10年間に渡り高齢者医療費を年率8パーセント押し上げている。医療機器・医薬品の薬事規制と償還価格制度を改善する事が、日本の医療制度改革の鍵となる要素である。例えば、日本は新たな製品の審査を迅速に行なうために薬事法の改正を行なっている。そして、その目的を推進するため、2004年4月に“医薬品医療機器総合機構”(以下、総合機構)という新たな独立行政法人を設けた。総合機構の予算は、医薬品・医療機器製造業者からの増加した手数料で補完されており、同機構は薬事承認を迅速化するという重要な目標を設けた。それに加え、厚生労働省は日本の医療機器・医薬品産業の国際競争力の強化を目的とする計画の概要“産業ビジョン”を公表した。厚生労働省は、その中で、革新の価値と償還価格が革新的な研究開発投資に与える影響について認識している。
しかしながら、米国政府は日本政府に対し、その医療政策を達成するためには、医療機器・医薬品に関する薬事規制と償還価格に問題を引き続き解決する努力を活発に行うことを求める。例えば、薬事承認の継続した遅れは、日本でビジネスを行う際のコスト増につながり、患者の革新的な製品への早期アクセスを否定する。それらの革新的製品は、医療の質を高め長期的に医療費削減に貢献するものである。また、日本の償還価格制度は革新性を適切に評価していない。その結果、業界の日本における研究開発を抑制し、国際競争力を改善するという日本の意欲をも妨げている。米国政府は、薬事および保険償還の政策が、日本での革新的製品の導入を促進するよう措置を講じるよう求める。
■提言の概要
・価格算定改革:医薬品研究や医療技術の進歩に報酬を与え、促進するためにより適切に加算を適応する。革新的製品の価値を十分に認める医療機器・医薬品の価格算定ルールを確立し、革新的で安全な製品をより早く必要とする患者ニーズを考慮する。
・薬事制度改革:総合機構の立てた重要な目標を順守し、審査と承認を迅速に行なう。総合機構が製品審査の迅速化に成功したかどうかを評価する効果的方法を、業界との対話を通じ確立する。海外監査や工場査察が新製品の承認を遅らせないことを確保する。第三者認証機関による医療機器製造所の監査結果を受け入れる。審査官の専門性を強化する。審査及び安全対策に関連する不服申し立ての過程を確認し明確にする。
・血液製品:需給計画が海外製品を差別しない事を保証する。血液関連製品に関する事項に取り組むにあたり業界と作業を行う。
・栄養補助食品の自由化:栄養補助食品の販売規制を緩和する。
☆2005年
日本は、財源が縮小する中で急速な高齢化による厳しい医療財政に直面しており、医療制度の重要な改革を検討している。日本では、70 歳以上の高齢者に約三分の一の医療費が費やされている。
高齢者のケアのために増加した負担は、2006 年から2025 年の間に、医療費を2 倍に押し上げると予測されている。日本が、米国医療機器および医薬品企業により製造される非常に多くの革新的製品の多大な恩恵を受けていることを踏まえ、日本政府が医療制度改革を推し進めるにあたり、これらの企業に十分な意義のある意見を述べる機会を与えることが重要である。
米国政府は、また、日本に対し、医療機器および医薬品の薬事規制と償還価格算定制度を、医療制度の長期的財政実行可能性の維持、革新的製品の患者への早期提供、そして、さらに先進的な製品の開発促進のために改革することを求める。日本政府は、その保険償還制度が、手術の必要性や長期入院の必要性を減らし、長期的に医療費削減につながるような製品の導入の促進をするよう措置を講じるべきである。そして、償還価格算定制度が治験や研究開発の助長をすることを保証するべきである。それに加え、薬事承認制度は、新製品のより早い導入を促進するべきである。世界的に使用されている100 の主要な医薬品のうち、日本では73 しか入手することが出来ない。医療機器については、薬事承認の遅れにより、他の国で入手可能な先進機器の入手を困難なもとしている。
米国政府は、日本政府に対し、医療機器医薬品総合機構(PMDA)が医薬品および医療機器の審査の効率を改善するという目標を達成するよう措置を講じることを求める。引き上げが行われた総合機構の予算を補うために製造業者が支払っている手数料は、審査や承認を迅速化に結びつくよう、総合機構のスタッフや専門家を増やすために支出されるべきである。
■提言の概要
・格算定改革:医薬品・医療機器の償還価格算定制度を改正する際に、革新性の価値および市場の重要な役割を認めることを保証する。患者を延命および救命する先進的製品の開発および導入を促進をするために加算ルールを使用する。
・規制改革:日本の薬事制度の効率を改善するため、達成指標を用いて、医療機器および医薬品の審査及び承認を迅速化する。総合機構が専門家を増やすことができるように援助する。日本で臨床治験を実施する魅力を向上させる措置をとる。そして、製造工程の質を保証する制度を向上させる。
・血液製剤:医薬品の基準を基礎としない、血液製剤産業の特性を考慮した償還価格算定制度を設ける。米国企業に販売や製造の公平な機会を与える。
・栄養補助食品:栄養補助食品に関する薬事規制の透明性を向上させ、販売規制を緩和する。
・化粧品:化粧品および医薬部外品の販売規制を緩和する。
☆2006年
米国は、高齢化する人口に対応して医療制度を変革する日本の努力を引き続き注視している。米国は、安倍首相が提唱する、日本政府による疾病予防と健康寿命への注視を促す「新健康フロンティア戦略」と、医薬品、その他の分野における技術革新を促進する「イノベーション25」戦略に関心を持っている。米国は、日本に対して、これらの努力を行うに際して、日本の患者が革新的な医療機器・医薬品への迅速なアクセスを享受するよう保証することを求める。高度な医療機器および医薬品の開発に報償を与える償還価格算定政策と、このような製品の開発を円滑化する薬事規制政策は、日本が世界的水準の医療を高齢化社会に提供するという挑戦に対応するのを助けるであろう。
■提言の要点
価格算定改革:医薬品の償還価格算定制度の透明性と、それに関して業界が意見を述べる能力を向上させる。高度な医療技術の価値を反映する医療機器の償還価値算定制度を実施する。
規制改革:規制官庁の人員を増員する。医薬品の臨床試験および審査のための環境を改善する。医療機器の審査を迅速化する。医療機器の臨床データの活用を円滑化する。
化粧品・医薬部外品:医薬部外品規制制度を改革する。検証可能なデータに基づく請求を認める。
血液製剤:規制・物流システムを含む血液製剤産業の特性に基づく価格算定制度を設定する。
市販薬:日本の規制当局者が市販薬に関係した最近の法律の変更をどのように施行するかを明瞭化する。
栄養補助食品:情報提供および教育目的の表示を認める。使用可能な添加物、溶剤のリストを拡大する。科学的原理に基づいて量的制限を設定する。
まだ、2007年の正確な和文が発表されていない(いろいろな方が独自で和訳しているようですが)ので、詳しくはわからないのですが、医療に関する内容が、他の項目に比べてかなり多いらしいです。
正式な和文が発表されたら、また、この場で紹介したいと思います。
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2007/10/501.html/trackback
mbt sport 04 | 2014.02.22 13:33
mbt outlet 日本を守るのに右も左もない | ロシアの台頭~アメリカ崩壊後の世界情勢
おとうさん | 2008.01.05 21:46
>ロシアは
>1、借金を全部返済し、財政と経済の自立を達成した。
この情報は間違いです。
ロシアは、2008年1月現在でも対外債務があり、
兵器などの物納で返済を続けています。
例えば、韓国に対しても、債務の一部免除をお願いし
て、残りを兵器で返済しようとしています。