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共同体企業ネットワーク理論勉強会テキスト(12)理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)

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皆さんこんにちは このシリーズもいよいよ最終回を迎えました
初めて本ブログを読まれた方のために、この理論勉強会の趣旨、テキストは何のためにあるのかを今一度整理したいと思います
  
今世の中が全的に行き詰まりに瀕しているのは誰もが感じていることですが、社会の統合機関たる政府や学者からは何の打開策も出てきません。
今我々に求められる(我々が求めている)のは、自分たちで何とかする(=答えを出す)能力であり、それはこの世の中で実現していく(勝ち残っていく)ために必要不可欠なものです。このテキストはそんな人たちの思い(答え欠乏)に応えるためにあります。理論勉強会はこのテキストを読み解き、いかなる状況に置かれても答えを出せる思考法“概念装置”を体得することが目的です
  
過去のテキストはコチラです
テキスト1:これから生き残る企業に求められる能力は? [1]
テキスト2:私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた [2]
テキスト3:市場の縮小と根源回帰の大潮流 [3]
テキスト4:共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流 [4]
テキスト5:自我と遊びを終息させた’02年の収束不全 [5]
テキスト6:同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた [6]
テキスト7:情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口 [7]
テキスト8:大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機 [8]
テキスト9:新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった [9]
テキスト10:新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない [10]
テキスト11:学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口~否定の論理から実現の論理への転換~ [11]
 

いかに観念支配を徹底させようとも、人々の意識を完全支配することはできない。潜在思念が変化してゆくからである。
私権の終焉によって生起した本能回帰・共認回帰の潮流は、その潜在思念に応合した言葉を生み出してゆく。すでに、「もったいない→節約・食抑」あるいは「役に立ちたい→社会を良くしたい」等の言葉が浮上してきており、それらは、構造概念ではなく価値観念に過ぎないが、すでに若い世代では、それらの言葉=観念が、同じく価値観念に過ぎない「恋愛」「自由」「個人」等の近代観念を圧倒しつつある。
どうやら、動かなかった観念が動き始めたようである。

「とにかく出世がしたい」「三度の飯より人事の話がすき」というような私権時代が終焉して、人々の意識の奥底では、本能回帰、共認回帰の意識潮流が生起しました。その中身は「もったいない」や「役に立ちたい」という新しい可能性を切り開く人類本来の潜在思念が顕在化し、ついに時代が動き出したということです
 
参考記事:食べなければ死なない① [12]
食べなければ死なない② [13]

「役に立ちたい」という言葉に象徴される、周りの期待=課題に応えようとする課題収束の潮流は、期待に応えるための能力の欠乏を蓄積させてゆく。
さらに期応収束⇒課題収束を強める新しい世代は、どんどん同類課題を感取する感度を高めていき、遂に’11年、原発災害と統合機関の暴走を目の当たりにして、一気に社会統合期待を上昇させた。
彼らは、化石化した専門家を尻目に「自分たちで、どうにかしなければ」という統合課題を自らの課題として肉体化させつつある。この統合期待は、必然的に、それを実現するための答えの欠乏を蓄積させてゆく。
現実課題の中で蓄積されてゆく能力欠乏と、統合期待の中で蓄積されてゆく答え欠乏は、ともに答えを出すための道具=概念装置あるいは実現基盤を提示してくれている新理論の探索へと先端収束してゆく。従って、新理論が登場しさえすれば、理論忌避の壁は一気に突破され、社会統合課題を自らの課題とした人々が新理論に収束してゆくのは必然である。

この意識潮流を顕著にしたのが、昨年の東日本大震災です。1995年の阪神・淡路大震災と比較してみます


◆1995年の阪神・淡路大震災のときは、既存組織の活動が目立った。例えば、神戸に拠点を置く山口組が被災した市民を対象に自主的に炊き出しを始めたり、地元の金融機関が無担保で生活資金を貸し出した。(1年以内にほぼすべての人から返済されたという事実がある。)このような事象をきっかけに、我々日本人が自らの民族性を意識すると同時に日本人の意識と日本社会の安定性を世界に示すことになった。

