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共認収束への大転換⇒実現の時代へ(11)業態革命のまとめ~共認充足需要が業態革命の最大公約数~

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人々が社会をどうする?を自ら考え、答えが欲しい、答えを出そうという気運が高まっています。
しかし、この気運はある一つの事象のみによってもたらされたものではありません。人類500万年の歴史の中で、約6000年続いた私権時代が’70年の貧困の消滅をもって終わりを迎えました。
そして今私たちは、その後100年をかけて新たな時代(私権原理→共認原理)に転換していくその大きな流れの中に生きているのです。
このシリーズの狙いは、まさに‘70年貧困の消滅に始まる共認収束の大潮流を謙虚に学び、近50年の状況を歴史段階的に読み解くことで、次代の新たな可能性の提示を試みるところにあります。

今、現実の様々な生産関係の中でどのような変化が起こっているかを見ていくと、そこには「業態革命」とも言えるほどの根底的な転換が生じていることがわかってきました。
おそらく、この「業態革命」の中身とその背景を正確に捉え、それを速やかに事業方針に繋げることなしに、企業としては生き残れない時代に入ったものと思われます。

前々回から2週に渡って、この「業態革命」とは何なのか、どのような要因で起こっているのかについて、まずそれが顕著に現れている「農業」と「教育」の事例から明らかにしてきました。
その上で、今回は「まとめ編」と題して、両者の共通構造を抽出し、今後求められる新しい認識を提起してみたいと思います。


1.「農」と「教育」に見る業態革命の共通点
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上の表は、
(9)業態革命の背景~なぜ業態革命が起こっているのか<農業編>~ [2]
(10)業態革命の背景~なぜ業態革命が起こっているのか<教育編>~ [3]
の記事の中で述べてきた「農業」と「教育」で取り上げてきた業態革命の共通点を抽出したものです。
311以降、強く顕在化してきた市場からの脱却≒自給自足的なイメージから生まれてきた「自給志向」。
時を同じくして生まれてきた、近代200年間続く近代観念という染脳からの脱却という「自習志向」。
この新しい人々に意識潮流=潜在的な需要に応えるべく登場した新規参入組の企業群によって、業態革命は進行しています。
それでは、この「自給志向」と「自習志向」という新しい点と点を結ぶ共通のベクトルはどこにあるのでしょうか?次に業態革命の核心部分を取り上げていきます。

2.業態革命の核心部分は共認充足需要である

全体について言える重要な視点は、共認充足が全てという形になっていることである。
全てにおいて共認充足需要が最大公約数となっている。
普遍性の高い捉え方でいえば、全ての業態・業種において「対面充足」が第一となっている。
例えば、どの業態においても営業の成果は対面充足を与えることができるかどうかで決まってくる。
直販もそうで、生産者、消費者の直接的な対面充足を、生産者側も求めているが、それ以上に消費者側も求めている。塾は言うまでも無く対面充足が無ければ商売が始まらない。
対面充足が第一ということの一環だが、何であれ体験教室というものは、色んなところで一杯生まれてきている。料理教室、農体験、工場体験などいくらでもある。
これらも共認充足需要だが、ただし単なる共認充足ではない。体験という以上何らかな課題がある。
それを体験する。つまり、何らかの能力を身に着けるということと繋がっている。
『8/12なんでや劇場7 農と塾における業態革命~全てにおいて共認充足需要が最大公約数となっている』 [4]より

約6000年続いた私権時代が’70年の貧困の消滅をもって終わりを迎えました。
そして冒頭で述べたように、今私たちは、その後100年をかけて新たな時代(私権原理→共認原理)に転換していくその大きな流れの中に生きています。
すなわち業態革命の核心部分は、全てにおいて共認充足需要が業態革命の最大公約数となっているという点です。
故に、全ての業態・業種において「対面(体験)充足」が第一となっており、その体験を通して共認形成力を習得することができるサービス及び業務が、全ての企業に期待として掛けられているのです。

以下、本シリーズで取り上げてきた意識潮流をまとめた図解です。
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3.共認収束が向かう最遠点
今回のシリーズ「共認収束への大転換⇒実現の時代へ」では、次代の新しい可能性を実現していくために、前半の記事では、近40年のできる限り正確な状況認識(意識潮流や社会構造)を提示してきました。
そして後半の記事では、その状況認識を元に、今まさに現実の生産の場で進行中の、業態革命の核心部分について読み解き、次の半世紀を展望しうる構造認識群を提示してきました。
最後に、業態革命を貫く最も大きなファクターである共認収束が向かう最遠点について、触れたいと思います。

実は、自然志向とか節約志向、自給志向も、共認充足第一というファクターが強く影響を及ぼしている。
おそらく歴史的に、共認充足が充分に得られていた時代、要するに私権時代以前の時代は、自然と一体であった。
共認充足とこの自然志向は一体化する構造にある。さらに言えば、共認充足の最遠点には、実はかつての自給自足という自給志向とも密接に繋がっていると思われる。
従って、歴史的な体験記憶と繋がっているとすれば、共認充足は認識面においては当然、自分たちで考えていく、自分たちでつくっていく、という方向に繋がっていく。
『8/12なんでや劇場6 農と塾における業態革命~他の業界も業態革命が起きていないのか』 [5]より

私権時代以前の人類の生活は、自然と一体かつ共同体の中で育まれていました。その自給自足を営んできた共同体における共認充足が歴史的な体験記憶として、現在の回帰とも言うべき潮流を生みだしています。
これを認識として捉えれば、『自分たちで考えていく、自分たちでつくっていく』という共同体を実現させていく志向性こそが次の意識潮流の本命であると私たちは考えています。
本シリーズはこれで完結です。ご愛読ありがとございました。
次回のシリーズもご期待下さい! 😀

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