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共同体社会の実現に向けてー20 ~実現論序5.破局後の経済は?その時、秩序は維持できるのか?(その5)~









暦の上では立春とは言うものの、寒さがまだまだ厳しい今日この頃。皆様いかがお過ごしですか?

前回の【秩序崩壊し、壊滅してゆく個人主義国家】 [1]では、米中をはじめとした個人主義国家は崩壊不可避であることとその崩壊過程、そして共同体質国家の可能性について紹介しました。アメリカや中国の秩序崩壊を予測すると、本当に起こりそうで恐ろしいですね。

今回は、「実現論序5.破局後の経済は?その時、秩序は維持できるのか?」 [2]シリーズの最終章です。旧勢力の目論見-中央銀行制の維持-は打ち破れるのか?秩序崩壊を食い止め、新しい社会に移行するための鍵となるのは?

【崩壊一歩手前での旧勢力と新勢力の闘い】

それでは、日本をはじめ、秩序を維持できそうな国は、どうなるだろうか?

本来は国家紙幣が不可欠だが、官僚やマスコミや政治家=旧勢力が認識転換できるとは考えにくい。従って、中央銀行の体制のまま、リセット後の経済運営にあたることになる。

リセット後は、農業や介護や新エネルギーに対する大型の助成が必要になり、直ちに財源が問題になる。しかし、中銀体制の場合、現状でも大赤字なわけで、新財源などある訳もなく、大量の赤字国債を発行する以外に手はない

その場合、中央銀行が銀行に新紙幣を供給して新国債を買い支えさせるので、新国債の価格を安定させることは可能である。しかし、旧国債と旧紙幣が紙くずになったばかりであり、新国債の価格など誰も信用しない。

新紙幣が信認されるかどうかは、食糧価格を沈静化できるかどうかにかかっている。しかし、またぞろ赤字国債を発行しているようでは、新紙幣も信認されず、従って物価は鎮静化しないだろう。

『リセット後の世界』を具体的に予測していきましょう。

■中央銀行制度の欠陥

日本をはじめとする共同体質を残す国家群では、国民の意識が秩序維持に向かうため、混乱は抑止され、事態は収拾するかに思えます。

しかし、所詮は中央銀行体制。赤字国債を国家に発行させ、新紙幣=新銀行券を市場に注入するこのシステムは、リセット後に決定的な欠陥が炙り出されます。

一度踏み倒してしまったのが仇となり、国債の信頼性が地に落ちて買手が付かないのです。民間銀行に供給する新紙幣で国債を買わせ、なんとか価格維持はできますが、民間銀行以外は誰も手を出しません。

さらに、国債を買い支えるために乱発することになる新紙幣=新銀行券の信任も得られなくなり、紙幣価値が下落し物価は再び上昇を始めます。

■追い込まれていく共同体国家

一方の個人主義国家、米中欧は一気に秩序崩壊が進行、略奪集団が跋扈する阿鼻叫喚の地獄絵図になります。

中央銀行を軸にした経済システム不成立はもちろんのこと、あらゆる産業が崩壊し、生産性はガタ落ち、というよりゼロに近くなるでしょう。食料や石油などの資源は、自国内への供給もままならず、とてもじゃないが輸出になど回せなくなります。

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このような世界情勢に直面した共同体質国家は、米中欧との関係を断ち切り、彼ら同士での輸出入に転換しようとするでしょう。

例えば日本⇔インドネシア・イラン・イラクなどイスラム国家との取引ですね。

しかし、これを阻むのが物価上昇なのです。

日々激しい変動を伴って上昇する物価は、為替相場の乱高下を生み出します。

1日後には取引価格が倍/半分に変動するような状況になり、恐ろしく安定性に欠けるだけでなく、その博打的要素によって猜疑心に満ちた騙し合いに変わる可能性も孕むのです。

