陰謀論と歴史構造論
9月7日の記事「マスコミは信頼も期待もされていない」に対して、次のようなコメントがありました。
陰謀説も、ほどほどに。。。当ブログの、欠点です。昨夜、テレビでも、任期中も、医者が駆けつけるところを、とられていました。ロックフェラーとか、ブッシュとか。。。まず、陰謀説どうのより、テレビで得られる、情報、私は、特に、人物の顔色や、動きを、見ています。ブッシュを見れば、スグ判ります。彼にとっても、晴天のヘキレキだったことが。。。
良い機会なので、「陰謀論」に対する見解を述べておきます。
「陰謀論」とは、歴史上(現代も含む)の事件は特定の人物や集団の思惑・陰謀によって起こったものであり、その真相は学会やマスコミの定説や常識によって隠蔽されているとするものでしょう。
ロックフェラーやロスチャイルドを持ち出すと、「陰謀論」であると批判されることが多い。批判する論拠は「荒唐無稽」、つまり「常識ではない」という辺りが多いようです。では、「陰謀論」を批判する方々は新しい事実を発見し、「陰謀論」に代わる原因構造を提示できたのでしょうか?
無数の常識によって導かれてきた現代社会が全面的に行き詰まっている以上、その常識群の多くが間違っていると考えるしかありません。ところが、マスコミや学者の言う定説や常識に依拠し「陰謀論」と批判するだけでは、思考停止と言われても仕方がないでしょう。
一方で、「陰謀論」の限界もあります。
全てが特定の個人や集団の思惑に還元され、それだけが世界を動かしているかのような錯覚に陥る。そして、彼らを悪者視して批判して終いか、あるいはその力の巨大さに不可能視してしまうか、いずれかの危険性を孕んでいます。それでは、闇の支配勢力や金融資本の力を覆す可能性を見出すことはできません。そのために必要なのが歴史構造論です。
例えば、金融資本が国家や社会を支配できた力の基盤は、市場社会ではお金が絶対的な最高価値であり、万人がお金に収束していたことです。だからこそ、最大のお金の所有者=供給者である金融資本が支配者として君臨しえたのです。
ところが、’70年頃貧困が消滅した先進国では、お金は第一義的な価値ではなくなりました。人々のお金への収束力は低下する一方で、市場は縮小過程に入りました。これは、金融資本にとって支配の基盤が崩れたことを意味します。実際、彼らも市場縮小に対して有効な打つ手がありません(だからアメリカは侵略するのだ)。現代社会の行き詰まりとは同時に、闇の支配勢力≒金融資本の行き詰まりでもあるのです。
また、’05年の郵政選挙のように、金融資本がマスコミを使って世論を支配するのが常套手段になっています。お金だけでは支配できなくなり、世論形成しなければ金融支配も維持できないのです。今や勝敗を決するのは資本力(お金)ではなく世論の力=共認力であり、共認(世論)によって金融支配を覆す基盤が既に整っているということです。
私達が、このブログ「Trend Review」を運営しているのも、「何が事実なのか?」それに基づく共認を形成するためです。そのためには、御用マスコミや御用学者が決して明らかにすることのない歴史事実や現象事実を発掘し、それらを統合する歴史構造を提起する必要があります。「陰謀論」も歴史構造論があって初めて、実現可能性を導く論理へと昇華するのです。
冒頭に示したようなコメントが入るのは、歴史構造論の展開が不足していたことも一因ではないかと思います。みなさんも、その点を意識して投稿していただきたいと思います。
(本郷猛)
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