米国一極支配の崩壊①~米国経済データより~
EUを初めとする世界各国における協力体制の構築や、新たな経済圏の構築が活発化し、それらの勢力が拡大している今の世界情勢を見ていると、いよいよこれまでの米国一極支配からの「多極化」または「覇権移転」の可能性が見えてくる。さらにその動きの背後には、2007年09月01日の記事「国際金融資本の覇権争いの行方」にもあるように、国際金融資本家の戦略、覇権闘争が存在している。
そこで、まずは米国のこれまでの歴史をさかのぼって、その特徴的な事象を時系列で整理しながら投稿していきつつ、「多極化」または「覇権移転」に繋がる流れ、可能性を探っていきたいと思います。
今回は、その第一弾ということで、まずは取っ掛かりとして米国の経済データを調べてみました。
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まずは、経常収支・財政収支のグラフから。
※財政収支は「Historical Tables, Budget of the United States Government, Fiscal Year 2008」のデータより作成
※経常収支は「アメリカの経常収支」のデータより作成
経常収支、財政収支共に、1970年ごろからちらほらと赤字が出るようになって、1980年以降は、どんどんと赤字の額が加速していきます。これがいわゆる「双子の赤字」です。
次に財政支出における、分野別の支出を見てみると。。。
※このグラフは「Historical Tables, Budget of the United States Government, Fiscal Year 2008」のデータより作成
※このグラフは「Historical Tables, Budget of the United States Government, Fiscal Year 2008」のデータより作成
1960年代までは、歳出の大半が軍事費で占められていますが、1970年前後を境に、軍事費と社会保障費の割合が逆転しています。そして、その後社会保障費の額が急増していきます。これを見ると、軍事費だけでなく、社会保障・福祉分野の支出急増が、財政赤字の大きな原因になっていることがわかります。
最後に、経常収支における品目別の輸出、および輸入額の推移です。
※このグラフは「Historical Tables, Budget of the United States Government, Fiscal Year 2008」のデータより作成
※このグラフは「Historical Tables, Budget of the United States Government, Fiscal Year 2008」のデータより作成
1980年代にある経済学者が「アメリカは経済的更年期に突入した」と表現したそうですが、その1980年以降、アメリカは国際経済力の低下(1960年代のベトナム戦争の失敗や、日本経済の高度成長などが影響)が顕著になり、輸入量はあらゆる分野で伸び続ける一方で、輸出が思うように伸びていかず、消費大国化していきます。その結果、アメリカは膨大な額の貿易赤字国となってしまい、それが今日まで続いています。
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コメント8件
しのぶ | 2007.11.03 1:22
日本人って、根っこのところで、
「所詮お金くらい、取られてもどうってことない」
って感じているのかもなぁって思います。
匿名 | 2007.11.03 13:43
↑
というより、アメリカのお金持ちの生活がどんなものかを知らないだけでしょう。
知ったら、日本人がバカみたいに働いて得たお金が、怠け者のアメリカ人にただ同然で吸い上げられているのが、肌で実感できるでしょう。
プールは勿論、標準装備ですが、前回尋ねた家で驚いたのは、プールサイドの家の外壁の一部が大きな冷凍冷蔵庫になっていて、わざわざ家の中に飲み物を取りに行く必要がなかったことです。ちょっとしたホテルですね。
日本にこの程度のお金持ちはどのくらいいますか。こちらでは、この程度なら中の上クラスです。100人くらいの来客を招くなど、こちらでは中流家庭で十分です。
匿名 | 2007.11.03 17:26
>kirinさん
双子の赤字が膨らもうが、日本に尻拭いさせようが、自分が儲かればそれでいい。
恐ろしい国です・・・・
>しのぶさん
その感覚わかります。
生活に困ってるわけでもないし、贅沢したいわけでもないし、お金には無頓着。
貧困を克服して、充足源はお金じゃないってことが身をもってわかってるから、アメリカに略奪されてても「どうってことない」ってなっちゃうんですね~(>_>kirinさん
双子の赤字が膨らもうが、日本に尻拭いさせようが、自分が儲かればそれでいい。
恐ろしい国です・・・・
>しのぶさん
その感覚わかります。
生活に困ってるわけでもないし、贅沢したいわけでもないし、お金には無頓着。
貧困を克服して、充足源はお金じゃないってことが身をもってわかってるから、アメリカに略奪されてても「どうってことない」ってなっちゃうんですね~(>_<)
>名無しさん
それだけの冨が吸い上げられてるってゆうのは実感できますね~。驚きです(@。@)ただ日本人の感覚では、プールもプールサイドの冷蔵庫も別にいらない(むしろ邪魔)。
問題は単にお金ではなく、アメリカによるこの収奪構造ですね。
たらこ | 2007.11.04 16:43
率直な感想は、いったい何だったの?って感じですね。
>期待(減税分を投資にまわす)に反して富裕層が過剰消費に走ったため国内産業が落ち込んで物が足りなくなり、輸入に頼るようになった結果、貿易赤字も拡大の一途・・・
大統領は、自国民の性質を理解してなかったんですね。
どんな政策だったのか、教科書で習ったより、よくわかりました。ありがとうございます!
たらこ | 2007.11.04 16:43
率直な感想は、いったい何だったの?って感じですね。
>期待(減税分を投資にまわす)に反して富裕層が過剰消費に走ったため国内産業が落ち込んで物が足りなくなり、輸入に頼るようになった結果、貿易赤字も拡大の一途・・・
大統領は、自国民の性質を理解してなかったんですね。
どんな政策だったのか、教科書で習ったより、よくわかりました。ありがとうございます!
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日本を守るのに右も左もない | レーガノミックスが経済再建政策なんてウソっぱち!
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kirin | 2007.11.01 22:54
「るいネット」のhttp://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=152869で、>アメリカは本当に豊かな国なのか?>と、山澤氏が看破しているように、
アメリカは、世界で一番の先進国のようで、実は格差が非常に大きい貧困国で、私権が強い国です。
また、もともと英国からアメリカ大陸を略奪して出来たアメリカは、体質的に収奪意識が強いですが、これは楽していい暮しをしたがるという消費体質につながっています。
私権意識が高い貧困国で消費体質のアメリカ。
>期待(減税分を投資にまわす)に反して富裕層が過剰消費に走ったため国内産業が落ち込んで物が足りなくなり、輸入に頼るようになった結果、貿易赤字も拡大の一途・・・>
記事を読んで、
「レーガノミックス」でアメリカ経済を本気で立て直そうとしたのなら、
経済政策の正誤の問題以前に、そもそも、”自分の体質をあまりに知っていない政策”ですね。
まあ、それがアメリカらしいといえばそうなんですが、その尻拭いを日本がしているのだと思うと・・・・