2014年01月16日

【情報戦】5.裏切りに次ぐ裏切りが常態化した古代ヨーロッパ~「諜報の必要」よりも「国家秩序意識」が希求された~

 中央ユーラシアの乾燥地帯の遊牧民によって切り開かれた商業関係→戦争関係によって取引思考詐欺的思考にまで発展し、古代社会は諜報と謀略が日常という世の中に入っていった。しかし、同じ中央ユーラシアの遊牧民の影響を受けながらも、その東側(中国)と西側(ヨーロッパ)では、その後、異なる発展を遂げていく。
 諜報という視点で言えば、諜報を国家戦略の中に位置づける理論体系=孫子の兵法を中国は生み出したが、ヨーロッパではそのような理論書は登場していない。それどころかキリスト教は「右の頬を打たれたら、左の頬を差し出せ」と闘争放棄とでもいうべき言葉を残している。しかし、ではヨーロッパで諜報や謀略がなかったのかというとそんなことはない。伝説「トロイの木馬」に代表されるように、諜報はヨーロッパでも常態であった。しかし、そのような主体的な諜報以前に、敵国に寝返る売国奴も後を絶たなかったようだ。
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トロイの木馬
 たとえば、ソクラテスを処刑台送りにした張本人アルキビアデースという人物の例を見てみよう。

(さらに…)

  投稿者 yoko3 | 2014-01-16 | Posted in 14.その他No Comments »