◆一方東日本大震災では、政府が有効な支援が取れない中で、若い世代が中心になって組織を創り、被災地に向けて有効なネットワークを作っていった事象が多々見られました。これは政府に頼らず「自分たちがどう動いたら、地域の人たちに手を差し伸べていけるのか」と自分たちの手で新しい社会統合ネットワークを創り上げようとする気運の現れであると言えるでしょう。


 
02年から仲間収束→課題収束という新しい意識潮流を受けて、11年の東日本大震災では、新しい社会統合に向けたネットワーク作りへの萌芽が見え始めました。


参考記事
震災後、みんなの意識が、ネットを中心に統合されていく感じ。 [14]日本人のモラルに世界が驚く① [15]

シリーズ大震災復興~日本企業の底力!3-2~震災後見えてきた日本人の可能性と特権階級との断絶 [16]

この社会的な統合期待の高まりに応えて、新理論が登場してくるのは時間の問題である。なぜなら、そこにしか可能性がない以上、その可能性に収束するのは生命の摂理だからである。
しかし、近代観念をメシの種にする専門家には期待できない以上、新理論は素人の手で作ってゆくしかない。さらに、「自分」観念に囚われた観念派にも期待できない以上、新理論はこれまでほとんど観念思考などしたことがない普通の人々が協働して構築してゆくしかない。
周りの期待に応えて現業課題を突破するためには、より鋭い切り口が求められるが、そのためには、より深い状況認識が必要になる。そして究極的には、歴史的に塗り重ねられてきた人類の意識の実現構造と社会の実現構造の認識=史的実現論が、最強の武器となる。とりわけ、社会統合課題を実現するためには、この意識と社会の実現構造の認識=史的実現論が不可欠となる。
新理論は、人々の実現期待に応えられる理論=現実に使える理論でなければならない。従って、現実から乖離した近代観念をはじめとする全ての架空観念は全的に否定され、ゼロから新理論を構築してゆくことになる。そのためには、現実世界を動かす実現の構造を発掘できるまで、徹底して人類史を(必要ならサル社会や生物史まで)遡って、歴史事実を収集し、それを法則化=構造化する必要がある。
もちろん、1人では不可能だが、幸い先人の手で多くの歴史事実が既に発掘されており、数十人で協力して歴史事実を収集すれば、論理が整合する実現構造を構築することは決して不可能ではない。
現に類グループは、40年に亙って歴史構造の解明に取り組み、新しい共認社会を実現するための実現基盤=史的実現論を提示できる段階に達した。この史的実現論は、人々が自分で答えを出せるようになるための基本的なOS=概念装置であり、人々が実現課題⇒実現方針を見つける上で、最強のツールとなるはずである。
もちろん、理論は無限に進化してゆくものであり、現在もるいネット「実現論の塗り重ね板」において、少しずつ塗り重ね=改良が進行中である。そのようにして皆の手で精錬されてゆく『史的実現論』こそ、共認社会を実現に導く羅針盤であり、この新理論の下に結集した新しい共認勢力こそ、共認社会を実現してゆく中核勢力となる筈である。

社会統合課題=「社会をもっと良くしたい」「みんなのもっと役に立ちたい」という意識を実現していくには、新しい時代を切り開く概念装置=『史的実現論』を学ぶ勉強会がとても重要になってきます。もちろん概念装置はこれから勝ち残る企業にとっては必要な能力になります。

現にこのテキストを使って「外圧=内圧」などの新しい概念を学び始めた企業の若手の皆さんから、るいネットの経営板へと多くの気付き投稿がなされています。
【大起エンゼルヘルプ 第1回エンゼルカレッジ開催後報告♪ 】 [17]
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このシリーズを最後まで読んで頂きありがとうございます 次回からは、このシリーズに引き続いて、より実践的にみんなの役に立つ事例を紹介していきます こうご期待下さい

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