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これでは、安心して取引などできませんね。

こうして、リセット後もなんとか生き延びるかに思えた共同体質国家群も、国内の物価上昇と輸出入停止による物資枯渇に苛まれ、徐々に秩序崩壊へと追い込まれてゆくのです。

やはり、『中央銀行制度』が諸悪の根源なのですね。

従って、米・中をはじめ、世界中の国々が次々と秩序崩壊し、国内の物価も高騰したままで、秩序崩壊の一歩手前というギリギリのところで『中央銀行廃止→国家紙幣』を掲げる新勢力が登場し、政権を握れるかどうかがカギとなる。

この状況では、迷走を続ける旧勢力に代わって新勢力が一気に勢力を拡大して政権をとる可能性は充分あるが、秩序崩壊の一歩手前での際どい闘いとなるだろう。

当然、リセット前に新勢力が登場し、事前にある程度の備えが出来ていた方が、秩序を維持したまま新しい社会に移行できる可能性は高くなる。

実は過去にも、国家紙幣による経済再建という案は、浮上していたことがありますが、その度に旧勢力(政治家、学者、官僚、マスコミ)の圧力によって揉み消されてきました。

つまり、新政策(国家紙幣等)を実現させるには、実行させるだけの能力を持つ『新勢力の登場』が不可欠となるわけです。

この新勢力とは、共同体企業のネットワーク(次回以降詳しく説明していきます)による企業群のことですが、それらが政策決定にどれだけ影響力をもてるかが鍵となり、大衆が可能性を感じて後押ししていくことが必要です。
これにより、今までの旧市場主義=利益追求を基盤とした経済政策ではなく、国家紙幣の発行により本当に皆が必要だと感じているところに必要な分だけお金を使っていくといった様な、本当に必要な政策の実現が可能となります。

しかし、そのような新勢力は、果たして登場するのか?

登場するとしたら、それは、どのような勢力なのか?

次にそれを明らかにしていこう。

新勢力については、次回以降への期待が高まりますね。今回の内容については一旦ここまでとし、これまで5回に渡ってお送りしてきた「序5.破局後の経済は?その時、秩序は維持できるのか?」シリーズが終わりとなるので、ここでポイントを整理しておきます。
その1:【目前に迫ってきた国債暴落の危機】 [4]
その2:【国債暴落→リセット後の世界経済】 [5]
その3:【金貸し勢の甘い読み】 [6]
その4:【秩序崩壊し、壊滅してゆく個人主義国家】 [1]

・3.11大震災と原発事故を経て、国債暴落の危機が迫っている。背後では、金貸し勢力が世界中の国債を暴落させたうえで全世界一斉に新紙幣に切り替えることを目論んでいる。

・米国債デフォルトを引き金にした超インフレから新紙幣発行に至る過程で、金貸し勢力は、18世紀初頭頃の貧困を再現し、私権欠乏を原動力にした市場社会の再構築を狙っていると推定される。

・金貸し勢力は、中央銀行制度を死守したままでも秩序崩壊を免れることができるという甘い読みでいる。

・欧米や中国などの個人主義国家では、リセットによって秩序崩壊に至るのは不可避である。

・日本をはじめ秩序崩壊を免れる可能性のある国々でも、旧勢力の存在が足かせとなる。中央銀行廃止⇒国家紙幣による社会秩序維持を掲げる新勢力が登場することが経済再建のためには必要。

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実現論序5.シリーズはいかがでしたか?将来のことを考えるためには、実現イメージを考えると同時に、最悪の事態をも想定しておく必要があると言います。そういう意味で、今回のシリーズはその最悪の事態の想定でした。ここまでの崩壊が起こるかどうかは今後の世界情勢次第ですが、少なくとも金貸し支配に甘んじたままでは、これに近い事態に陥る可能性は十分にあるでしょう。

秩序を維持していくためには、私権原理ではなく、共認原理に基づいた社会に移行していく必要があります。そのために何が必要なのか?可能性はどこにあるのか?次回以降で明らかにしていきたいと思います。

では、次回をお楽しみに。

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