日経・朝日・読売の共同サイト ~背後には中国による日本メディア支配強化が~
10月1日に日経・朝日・読売の新聞三社が無料の共同ポータルサイトを2008年初めに開設することを明らかにした。
ネットでは要約記事を載せて3社の読み比べができるようにし、詳細やまとめは紙面で読んでもらうという構想のようだ。
しかし、ネットの普及により苦境に立たされているとは言え、新聞業界の大手紙が生き残りをかける策としては、あまりにも魅力が感じられず、その効果が疑わしいことは指摘されている。
【参考】
2007-10-2日経・朝日・読売の共同サイト運営~ネットの特性とは逆流している時代錯誤も甚だしい愚かな戦略<木走日記>
こうした指摘はもっともである一方、この件にはもっと大きな問題が背後に潜んでいる。
それは、この三社をまとめることにより、従来別々に発信されていた情報を一元的にコントロールするメディア支配が容易になるということである。
屈中「3社」によるネット連合
人民網の提携紙・朝日新聞と、かつては硬派で知られていた読売新聞。一見、親和性に乏しい両社が提携。なぜ提携なのか。しかもネットで、と感じられるかもしれない。日本経済新聞を交えたこの大連合をもたらした接着剤は「屈中」であり、その正体は「屈中連合」である。ゆえに、3社共同のポータルサイト開設のその目的は、「中国」による「日本の報道」篭絡であり、ネットを舞台とする事由は、同じく日本に対する「言論」制御と監視を強めることにある。
また、この3社によってこれから展開される「事実上の販売店統合」は、経営統合への布石であり、経済的な面から「互恵関係」を形成することにある。その実体は、渡邉恒雄氏の死後も「大連合」から読売が脱落し得ない「互縛関係」の形成に他ならない。たとえば、『災害時に紙面制作・印刷の代行、輸送などで協力する援助協定を08年3月末までに結ぶことでも合意した』(報道)は、一見、まともな「合意」に映るが、いずれは、この大義名分の『災害時』が『通常』へと置き換わるに違いない。この「提携」の手法は「中国」そのものであり、「互恵関係」は、すなわち「互縛関係」であることを知らねばならない。
報道に云く、『当初は、3社の主要な記事や社説を読み比べたりできるサービスを提供し、順次メニューを拡大させていく』とのことだが、その先に睨(にら)む時代は、明らかに「北京五輪後」である。先ずは、この3社の共同サイトで「北京五輪」わいわいと盛り上げ、認知度を大いに高めて、共同体制を強化する。そして、ポスト「北京五輪」である。
「中国」がいよいよ台湾侵攻への気配を強め、尖閣諸島のガス田を独占しようとも、この共同サイトは「中国」の動きを非難せず、同国の意向に逆らわない報道垂れ流しに出るであろう。あたかも、それが「日本メディア全体」の意思表示であるかのように「中国」のために機能し、「中国」ために尽くし、「中国」の意図的な報道情報を垂れ流すであろう。そのための「大連合」である。
朝日読売「屈中連合」一考 2007/10/2
<博士の独り言>より
豊かさが実現した現代の日本において、強制的な圧力をかけても国民の同意は得られない。
「世論」をいかに形成するかが、国の方向性を決める上で重要になっている。
そして、この世論形成に対してはマスコミの支配力がまだまだ大きい。
しかし、マスコミには支配力はあっても、まともな方針を打ち出す能力はなく、自己保身のためなら日本をいともたやすく売り渡す。
2年前のいわゆる「郵政選挙」で、【アメリカ→官邸→電通→マスコミ】というルートでの世論支配が、日本の国益をないがしろにする構造改革を掲げる自民党に圧勝をもたらしたのは記憶に新しい。
アメリカに続いて、この間に台頭してきた中国が、日本を利用しようとしてメディア支配を試みてきたとしてもなんら不思議ではない。
アメリカであれ、中国であれ、その他の国であれ、日本の国益を不当に侵す内政干渉には徹底的に立ち向かう必要があるが、その一番の方策はマスメディアによる共認支配を打ち破ることである。
逆にこの共認支配の構造が残存する限り、日本はとことん破壊されていく。
もはやマスメディアの情報を信用しないという次元では不十分で、国民が自分達で共認形成の場を創って携わっていくかどうかに日本の存亡がかかっているのだ。
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コメント6件
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河内のおやじ | 2008.01.19 21:00
岸信介と甘粕正彦は、東条英機によって引き合わせられたようです。
「満州に行ったら、できるだけ早い時期に甘粕に会ってください。あの男は役に立ちますよ」と岸信介に耳打ちした人物も居たようです。
甘粕正彦とは大杉事件の犯人として投獄されたのも軍のために受けたとも言われており、本当のところはどうか謎の多い人物です。
甘粕機関として満州では里見甫と同じく阿片で資金調達していたようですし...
満州、奥が深いですね。