2016年12月20日

プーチンは日本をどう見ているか

日露首脳会談が先週、開催されました。

ここで協議された内容から、日露関係の現況、さらにはプーチンが観ている未来について考えてみたいを思います。

この日露首脳会談での成果は、北方領土での共同開発と3000億円の経済支援です。北方領土の返還に関しては「へ」の字もありませんでした。これは当ブログも以前から指摘してきたことですが、ロシアには最初からその意志は全くありませんでした。

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プーチン大統領は到着時間が3時間近く遅れたこと、離日も10分程予定より早かったことなどから、今回の会談への意気込みがさほど無かったようにも映ります。岸田外務大臣とのサンクトペテルブルクでの会談でも2時間の遅刻でした(会談の遅刻は有名な話で、プーチンの外交手段のひとつとしての指摘もありますが)。

巷のメディアでは、今回の会談を「前進」と評価しているものもあります。確かに経済協力はそのような見方が出来ますが、一方で「北方領土に進出する日本企業は、ロシアに税金を払うべきだ」という発言がロシア側から出ており、共同開発と言っても両国が対等関係で推進していくには、まだまだ課題があります。広く世界の視座を持っているプーチンから観て、今の時期の日本との会談はどのような位置にあったのでしょうか。

 

■まず実行すべきは中央銀行制度の廃止⇒国家紙幣への切り替え

今、世界各国の国債金利が上昇。国債の信用が下がっています。そのため投資家達は株に切り替えています。FRBも利上げを実行しました。中国は猛烈な勢いで米国債を売却していますが、決して無関係ではないでしょう。中国の米国債保有高は5ヶ月連続で減少、11月の外貨準備高は3兆520億ドルにまで落ち込んでいます。

アメリカでは金貸し勢力の支配・支援を受けていないトランプ氏が次期大統領となります。トランプ氏の当選から、アメリカの支配勢力であった「ロックフェラー」も「ネオコン」も敗北が明らかになり、残る支配勢力はFRBを牛耳るロスチャイルドのみとなっています。おそらくトランプ氏はAIIBの加盟を検討しており、中国と手を組んで打倒FRB、打倒ロスチャイルドに向けた動きをとっていると観て良いでしょう。米国債や各国の金利上昇はこうした直近の動きを察して投資家達が動きを見せてると考えられます。そう遠くない未来に、アメリカとロシアと中国(すでに国家紙幣)は中央銀行制度の廃止と国家紙幣の発効へと向かうでしょう。その筋書きはプーチンが描いていると考えられます。

 

 ■世界の調停役としての立場を磐石にする

すでにシリアのアレッポでその存在感が増しているロシアですが、先日もアサド大統領はこのように述べています。

『今後やロシアやイランの指導者と協議して決める』

今や、こうした紛争の調停役は、アメリカからロシアに切り替わっています。シリア情勢ではロシアが沖合に空母を派遣し具体的に行動をしたことが、成果に結びついたと言えます。中東情勢はこれからロシア主導で動いていくでしょう。

 

■その次は中国を抑制する

プーチンは中国とアメリカを巻き込み、中央銀行制度を廃止した次は中国です。強大な経済力と人口で世界制覇を企む中国と違い、ロシアは民族自決主義のもと、各国の民族性を尊重した多極的な世界のあり方に重点を置き、自国もその思想に立っています。現在は反金貸しのもと中国と共同戦線を張っていますが、根本的な立脚点に決定的な違いがあり、いずれ両国は対立することは必至です。中東においても中国の経済力が及んでいることは、既に述べました。(参考:「経済拡大を続ける中国の行方」)

そのため、プーチンは中国包囲網を着々と進めています。(参考:「ロシアの中国包囲網」)

 

■プーチンは日本との関係深化を長期的課題と認識している

中国との関わりから、現状の日本はロシアにとって、この中国包囲網の一環として位置づけられていると考えられます。そのためになんらかのかたちで自国の影響下に日本を置きたい。先日の日露首脳会談の中で、プーチンは日露の平和条約への可能性を示唆するコメントをしていますが、それは「急ぐべきではない」と言っています。一方で、日米安保条約について揺さぶりをかけました。これは在日米軍の存在と、それに対する日本の今後の対応を試していると思われます。

現在、北方領土共同開発の主導権はロシアにあります。「そうでなければ意味が無い」とプーチンは語っていますが、これは国益を第一に考える国家元首であれば当然とえいます。

ロシアの自然の摂理に根ざした軍事技術は突出していますが、民間技術はまだ途上にあります。そんなロシアにとって、日本の民間技術は是が非でも自国に採り入れたいものであり、また西側諸国から経済制裁を受けているため資金も要る。そういう意味では、日本はロシアと対等のパートナーとして関係を今後、築いていけるカードを持っていると言っても過言ではありません。

プーチンは、日本との関係改善のみならず協働を期待していることが、彼の言葉から読み取れますが、今は、日本よりも優先して推進すべき戦略があります。また日露関係はプーチンにとっては全体課題の一部分でしかないのです。逆に言えば、日本もプーチンと同じく世界を視座に入れた志を持たなければ、いずれ相手にされなくなるということでもあるのです。

 

(by  ken)

 

 

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