2020年05月06日

ベーシックインカム導入の実現基盤と精神性

今、コロナウイルスによる世界的な経済機能の停止と大恐慌への観測から、ベーシックインカムの導入に注目が集まっています。

先月、コロナウィルスによる人的、経済的被害が甚大なスペインにおいて、史上初めて「ベーシックインカムが導入される」という情報が世界を駆け巡りました。

スペインは言わずと知れたEU加盟国です。地中海の入口を押さえたイベリア半島のほぼ全域にまたがる広大な国土を持ち、古来より欧州の芸術、文芸、建築に大きな影響を与えてきた国家です。
これまでのような小国や地方自治体の実験的な導入ではなく、欧州の大国が国家規模でBIを導入すると言うのだから、世界が色めき立ったのも無理はありません。

しかしやがてこれが、純粋な純粋なベーシックインカム導入とは言えない事が明らかになります。
後続の発表は、「あくまで低所得者への給付」というものでした。
支給されるのは、最低限の収入すら得られていない、と判定された人達であり、これはいわば多くの国で行われている生活保護等の制度と同じです。
すべての国民に一律で生活費を配布するベーシックインカムとは異なるものです。

これが、そもそもの発信に誤謬があったのか、後で他の勢力から横やりが入り尻すぼみになったのかはわかりません。
しかし、現状のスペインの政治、財政状況を考えれば納得がゆきます。

(さらに…)

  投稿者 nihon | 2020-05-06 | Posted in 08.近現代史と金貸しNo Comments »