2011年02月28日

『白人の源流~ギリシア・ローマ編~4』ミケーネ文明を滅ぼした、傭兵と奴隷集団『海の民』

こんにちは
御好評いただいている『白人の源流~ギリシア・ローマ編』。
『白人の源流~ギリシア・ローマ編~1』プロローグ:大転換の予感⇒人類史を追求する意義
『白人の源流~ギリシア・ローマ編~2』オリエントの文明の発祥である『エーゲ文明~クレタ文明』
『白人の源流~ギリシア・ローマ編~3』クレタ文明を滅ぼした『ミケーネ文明』
 
前回はクレタ島を滅ぼしたミケーネ文明をご紹介しましたが、
今回は、そのミケーネ文明を滅ぼしたといわれている『海の民』に迫りたいと思います
海の民に関しては数々の仮説が立てられていますが、
いまだにスッキリする答えに出会えない… 🙁
という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方にこそ読んでいただきたい記事になっていますので、お楽しみに
 
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■ミケーネ文明について

ミケーネは大きな砦を備えた好戦的社会であり、略奪や海賊行為などを行っていた。3300年前からはアカイア人がアナトリア西岸に植民し、都市国家を作った。ミケーネ文明の一つピュロス(エピルス?)では、大規模な宮殿奴隷が存在した。奴隷所有は個人にまで及んでおり、地方の青銅工にまで奴隷所有が見られたとされる。また、ミケーネ文明の特徴の一つである円形墓からは、それまでよりも圧倒的に豪華で大量の副葬品が出土している。これも、他部族から略奪してきたものだと考えられる。(リンクより引用)

上記にあるように、ミケーネ文明期には略奪や海賊行為が横行しており、土器はもちろん人間も奴隷として略奪対象として考えられていた時代であったということが明らかになりました。しかしこのミケーネ文明。500年もしないうちに崩壊してしまうのです。それはなぜなのでしょうか 🙄 ?
■ドーリア人の侵入によって?
有名なものとして、ドーリア人の南下によってミケーネ文明は崩壊したとされる説がありますが、ミケーネ文明が崩壊したのが3150年前。ドーリア人が南下したのが2900年前。つまり、ドーリア人が南下する前にミケーネ文明は崩壊していたのです。
さらに、ドーリア人侵入説を覆す根拠としては、ミケーネ文明だけでなく3200年前頃に地中海沿岸の様々な地域が破壊されているということ。テバイ、レフガンディ、ティリュンス、ミュケナイ、ピュロス、クレタ、ハニアはいずれも、その一部または全部が破壊され、アナトリアやヒッタイト帝国でも略奪の痕跡や破壊の爪痕が残されています。
 
いったいなぜ同時期にこんなにたくさんの都市が破壊されたのか?
そのヒントは唯一破壊を免れたエジプトの墳墓に残された「海の民」という記述。
 
エジプトの碑文によると海の民が地中海で暴れ、破壊。ミケーネやヒッタイトを崩壊させ、2度攻められたエジプトは崩壊まではしなかったものの相当の被害を受けたという記述があります。
また碑文の内容で興味深いのが「包皮を持たないアカワシャ人は殺戮され、彼等は包皮を持たない(ので)、代わりに[・・・・・・]手が持ってこられた。[・・・・・・]山積みになった彼等の無割礼の男根の内、王の御前に持ってこられた男根の数は6111個に上り」とあります。包皮無し=去勢されているということであり、かなり虐げられた人が海の民にはたくさんいたのかも…? (碑文の内容はこちら
 
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海の民を撃退したラメセス3世葬祭殿リンクより
 
shipbattle%5B1%5D.jpg
メディネト・ハブのラメセス3世葬祭殿北外壁に残された、ラメセス3世による「海の民」との戦いを記録した一連の壁画のうち、デルタ地帯において「海の民」の船団との戦いを描いた部分。
(画像はこちら
 
 
 
 
 
この「海の民」こそ同時発生した破壊現象、そしてミケーネ・ヒッタイトを崩壊に追い込んだ正体だと考えらるのではないでしょうか。
  
■では、この海の民とは何者か?
seapeople%5B1%5D.gif
海の民の活動範囲(画像はこちら
海の民の正体に行く前に、ミケーネの歴史を少しさかのぼります
実はこれが海の民の正体を明らかにする重要な手がかりとなるので注目なんです 😉
 
ミケーネは北方から侵入してきた印欧語族系のアカイア人が侵入して都市国家をつくりましたが、その都市国家形成のために…

時にミケーネがかき集めてきた奴隷たちは、それまで地中海沿岸の人口の大半を占めていたセム族Jやハム族Eである。ミケーネには奴隷狩りのための戦闘部隊が存在し、奴隷狩りや奴隷の統率のために、セム系の傭兵が使われた。アナトリアで奴隷狩りをしていたヒッタイトも同様である。
(※上記にあるアルファベットJやEはY染色体分類を指します。Y染色体についての詳細はこちら

200607-3-1%5B1%5D.jpg
海の民レリーフ(画像はこちら
上半身裸 奴隷っぽい
 
なんと ミケーネやヒッタイトなどは国家形成のために、セム族Jやハム族Eを奴隷にさせてしまったんですね
では、その奴隷になった、セム族Jやハム族Eと海の民の関係は?

まず、過酷な奴隷狩り(略奪闘争)によって逃げ延びた敗者が続々と登場し、彼らが海賊に転じてゆく。これが海の民の正体である。この大量の海賊(海の民)の波状攻撃によってヒッタイトもミケーネも疲弊してゆく。そうなると、セム系の傭兵部隊が寝返ればヒッタイトもミケーネもお終いであり、その内部でも下克上を狙う者が出てくるのは当然である。ミケーネが内部反乱で滅亡したという説があるが、それは事の本質ではなく、大きく見ればその内部反乱も海の民の度重なる侵略が引き起こしたものであり、ヒッタイトもミケーネも海の民によって滅ぼされたのである。(リンクより引用)

つまり、3800年前に南下してきたアカイア人によって作られたミケーネによって奴隷にさせられ過酷な労働を強いられていたセム系・ハム系の奴隷や傭兵として人々が反乱を起こし海賊に転じたのが「海の民」であり、ヒッタイトやミケーネなどの地中海沿の国々は滅ぼされたのです。

次回は海の民によって滅ぼされた地中海世界(いわゆる暗黒時代)にポリス社会が成立するまでを扱います

List    投稿者 mika | 2011-02-28 | Posted in 未分類 | 1 Comment » 

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コメント1件

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